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【25000PV突破】元勇者、転生聖女として俺を召喚し異世界救います。~惚れた大聖女に転生していました。中身は元勇者のおっさんですTS~  作者: 奏楽雅


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第84話:個人情報ダダ洩れやん

「世界樹?世界の破滅?ですか?」


「はい、何かご存じありませんか?」


教会の応接室に通された俺は、ソファーの対面に座る司祭に聞いてみた。


なぜかシスターたちもいて司祭の後ろに立っている。一体何人いるんだ?


どうやら、俺の噂が尾ひれもついてここまで伝わっていて神聖視されているらしい。


古い話では…


魔族から王族を護った。


魔族数十人の襲撃から街を救った。


最近だと…


ハイライト王国を救ったことまで伝わっていた。


あと、この帝国に向かったことも。


あれ?別に尾ひれがついてないや…


憧れの目が俺に向けられている、やめて俺そんなに凄くないから。


「司祭の情報開示レベルは大聖女に遠く及びません。お役に立てず申し訳ありません」


「そうですか。本国に戻った時に調べてみます」

そんなに申し訳なさそうにしないで。


「今日いらしたご用件はその件ですか?」


「いえ、他に最近奴隷落ちしたエルフの情報は入っていませんか?」


「数年ぶりにエルフが現れたと、信者が話題にしていました」


「なぜ奴隷落ちになったかとかは?」


「ご多分に漏れず、無銭飲食のようです。屋台の果物など飲食物をお金も払わずヒョイヒョイ食べていたとか」


「エルフは通貨という物自体知らないそうです…共有物という考えなのかも知れません」


「ああ、それで…」


「宝飾店も襲ったとか?」


「宝飾ですか?そのような噂は聞きませんね…」


(あれ?)


んーー


「………では、スネルという奴隷商に関してなにか噂みたいなものはありますか?」


「スネル奴隷商ですか?」


「はい!大聖女様」

シスターの一人が勢いよく手を上げる。


「何かあるんですね教えて下さい」


「良い噂を聞きません。なんでも衛兵とつるんで軽犯罪者を重犯罪者に仕立て上げて永久奴隷として売っているとか。罪のない人を犯罪者に仕立て上げているとか。お釣りをちょろまかすとか聞いています」


「え、え、え?それって犯罪ではないですか」


「懺悔とか聞くと愚痴や噂話も話す方が居るので…一応複数証言になります」


(うん、確かに教会って情報集まるかもね…)


「あとでサインください」


「わ、わかりました。あとでサインします 。ありがとうございました。

他に何かありますか?」


「若い女性が消えて、他の街で売られているという話もあります」

別のシスターが静かに話してくれる。


「スネル奴隷店と関係が?」

認可店がそんなことをする?


「他の街の店舗もスネル系列の奴隷店だそうです。サインお願いします」


(おいおいそれってアウトだろ)


「領主とも繋がっているという噂があります」

別のシスターが続いて発言する。


「確度はどれくらいですか?」


「領主の家令が懺悔に来てました。サインお願いします」

(聞いた俺もあれだけど、個人情報ダダ洩れやん)


「あ、ありがとうございます…あとで皆さんにサインをさせていただきますので」

(これ以上聞くのが怖いし、後戻りできなくなる…)


「司祭様」


「なんでしょうか?」


「私の口座から1億の手形を発行してください」


「お、1億ですか!?」


「はい」俺はニッコリ笑った。


別に聖女は無給の奉仕活動者ではない。命をかけて戦場に出ているのだから相応の給金が払われている。


俺の場合は10歳から聖女で、12歳から大聖女だ。教会のイメージアップ、戦意高揚などの宣伝活動も加味されているし、国の依頼を受けると別枠でも入金がある。

使う機会がまったくないため、どれくらい口座に入っているかわからないが、億くらいなら数年前に確認している。


…普通に考えて、聖女は少女に命をかけさせるブラック職場だ。平民なら間違いなく逃げる。聖女が逃げずにいるのは元が貴族令嬢というのが大きいと思っている。生まれや家に対するノブレス・オブリージュを小さい頃から教え込まれているから…教会はそれすら利用している。


「わかりました、直ぐに用意するようにいたします」


***


随分みんなを待たせてしまった。


俺はシスターと司祭にサインを済ませ―ほぼサイン会になってしまった―、手形を受け取って教会から急いで表に出た。


「あれ?」


いない…


いない?


いないなー


三人の姿がどこを探してもいなかった。


まあ


シスターたちの話を聞いた後だ、なんとなく想像がつくわけで…


(はぁぁぁぁぁ)


しかたがない、取り敢えずスネル奴隷商に向かってみることにする。


東西を貫く大通りを西へと向かう。


ほどなくすると、不穏な気配の男たちが俺の周りを歩いている状態となった。


路地裏からひとり、またひとりと出てきては俺の歩幅に合わせ周りを取り囲んできたのだ。


「仲間の命が惜しければ黙ってついて来い」

耳元でそう囁かれる。


俺は首を縦に振ると、男たちの後ろについて路地裏へと向かった。



お読みいただき有難う御座います。

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