表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/31

第25話 龍の国へ:入国

第25話です。ついに龍の国入国です。

山脈の奥へ進むにつれ、空気が変わっていった。

森の匂いは薄れ、代わりに乾いた岩の匂いが漂う。

空はどこまでも高く、雲の流れが早い。

ミアが上を見上げる。

「……ねえ」

「さっきから、なんか大きい影が飛んでない?」

怜も視線を上げた。

遠い空。

巨大な翼が、ゆっくりと空を横切っていく。

莉奈が小さく息を飲む。

「本当に……龍がいるんだ」

「ここが龍の国……」

山道をさらに進むと、やがて巨大な岩壁に辿り着いた。

まるで山そのものが門になっているかのような、巨大な石の門。

その前には、槍を持った兵士が数人立っていた。

だが――

その姿は、人間ではない。

頭には小さな角。

瞳は金色。

背には小さな翼。

ミアが小声で言う。

「……龍族?」

怜は頷いた。

「人型の龍族だな」

その瞬間、槍が一斉に向けられた。

「止まれ」

低い声。

中央の兵が一歩前に出る。

「ここは龍王国の領域」 「人間が踏み入る場所ではない」

空気が一気に緊張する。

ミアが小声で言う。

「どうする?」

怜は落ち着いて前へ出た。

「俺はこの国の王だ」

兵たちの目が鋭くなる。

「名を名乗れ」

怜は迷わず答えた。

「人の国の王」 「龍王との会談を望む」

一瞬の沈黙。

そして兵の一人が笑った。

「人間の王が?」 「護衛三人で?」

ミアがムッとする。

「三人じゃない!二人だよ!」

莉奈が苦笑する。

「そこじゃないと思うけど……」

兵は槍を地面に突いた。

「龍王に会う資格はない」

怜は静かに聞く。

「どうすれば資格を得られる?」

兵の口元がわずかに歪んだ。

「簡単だ」

「力を見せろ」

その瞬間――

地面が震えた。

ドォン!!

岩壁の上から巨大な影が降りてくる。

ミアが叫ぶ。

「うそでしょ!?」

現れたのは、巨大な龍。

青い鱗。

長い尾。

人間の家ほどある頭。

眼帯で覆われた左目をその上から擦る。

今回は力を誇示するために来たわけじゃない。

だから、できるだけDIECEROLLは使わずに会談を終わらせる。

この龍もDIECEROLLを使わずに空覇だけで片付ける。

兵が言う。

「試練だ」

「この龍を退けられたら、通してやる」

莉奈が剣を抜く。

「やるしかないね」

ミアも杖を構えた。

「よーし、レベル上げ第二ラウンド!」

怜は苦笑する。

「さっきより相手がでかいぞ」

龍が咆哮した。

ゴォォォォ!!

風が吹き荒れる。

ミアが叫ぶ。

「来る!」

試練の戦い

龍が突進する。

莉奈が前へ飛び出す。

「私が止める!」

ガキィン!!

剣と爪がぶつかる。

衝撃で地面が砕ける。

「うぐっ……!」

ミアが叫ぶ。

「下がって!」

氷魔法が放たれる。

「アイスランス!」

氷の槍が龍の翼に刺さる。

龍が怒りの咆哮を上げる。

怜は観察していた。

(速い……)

(でも――)

龍が再び突進する。

その瞬間。

怜が前に出た。

「少し本気出すか」

手を軽く振る。

空気が歪む。

ドン!!!

見えない衝撃が龍の体を押し返した。

龍が後ろに滑る。

兵たちがざわつく。

「……人間が龍を押した?」

怜は首を回す。

「まだ慣れてないんだよな、この力」

龍が再び咆哮する。

今度は炎。

巨大な火炎が迫る。

ミアが叫ぶ。

「防ぐ!」

水の魔法が展開される。

蒸気が爆発し、視界が白くなる。

その中から――

怜が歩き出た。

「もう終わりだ」

軽く拳を握る。

空気が収束する。

バンッ!!

衝撃波が龍の体を弾き飛ばした。

龍は地面に倒れ、動かなくなる。

静寂。

兵たちが唖然とする。

一人が呟いた。

「……ありえない」

「人間が試練の龍を倒した?」

怜は肩を回す。

「よし」

「だいぶ慣れてきた」

ミアがツッコむ。

「慣らすレベルじゃないでしょ今の!!」

莉奈も苦笑する。

「相変わらずね……」

兵がゆっくり槍を下ろした。

「……通れ」

「龍王がお前を呼んでいる」

三人は顔を見合わせた。

ミアが小声で言う。

「聞いてたの?」

兵が答える。

「龍王はすべて見ている」

空を見上げる。

雲の向こうに、巨大な影があった。

龍王との初対面

宮殿は、山の頂にあった。

巨大な柱。

空に開かれた玉座の間。

そして――

そこにいた。

黄金の鱗を持つ巨大な龍。

その体は城よりも大きい。

ミアが小声で言う。

「……でっか」

莉奈が呟く。

「これが……龍王」

龍王の目がゆっくり開く。

黄金の瞳。

そして、声が響く。

「人の王よ」

声は頭の中に直接響いた。

「よくここまで来た」

怜は真っ直ぐ見上げた。

「会いに来た」

龍王は少し笑う。

「面白い」

「普通は“会わせてください”と言う」

怜は答える。

「対等に話したい」

龍王の瞳が細くなる。

「人間が龍と対等?」

沈黙。

そして龍王は言った。

「だが」

「力は認めよう」

翼がゆっくり広がる。

風が吹き荒れる。

「人の王」

「貴様は何を望む?」

怜は迷わず答えた。

「世界の均衡」

「そして――」

少しだけ間を置く。

「戦争を終わらせる」

玉座の間が静まり返る。

龍王の目が鋭く光った。

「……ほう」

「それは」

「魔族ともか?」

ミアと莉奈が息を飲む。

怜は答える。

「そうだ」

龍王はしばらく沈黙した。

そして――

低く笑った。

「面白い」

「実に面白いぞ、人の王」

龍王はゆっくり言う。

「ならば教えてやろう」

「なぜこの世界が戦い続けているのか」

黄金の瞳が輝く。

「その“真実”をな」


ーおまけー

王城の端にある訓練場。

そこで怜は空覇を慣らすついでに研究していた。

「なんなんだ?この能力...」

王との戦闘が終わった後、何日もかけて空覇について研究したが、常軌を逸した能力であること以外は分からなかった。

怜は自分の右手を見る。

「空覇...万糸の能力も全て引き継いでいるようだが、使えなくなったやつも多いんだよな...」

そう。相変わらず糸を使うことができるが、血糸のように切り裂くようなこと以外はほとんどできなくなってしまった。

黒糸などを使って、状態異常をかけるようなことができなくなった理由はまだ分からない。

空覇の主な能力は大きくわけて2つ、空気についての能力と身体強化の能力。

空気の能力は、直接気体に触れ、空気を圧縮することや掴んで飛ばすことなどができる。

身体強化は、一時的に脚力や腕力を増強することができるというもの。

この前、王にトドメをさす時にこれを使って腕力を超強化させていた。

「レイ!ご飯だってエルナが呼んでるよ」

ミアが早く食べたいという思いを全面に押し出しながら言う。

「分かった。今行く...」

(この能力については今後、少しずつ解明していこう)

怜は右手を下げ、王城の食堂へと走って行った。

いかがだったでしょうか。面白いと思った方は応援をよろしくお願いします。

ということで、龍王が出てきましたね。少しずつ物語が動いていく感じがします。

あ、そうだ。神側も忘れては行けませんよ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ