211°
しばらく眠っていたのは教えてもらった。
病院の集中治療室で教えてもらったのは、あの手術のあと1週間ぐらいは意識がなかったのだという。
一方であんずは少しぼんやりするようになったのだという。
大まかには大丈夫らしいけども、なんかのおりに意識がふと遠のくような感じがあるのだとか。
それがあの魂の一部が俺の中に入っているせいなのかはわからない。
ただ、すこし日まで日までいろいろと考える時間があったからこそ、思ってしまうことがある。
それは、俺の中にあんずの魂が入っているのならば、逆にあんずの中に俺の魂のすこしばかり入ってしまっているということだ。
「……まあ、そりゃそうだよな」
独り言をつぶやいたところで、個室の俺は誰かが返事をするということはない。
単純に何も見えない闇の向こうへ、言葉は吸収されていく。
ただ魂が入れ替わったなんてことを言っても、きっと信じてくれないだろう。
だから消灯時間にもなったことだし眠りにつく。
まだまだ眠く感じているのは、きっと、体がまだ本調子じゃないせいだろう。




