第27話 神の使徒 vs 怜&レグルス
第27話です。今回は神の使徒vs怜&レグルスです。もちろん莉奈やミアも戦います。
空が裂けた。
そこから降りてきたのは――
神の使徒。
龍族の訓練場が一瞬で戦場に変わる。
割れた空を背景に、光る羽がより一層輝きを増す。
怜が一歩前に出る。
「何の用だ」
使徒の目が主人公を見る。
「お前だ」
「人の王」
空気が凍る。
使徒は続けた。
「お前に王になれと言った理由」
怜の目が細くなる。
「……お前か」
使徒は頷く。
「そうだ」
「我ら神は均衡を保つ」
「そのために王を導く」
ミアが怒る。
「じゃあ戦争も!」
使徒は淡々と言う。
「必要な調整だ」
怜の拳が握られる。
「ふざけるな」
使徒は冷たい目で言った。
「だがお前は誤った」
「魔族と和解しようとしている」
「それは均衡を崩す」
光が強くなる。
「だから排除する」
レグルスが前に出る。
「俺の国で暴れるつもりか?」
使徒は答える。
「構わない」
その瞬間――
光の兵が現れた。
白い鎧。
感情のない瞳。
数十体。
レグルスが言う。
「面倒だな」
怜は振り返った。
「ミア」
「莉奈」
二人が頷く。
「任せて!」
莉奈が剣を抜く。
「私たちも戦える」
怜が言う。
「雑兵を頼む」
レグルスは笑う。
「いい仲間だ」
使徒が手を上げる。
「排除せよ」
光の兵が一斉に動く。
ミアが叫ぶ。
「来る!」
莉奈が前に出る。
「迎え撃つ!」
龍族の訓練場が一瞬で戦場に変わる。
使徒が静かに命じた。
「排除せよ」
光の兵が一斉に動いた。
ミアが叫ぶ。
「来る!」
莉奈が剣を抜く。
「私が前に出る!」
莉奈は一直線に踏み込んだ。
剣が閃く。
ガンッ!!
光の兵の剣とぶつかる。
重い。
想像以上に重い。
「くっ……!」
だが莉奈は踏み込む。
剣を滑らせ、相手の懐へ。
「はあっ!」
斬撃。
一体の兵が吹き飛ぶ。
ミアも杖を掲げる。
「フレア!」
火球が爆発する。
轟音。
光の兵が数体倒れる。
だが――
止まらない。
兵たちは無言で前進してくる。
ミアが歯を食いしばる。
「数が多い……!」
莉奈が叫ぶ。
「ミア、右!」
剣が振り下ろされる。
ミアは転がって避けた。
地面が砕ける。
その瞬間、別の兵が背後から迫る。
「しまっ――」
ガン!!
莉奈が割り込んだ。
「危ない!」
剣を受け止める。
火花が散る。
ミアが息を整える。
「ありがとう!」
だが兵たちは止まらない。
三体、四体と囲んでくる。
莉奈が低く言う。
「……まずい」
戦いは続く。
炎。
氷。
水。
ミアは魔法を放ち続ける。
だが――
魔力が減っていく。
息が荒い。
「はぁ……はぁ……」
目の前の兵はまだ立っている。
「なんで倒れないのよ……!」
莉奈も疲れていた。
腕が震える。
「ミア、下がって」
「私が――」
その瞬間。
ドン!!
衝撃。
莉奈が弾き飛ばされた。
「きゃっ!」
地面に転がる。
ミアの前に光の兵が立つ。
剣が振り上げられる。
ミアの体が動かない。
(……やばい)
(避けられない)
剣が落ちる。
その瞬間――
時間が遅くなった。
視界が白くなる。
ミアの意識が遠のく。
(あ……)
(終わり?)
その時、景色が変わる。
見慣れた村。
ミアの故郷。
風車が回り、畑が広がる小さな村。
幼いミアが走っている。
「おばあちゃーん!」
家の前に立つ老人。
ミアの祖母。
優しい声で言う。
「ミア」
「この村には古い言い伝えがあるんだよ」
幼いミアが首をかしげる。
「言い伝え?」
祖母は笑った。
「昔、この土地には“守り手”がいた」
「神でも魔族でもない」
「ただ、人を守る力」
ミアが聞く。
「どこにいるの?」
祖母はミアの手を取る。
そして言った。
「その力はね」
「選ばれた者の中で眠っている」
景色が揺れる。
祖母の声が遠くなる。
「もし目覚めたなら」
「その者は――」
最後の言葉は上手く聞こえなかったが、それで十分だった。
意識が引き戻され、現実に帰る。
光の兵の剣が落ちてくる。
その瞬間。
ミアの左手が光った。
「……え?」
左手の甲。
そこに――
光る痣が浮かび上がる。
紋章のような模様。
光が爆発した。
ドン!!!
兵が吹き飛ぶ。
莉奈が驚く。
「ミア!?」
ミアは自分の手を見ていた。
「なに……これ」
体の奥から力が湧く。
魔力が溢れる。
ミアがゆっくり杖を持ち上げる。
瞳が光る。
「……わかった」
「こう使うんだ」
杖を振る。
「聖炎」
次の瞬間。
巨大な白い炎が現れた。
轟!!
光の兵を飲み込む。
数体が一瞬で消滅する。
莉奈が目を見開く。
「ミア……?」
ミアは静かに言う。
「まだ戦える」
「むしろ――」
炎が渦を巻く。
「今が一番強い」
一方。
訓練場の中央。
神の使徒と怜、レグルスが対峙していた。
衝撃がぶつかる。
ドン!!
レグルスの拳。
使徒の光刃。
空気が爆発する。
レグルスが笑う。
「強いな」
使徒は冷たい。
「当然だ」
怜も斬りかかる。
だが――
ガキン!!
弾かれる。
「ちっ……」
レグルスが低く言う。
「このままではジリ貧だ」
怜も理解していた。
(強い)
(普通の力じゃ勝てない)
怜は息を吐く。
「仕方ない」
手を伸ばす。
空間が歪む。
「来い」
黒いサイコロが現れる。
『DIECEROLL』
そしてもう一つ。
剣。
緑の光を放つ剣。
『樹王の剣』
レグルスが笑う。
「ようやく本気か」
怜がサイコロを振る。
カラン。
《出目:一時的身体能力向上・強》
光が走る。
力が体に流れ込む。
怜が剣を構える。
「行くぞ」
次の瞬間。
消えた。
使徒の背後に現れる。
ザン!!
初めて――
使徒の肩が裂けた。
使徒が驚く。
「……ほう」
レグルスも突撃する。
龍の拳が炸裂する。
ドン!!
使徒が後退する。
だが――
まだ余裕。
怜は歯を食いしばる。
(まだ足りない)
その時。
怜は気づいた。
自分の力。
神の力ではない。
魔族の力でもない。
龍の力でもない。
(……世界)
空気。
大地。
魔力。
すべてが繋がっている。
怜が呟く。
「そうか」
「これが俺の力」
手を振る。
世界が応える。
ドン!!
重力が変わる。
使徒が膝をついた。
「なに……!?」
レグルスが笑う。
「やっと気づいたか」
怜の瞳が光る。
「俺の力は」
「世界そのものだ」
戦況が一変する。
使徒が初めて焦る。
怜の剣が振り下ろされ、使徒が吹き飛ぶ。
煙の中。
使徒が立ち上がる。
体が傷だらけ。
だが笑った。
「なるほど」
「面白い」
怜が剣を構える。
「終わりだ」
だが使徒は首を振る。
「いいや」
「今日はここまでだ」
レグルスが睨む。
「逃げるか」
使徒は言う。
「覚えておけ」
「使徒は私一人ではない」
空が裂ける。
その奥に――
巨大な影。
神。
使徒は言った。
「真の神は、すでにお前たちを見ている」
光が爆発する。
そして――
消えた。
辺りには静寂だけが残る。
戦いは終わった。
だが――
これはまだ序章だった。
この先の旅路で、怜達を排除する時を虎視眈々と待っている。
いかがだったでしょうか。面白いと思った方は応援をよろしくお願いします。
次回は、戦後の宴をやるようです。




