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元勇者、転生聖女として俺を召喚し異世界救います。~惚れた大聖女に転生していました。中身は元勇者のおっさんですTS~  作者: 奏楽雅


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第54話:つまらない男ね

狂喜のチャリティコンサートが覚めやらぬ、ハイライト王国、休暇二日目。


「功労者を労う制度を設けませんか?」

俺たちは賓客として王城に滞在させてもらっている。

その朝食の時だった、みんなが一つのテーブルで頂いていると、惺が突然そんなことを言い出した。


働かせるだけ働かせて、相応の報奨がなければ士気が落ちるし、俺もそんなブラックなのは嫌だ。


「それは、素晴らしい提案ですね」

俺は、前世の人権的な考えからも賛同した。


アリスを始めみんなも頷き賛同する。


でだ、当然一番の功労者は誰がどう見ても俺だと思うわけだ。


「じゃあ、ステラを除いて誰が功労者か決めましょう」

とマリアが言う。

(え、ちょっと待ってなんで除かれるの?)

「な、何故私は除かれるのですか?」


「あなたは労う側でしょ?」

「え?それはリーダーのマリアでは?」

キョトンとした顔をされる。


「誰もそうは思ってないわよ」

(イヤイヤイヤ、この旅はマリアが言い出したものやん)


「みなさんこのパーティのリーダーはマリアですよね?」


「リーダー???」

「ステラさんかと思ってました」

「俺も」

「私も」

「勇者パーティだから、煌さんかと」

「僕は今まで通りマリアかと思ってた」

「あれ?ステラじゃないの?」

「一体誰?」


(おおう、このパーティ、リーダーが決まってなかった!)


「すっごい今更感が…ありますね」

「上手く回ってるしこのままでも良いんじゃないの?」

(いいのか?国家プロジェクトのパーティなのに)


「労ってくれるなら誰が良いですか?」

(あああ、マリア!混ぜっ返すな!)


「それなら、ステラさん」

「ステラさんだよね」

「うん、ステラさんだな」

(おいおいおい)

「当然ステラ」

「私もステラさんが良いわ」

「ステラフィール以外誰がいる」

「…シャルロットさま…」氷河流が誰にも聞こえない小さな声で言う。


「ステラ。決まりヨ!」

(いや、決まりヨじゃないよ、マリア)


みんなが俺を見ている、圧が凄い。


(クソークソー)

「わかりました、リーダーはともかく私にできることはします…」

(うううう俺は負けた。完全敗北だー)


***


取り敢えず今回の、功労者は二人に絞られた。お休み二日しかないからね。


希望は俺とのデートだった。

もちろんエッチイことは禁止です。

(やりやがったら成層圏まで飛ばしてやる)


今日のファッションは、目立つ大聖女の法衣は避け、黒のシスター服を着込んでいる。潜入のときに使ったやつだ、ミニスカモードじゃないよ。これなら、マリアの聖女服規制の枠内だ。

え?水着とアイドル服?

あれはケースバイケース枠だ、マリアもそこまで無茶は言わない。でないとお風呂に入れないどころか着替えすらできなくなるからね。


「今日は俺だ、ステラフィール」

そう、一人目はラフィール王国まで戻って、王様と話しをつけてきたり、惺へお願いした病人けが人の治療の護衛。最終戦の活躍が評価されたマキシ王子です。


「はぁ、宜しくお願いします」

「ああ、宜しく頼む」

「今回は、東走西奔ありがとうございました」

「お、おう」

(?)

「今日は、どちらに行きますか?」

「……」

(?)

「ハイライト王国は観光地です。どこか、行かれたいところとか、ありませんか」

「……」

(?)

「ステラフィール」

「はい」

「まかせる」

「……!」

(何ィ!)

なんだろう、捨てられた仔犬のような目で見てきやがる。

(えと、どうしよう)

「……」

(自慢じゃないが前世で何度女の子に「つまんなーい」「つまらない男ね」って言われたと思ってるんだ)

女の子に生まれてそういうことも言われなくなって、逆に言ってやろうと思ってたのに、10歳から聖女だぞ。俺にどうしろっていうんだ!


じーーーー


(ええーい、そんな目で見るんじゃない)

こいつも、剣バカの引き籠りニートだもんな、気の利いたことが出来る訳なかった。


どうするどうする

ダラダラ汗をかきつつ思考が絡まる


「ステラフィール…」

マキシが恐る恐るな感じで聞いてくる。

「はい」


「モデルをお願いするのは有りか?」

(?)

「モデルですか?」


「そうだ」


「脱ぎませんよ」


「そこまでは求めない、脱ぎたいなら脱いでくれてもいいが…」


「嫌ですよ。脱がないで良いならモデルしますよ」


「そうか、ではお願いしたい」

マキシの目に光が戻った。


マキシのお願いは普通にモデルだった。


海岸の岩場に俺は座らせられ。

それをマキシはその辺に打ち上げられた木にナイフを入れていった。


シュッシュッ


波の音と木を削る音だけで会話もない。


真剣に木を削るマキシは普通に良い男に見える。


(ま、そんなこと思っても惚れんよ)


しかし、器用にマキシは木にナイフを入れていく、素材の切れ目(原子の結合部)が見えるのかもしれない。

…あな恐ろしや。


退屈だが、俺のステラ人生でこんなにのんびりできた刻はあっただろうか、いやない。

なんか、急かされたような人生だった気がする。

(まあ、性格もあるけどね)


……



「おい、ステラフィール」


「……うん?」


「目が覚めたか?」


(ありゃ寝ちゃってた?)

既に空が茜に染まろうとしていた。


「ご、ごめんなさい…モデルなのに寝てしまって」


「いや、構わない」


「出来ましたか」


「ああ、出来た」


「見せては頂けるのですか?」


無言で、マキシは俺に人形を差し出した。


(おおお、こ、これは…)


約1/6スケール、精緻なフィギュアだった、着ている服の厚みは1ミリ以下にまで削られ、髪の毛やまつ毛迄一刀で彫られている、下から覗くと…

ここまでやるか!

(ちゃんと穿いてる)

凄いこれは凄い。

俺は、我を忘れて感動した。

着色はされていないが、ここ迄の物がナイフ一本で造れるものなのか!

こ、これは欲しい、幾ら積んでも構わない。


「マキシ王子…」

俺は目を爛々とさせマキシを呼ぶ。


「それは、モデルの礼だ、お前にやる」


「良いんですか?」

(すっげえ嬉しい)


俺は他にも造ったからな…」


「え?」


よく見ると岩場に俺のフィギュアが、ずらっと並んでいた。


スカート姿、水着姿に悩殺ポーズ。


普通の女子なら怒るかもしれないが…おれは感動に震えた。


マキシと俺は親指を立てて讃え合った。


***


その夜


マキシの泊まる部屋からマキシの絶叫が響いた。


少し前に部屋から出てくるシャルの姿が目撃されたとかなんとか…


お読みいただき有難う御座います。

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― 新着の感想 ―
マジか…せっかく作ったフィギュアをシャロットさんに壊されたのか…(´゜д゜`) しかし…デート回ねぇ…(๑•̀ㅂ•́)و✧ヨカッタ 次の回の話も楽しみデスネ((o(´∀`)o))ワクワク(久しぶりに送…
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