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再び周りの風景が見えるようになったころ、あんずはそれでも俺のほうを見てくれていた。
「やっぱり恥ずかしいね」
「そうだな」
これは二人だけの秘密、ここでしたのは全部が秘密。
そうは考えたものの、きっとどこからか漏れて伝わっていくんだろう。
それでも俺は構わないと考えていた。
「これから、よろしくね」
改めて、といわんばかりにあんずはうれしそうな顔をして俺を見てくる。
「ああ、これからも、よろしくな」
握手、とはいかないが、それでも俺らは結ばれた。
今はそれだけで十分だろう。




