↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【25000PV突破】元勇者、転生聖女として俺を召喚し異世界救います。~惚れた大聖女に転生していました。中身は元勇者のおっさんですTS~  作者: 奏楽雅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/94

第79話:人類は魔族に滅ぼされたことがあったんですか?

「《デ・アスフィクシア》」

仮死魔法を取り除く……単なる仮死の反転魔法。


聞いた話によると、エルフは自前で仮死状態になれるらしい。

寿命が何百も何千年もある生き物だ。生涯のうちに氷河期もあれば、熱波もある、雨が降らないなど活動を断念しなければいけない期間は。寿命が長いだけに何度も訪れる。そんなときは冬眠よろしく仮死に入るらしい。1年でも数百年でも。


それが、更に進めばテロメアの長い、何時までも若く老いない種族へと進化していくのは自然だったのだろう。


鳥に掴まれ運ばれたこのエルフは自前で既に仮死状態になっていたらしい。

俺がプラスで仮死魔法をかけたため、自力で目覚められなくなっているとのことだった。


なんてこったい、放っておいてよかったんだ…

時間の無駄だった。


「仮死の魔法は解除しました」


「ああ、これで目覚めるだろう」

美少女エルフが俺に短刀を突きつけそういう。


「この者はなんで、鳥に運ばれていたんですか?」


「世界樹に捧げる巫女を逃がした大罪人だ」


「巫女?逃がした?大罪人?」


冷ややかに睨まれる。


「う、ううん…」

大罪人エルフが目覚める。男とはいえ美形である。女顔で色白。呻きが色っぽい。巫山戯た種族だな。


「目覚めたか?ファルボリック」


「ここは…メルメルクルティエ!

僕は戻されたのか…恨むぞ鳥の王!」


「フフフ。お帰りなさい大罪人」


「兄に向かってそのいい方は何だ!」


「大罪人は大罪人でしょう。ルルリザクルティエをどこに連れ出したの?彼女は巫女よ。早く世界樹に捧げないと世界が滅びるのよ!」


(えええ?話がデカいんだけど…)


「大聖女様。何でしょう、ワクワクしますね」


「サロメさんワクワクしないで。エルウィンさん何かご存じないですか?」


「ナイトウォーカーの吸血鬼と、こんな雲の上の方々では接点もなく…すみません」


「当然だと思います、謝らないで」

と頭を撫でる。

どちらも、身を隠している種族だからね。


さて、世界樹に対する巫女とはどんな役割なのか…

下手に口出しもできなよな…


「さて、お前たちには死んでもらおうか」


メルメルクルティエがこちらを睨む。

サロメさんとエルウィンが「ひっ」と声を上げる。


「異議あり!」


「認めんぞ、掟だからな」


「その巫女とやらを連れてくるのでどうですか?」

どんなブラックを強いられて逃げてるのかわからないのであまり気が進まないけど…


「そうか、では、連れ戻るまで殺すのをまってやろう」


(何それ!)

エルフってこんなに怖い種族なの?

オーガやゴブリンと変わんないじゃん。


ふと、鳥の王に目を向けると哀れんだ目をしていた。


「鳥の王。何かいってください」

俺の言葉に、鳥の王は目を伏せた。おーい!


「おい、あれを」

メルメルクルティエが背後の者に命令すると、ほどなく金属製の首輪が運ばれてきた。


それを順に俺たちの首にはめていく。


「これは?」


「隷属のギロチンだ」


は?ギロチン?

たしか…

フランス革命後。議会議員で内科医のジョセフ・ギヨタンが提唱した人道性を謳った処刑方法で。巨大な刃で首を刎ねる装置。断頭台のことをギヨタンの子供、ギヨティーヌが英語読みで訛ったはずだけど…なんで地球の言葉?


ちなみに日本の絞首刑って、首を吊って窒息っていう処刑じゃなくて、首の骨を折る方法なんだよね。

人道性云々って理解できないよ。


「無理に取ろうとしたり、我々のいうことを聞かなければ…わかるな」


(わかりたくないけど…)


「まさか人助けをしようとしてこんな目に会うとは思っていませんでした」


「私もです…」

エルウィンとサロメさんが嘆いている。

ホントだよ!


「私たちが戻らないと、魔族によって世界が滅ぶんですよ」


「それはない、大丈夫だ」


「え?どういうことですか?」

俺は驚いた。どういうことだ?


「人類や地上生物が魔族によって居なくなったこともあったが、今も人類は居るだろう」


「なんですか?何をいってるんですか?」

人類は魔族に滅ぼされたことがあった?そういっているのか?


「教えてください」


俺は鳥の王を見る。


『この世界云々ならば、世界樹のほうが重要だ。ただし、人類視点でいえば魔族はお前たちを滅ぼしかねない』


「世界の危機と、人類の危機を分けろと?」


『そうだ』


「エルフは人類や地上生物にカテゴライズされないと?」


『私は同じと思うが、エルフはそう思っていないようだ。

寿命が長い種族とそうでない種族の相違があるのだろう。

速度に例えるなら時速10キロの者と時速20キロで動き続ける者で見るもの、感じるものが同じだと思うか?

また一緒に過ごすことができると思うか?重なるのは一瞬だけだ』


(難しい、何を言っているのかわからない)

長寿や不死という生態をもてば、当然思考も生態に合わせられるから、人間と相容れるものではなくなってくる。同じ価値観は持てないということだろうか?

生態の差は正しいとか正しくないとかじゃないからな…ヘビに噛むなとか蜂に刺すなと言っても詮無いことか…言葉が通じれば「え?なんで?」と聞き返されるだろうからな。

……ちょっと違うかな?まあいいや。


「人類は魔族に滅ぼされたことがあったんですか?」


『何度も…』



お読みいただき有難う御座います。

評価・ブックマーク・感想・レビューなどアクション頂けると励みになります。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。