表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/97

敵の目的。

そろそろこまかーく。めんどくさーく、暗くなってきます。あまり暗くせず頑張りたい。。。

「リオーーー!こっちこっちーーーー!」甲高い声が私を呼ぶ。


まぶしいです。

朝日が。


そういうわけで、今、何故か土属性の世界における『動物園』的ところへ来ています。

いわゆるテーマパークです。


「ヴァルさん、本当にここなんですか?」私は隣を歩くヴァルハイトに向かってうろんげな目線を送る。


「その猫が気にしてる方角はこっちだから間違いないだろう。」


早速私は王様の病む原因を突き止めるべく調査にかかった。

とはいえ、やみくもに探しても意味が無い。まずは、土が循環しているポイントー円舞軌道ーと呼ばれた地脈の一つをたどっているところである。


そしてその先にある目的地が、今回のテーマパークだった。


ヴァルさんと子供たち3人、そして私。これって、見ようによっては休日の親子連れ。でも、精霊はそんなことあんまり気にしないそう。


既視感に襲われながら、子供たちを追いかける。


「どうしたのそれ。」うす緑色のシンが手にいつの間にかお菓子を持っている。


「もらった。」瞬時に毒物など異常が無いか確かめる。よし、無い。黒の術がだんだん生活感溢れてきているけど、気にしない。

「知らない人からもらったらいけません。」

「精霊だよ。人じゃなくて。」ミィがツッコミを入れる。うん、わかっているけどね。取り上げるのも忍びないし、ヴァルさんが放置しているので、そのままシンが幸せそうに食べているのを見る。

「あそこ入りたい。」カイが指さす先。それは、ミラーハウス。


たぶん、ミラーハウス。ただ、微妙に幻想的。本物の鏡ではなく精霊で構成されているらしい。水の精霊とのコラボ作品だそうで。


途中、カイとはぐれる。どうしてこんな狭いところではぐれるのか。ヴァルさんに二人を頼んで途中の道を引き返す。ぽつんと立っているカイを発見してほっとする。

「カイ?」声かけに振り向くカイ。カイは手に何かを持っていた。またか!

「今度は何?」

「リオに渡してって。」そういってピンク色のチケットを渡される。よく見ると今夜のショーの整理券ーしかも指定席だ。

「誰が?」

「男の人。」

「人?」

「人間。」カイも頷く。

「ありがとう。」私はそのチケットをそっともらい、出口へ向かう。




「きな臭い。」何だあのチケット。いかにもうさんくさい。しかも人間の知り合い?そんなものこの世界にいるわけがない。少なくとも、アドイ・ナユの関係者ではない。では?


「あれ?ミィはどこへ?」ヴァルさんの隣にいたミィがいない。

「ああ、さっき手洗いに行ったぞ…そういえば遅いな。」あんた父親失格だ。


私は教えてもらったお手洗いを探しに走り出す。

嫌な予感がする。


お手洗いは10個ほど個室があり、その開いている場所にはミィは居なかった。そして、しばらく待っていたが、残りの個室から出てきたのは全く別人。


すべての人が出て行ってから、掃除道具入れなども見てみた。しかし、誰も居ない。

洗面台には鏡が三つ。メルヘンなのか、芸が細かいのか、楕円形の鏡に、装飾がついている。まるで、おとぎ話の中に入り込んだように。


「!」三つの鏡のうち二つの中にいるはずの『私』が消えた。自然と視線は真ん中の鏡にいく。

にらみつけている鏡の私の顔の上に、文字が。


『六代目へ 特別席を用意した。宝の受け渡しはそこで。』


見慣れない文字を何度頭で変換してもそう読める。


読み終えた瞬間字は消えていく。黒い煙となって。


「『黒の術』…」やっかいだ。今ここに初代は居ない。人質を取られた上で、あちらのホーム。

とても、やっかいだ。



私の顔色で察したヴァルさんの行動は早かった。問題のショーが始まるのは夕方の5時。オペラ座のようなホールが一つあって、そこの中で見るようだ。主には人間の団体観光客を相手にしているようだが、精霊が居ないわけではない。さっそく自分たちも同じ時間の座席を取った。

「よく取れましたね…。」そして危ないことを言うと、

「もともと俺の子供の問題だ。それに、あいつがおとなしくついて行くってこたぁ、相手は相当強いんだろう。なら、二人の方がいい。」というヴァルさんの発言に、カイもシンもうなずき、まるで一緒に戦うような顔つきになる。

「でも…」子供を一緒にというのは。

「人間と俺たちが違うのはここだ。こいつらは経験値を得るために戦いの中に放り込む。より強い精霊になるためにも必要なことだ。」よくわからないけれど、精霊にも様々あるらしい。そのあたりも聞くと長くなりそうだったので流した。




(しょーだーいー。)一応念じてみるが、相変わらず返事は無い。上等だ。

この程度を私一人で越えられなければ、意味が無いんだろう。



開演の30分前に席につく。まだ人はまばらだが6割は入っただろう。このショーが終わればお開きという感じなので、入りは良い。

「隣、よろしいですか。」席は指定なのでそう聞く必要は無いはずだが、一人の男が居た。

歳は20代に見える。だが、どこか老成したような雰囲気だ。髪は薄い茶色、瞳は薄い緑。まるで大地の属性の精霊みたいな、けれども。

「人間?」声に出していた。男は、小さく笑うと右隣に腰掛ける。その所作におかしなところは全く無く、緊張や遠慮、そういった気遣いも全く無かった。

「はは…そうですよ。あなたもでしょう。」男はまるで劇の役者のように大きく笑い、小刻みに肩が震えていた。

「そうですね。でも、あなたはまるで精霊みたいな色をしているのだもの。」私は笑顔で言う。そして見えないーーー本当に見えない術を展開する。

「暗いが、あなたの髪の色はわかります。この世には無い色だ。」男は微笑み、あごの下に手を置いた。

「ご感想は?」私は椅子にもたれたまま男を見上げる。



「美しいですね。六代目、黒の術師。あなたをスカウトに来ました。」男はそう言って、また微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ