66/67
347°
「……もう一つ聞いてもいいか?」
「なにを?」
俺はあんずにさらに重ねて聞いた。
日も暮れていく、ただいまだに太陽は俺の顔を照らしている。
きっとあんずにも俺の顔は輝いて見えているかもしれない。
「もしも、さ。もしもなんだけども」
「うん?」
いたずらっぽく、わずかに口角が上がるあんず。
絶対にあの言葉を期待している、でも俺が行ってしまえばこの、いまの友達のような関係は壊れてしまう。
逆戻りできない、この感情と関係は、ただただ俺の手で壊してもいいものだろうかと自問する。
でも、それでも、伝えないといけない。
「俺と、付き合ってくれませんか」
「もちろん」
ほとんど間髪入れず、と言ってもいいぐらいの時間で、あんずは俺の言葉に答えた。
そして、1歩、2歩と近寄ってきて、視界があんずで満たされた。




