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23.真実を知るために

挿絵(By みてみん)


ある日、双雲と麗は静かな座禅の時間を終え、寺の庭で対話をしていた。双雲の鋭い目は麗の心の奥底にある暗い影を見抜いていた。


「麗、何か悩みがあるようだな。心の中に重荷を感じる。」双雲は静かに問いかけた。


麗は一瞬躊躇したが、深く息を吸い、決心した。


「実は…私、東京で夜の仕事をしていたんです。施設を脱出して、家出状態になって、お金が無くて…。」


双雲は静かに頷き、「続けなさい。」


麗は震える声で話し続けた。


「ある日、一人の男性に声をかけられたのを朧気ながら覚えているんですが、その後の記憶が一切なくなってしまったんです。目を覚ますとなぜかホテルにいて、その男が倒れていて…自分が何かした覚えはないけど、中警隊に追われる強迫観念に苛まれている。」


双雲はしばらく沈黙し、麗の言葉を噛みしめるように聞いていた。


「その事件が心の中に深い傷を残しているんだな。そして、その記憶が曖昧なのは、お前の心が自分を守るために封じ込めたからかもしれない。」


麗は涙をこぼしながら、「どうすればいいの?私は本当に何もしていないのに、罪の意識から逃れられない…」と訴えた。


双雲は優しく麗の肩に手を置き、「心の修行を続け、自分の内面に閉じ込められた記憶を見つけるしかない。真実を知るためには、己の心の奥深くに潜り込み、恐れずに向き合うことが必要だ。」


「でも、怖いです…自分が本当に人を殺していたらどうしよう…」麗は不安そうに言った。


「恐れを克服することこそが修行の一環だ。真実を知ることで初めて、お前は自分を許し、前に進むことができる。」双雲の言葉は深い理解と共感に満ちていた。


麗はその言葉に力をもらい、決意を新たにした。


「わかりました、双雲様。私は自分の心と向き合います。真実を知るために、もっと深く修行を続けます。」


双雲は微笑み、「その決意が大事だ、麗。お前の心は強い。その強さで過去と向き合い、未来を切り開くのだ。」


麗は双雲に深く感謝し、その日から一層厳しい修行に取り組むことを誓った。


心の中に閉じ込められた記憶を探るため、彼女は自分自身と向き合い続ける日々を過ごした。

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