意外な結末
「あっあれ?」
「言われてみると…雰囲気とか、顔付きとか、りんと主って似てる…わね」
主はすたすたとわたしの前に歩いてきた。
そして手を上げ、わたしの頬を撫でる。
「時環…と名乗ったな? 永久村の娘か?」
「父方の祖父母が住んでいて…」
「先祖代々か?」
「ええ」
「ふむ…」
主は遠い眼をした。
「もう一つ、苗字はないか?」
「もう一つ?」
旧姓のことだろうか?
この場合、多分…祖母のことだろう。
「確か祖母の苗字が…津見家だったような…」
「津見家…。もしや先祖にお主と同じ、『りん』という娘はいなかったか!」
いきなりわたしの両肩を掴んで、主は眼を見開いた。
「えっええ。わたしの名前の読み方は、その人から貰ったものだって、父が…」
「まことかっ!」
「はっはい。祖母の実家は元々、神道系の神社の家系で、今は祖母の弟の者が実家を継いでいます」
なので権力者の家の者の祖父と、村では重要な役目を担う祖母は、生まれてすぐ婚約させられたらしい。
まあ今でも仲睦まじい夫婦だが…。
…ん? アレ? 今なんか、とても重要なことを思い出さなかった?
確か祖母の実家が祭っていたのは………山の神。
津見という苗字も、大山津見神―つまり古事記に出てくる山の神様から貰った苗字で…。
「…んん?」
…昔、祖母から聞いた話を思い出した。
その昔、農作物が天気が悪かったせいで、不作の年があった。
困った村人達は神社の神主の娘の一人を、山の神の遣いとした。
彼女は山に入り、山の神に不作のことを告げ、何とかしてもらうように申し出た。
山の神は一人で山に来て、自分に意見を言ってきた彼女を気に入り、妻にする代わりに、その申し出を受けた。
すると天気は回復し、農作物はたくさん取れるようになった。
その後、彼女は山を下りてきた。
その腕に、一人の赤ん坊を抱いて―。
「………」
「……………」
「もしかして…ご先祖様?」
わたしはかっくんと首を横に捻った。
「…恐らくな」
主も同じようにかっくんと首を縦に振った。
あっ…血の繋がりを感じる。
「えっ…」←コムラ
「…えっ?」←ミトリ
「あはは。とんだどんでん返しだね」←キムロ
―ええええええっ!?
↑
わたし、主、キムロ以外全員。




