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元勇者、転生聖女として俺を召喚し異世界救います。~惚れた大聖女に転生していました。中身は元勇者のおっさんですTS~  作者: 奏楽雅


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第53話:ステージを何だと思ってるんですか!

「エテルナさんって貴族。侯爵令嬢ですよね?」

「そのはずです」

俺の質問にシャルが答える。


「なんで、こんなに手際が良いの?」

「さあ…商会も経営してるとは聞きましたが…」


マリアの思いつきチャリティーコンサート。

言いだしたのが、一時間前なのに…


見上げた先には、大道具さんのような人たちがワラワラと集まり、既にステージが出来上がりつつあった。


ビーチのド真ん中に設けられた結構な大きさのステージで、街の方からは楽団がどんどんやってくる。


「何してるんですかステラ様!午後一には一回目の公演ですよ」

「一回目?」

エテルナの声掛けに不穏な言葉が混じっていた。


「今日中に五回は公演しますよ」

「は?」

「今日しか、場所が抑えられなかったんです」

「ステラ様も、シャルロット様も早く着替えて!」

「着替える?」

「私も?」

「みんな準備開始してるんですよ!」

さあさあと、急増のテントに連れて行かれる。


中には、赤面したマリアと、アリスが、ヒッラヒッラのアイドル衣装を着せられていた。こういう文化は召喚された勇者からもたらされている。

(マリア可愛いじゃないか)

俺が知っているマリアは、何時も余裕の態度で何か企んでそうなのでなんか嬉しい。


「ステラ、何を喜んでるのか知らないけど、あなたも着るのよこれ」

「ええっ!」


「私はほら聖女だし教義に…」

「私も聖女よ!しかも王女よ!」

(そうでした)


王女二人、侯爵令嬢三人、勇者一人。

内訳ジョブ、聖女、自称最強魔術師、アサシン、女子高生というアイドルグループが出来上がった。


「恐れ多すぎませんか?」

アリスが呟く。


うんうん

みんな頷く


「なんでこうなったんだろう」

マリアが打ち拉がれている。


(このパーティー、実行力ありすぎて下手なこと言うとヤバイやつだ)

俺は悟った。


紫ちゃんがこっちをチラチラ見ている。

「ど、どうしました?」

「…みんな美人で、スタイルいいから…」

「な、何言ってるんですか。紫さんも凄い魅力的ですよ」

「それ、美人に言われると傷つくセリフです…」

「いや、ホントですよ、とても眩しいです。今の私の素直な気持ですよ」

(そう、紫ちゃんは綺麗だ、俺もステラに会わなければきっと…)


「本当ですか?」

俺は頷いて応えた。

紫ちゃんを見ながら、実際この世界に勇者として来なければ、紫ちゃんと結婚した未来もあったのかもしれないと思った…


「さあさあ、ダベってないで開演ですよ」

「「「「「ちょっと待って!ミーティングも練習もなしに公演する気?」」」」」

エテルナの言にみんな反応する。


「?」

エテルナが首を傾げる。


「なんで、何か問題でも?みたいな顔してるの」

マリアが代表して申し入れる。


「何か問題でも?」

怪訝そうなエテルナ。


「だから、何も指示も練習もなしにステージには立てないでしょ」


「何言ってるんですか、観客は大聖女を見に来るんですよ」

「「「「「うん」」」」」頷く

「ステラ様が中央で笑顔振りまいていれば、後は適当でも良いじゃないですか」

(うっわ!酷いこと言ってる)


「巫山戯ないで下さい!」

俺の後ろから大きな声がした。

みんなの動きが止まる。


(ゆ、紫ちゃん?)


「アイドルをステージを何だと思ってるんですか!」


(あ、マジギレ紫ちゃんだ)


「でも、ほら時間ないし」


「ダメです!ステージは夢を見せる場所なんです!」

紫ちゃんの勢いに、エテルナが後ずさる。


思い出した。紫ちゃんは中学までアイドル志望でオーディションに通っていたんだった。


「私が演出します」

腰に手を当てて、みんなを睨めつける。


「「「「「はい!」」」」」

俯瞰して越に入った笑顔を見せる紫ちゃんであった。


取り敢えず、開演は30分だけ遅らせた。


楽団長を呼び、即興でプログラムを組み立てていく。

俺以外は、バックダンサーとして立ち位置と、紫ちゃんの合図で俺か紫ちゃんの動きに切り替えて合わせることを決める。

基本ハイスペックガールズだ、こなせるという判断だった。


手際の良さに俺は舌を巻く。


そこまで決めると今度は、男性勇者の下へ走って行ってしまった。


***


ドォーン

 ドォォン

上空に迅による火炎、爆発魔法の花が咲く。


観客の視線が上に向いたところで軽快な音楽が流れ出した。


俺は、歌いながらせりに乗ってステージに登場する。

わぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!

大歓声がビーチに木霊する。


俺が、迫から前に進んでステージ中央に差し掛かると、左右からみんなが現れ、即興と思えないダンスを一糸乱れずに披露する。


俺がさらに前に歩くと、氷河流の手による氷の輝く階段が、観客席にせり出すように現れる、俺はそこを駆け上がり。


会場に歌いながら手を振って観客に応える。


煌による可視光線がステージを彩り、マキシと惺が男性ダンサーとして現れ、女性陣をエスコート、リフティングする。


ビーチは大歓声に包まれ。


その日。ステージを見に来た観客は、日々の疲れも、魔物による恐怖も忘れられたことだろう。


***


「みんな、よくやってくれたわ。

素敵なステージだった!」


紫ちゃんが涙を流し喜んでいる。


エテルナも、喜んでいる、設営や楽団など全てエテルナの息が掛かった会社が受注していたのを俺は知っている。


「この成功、私たちは世界を取れるわ、これからもステラ・コンサートで頑張っていきましょう」

エテルナが、蝶が舞うように歓喜の声を上げた。


…あれ?これから、そう言う話になっちゃうの?


お読みいただき有難う御座います。

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