第52話:咲き誇る花もかくやという華々しさ
降り注ぐ太陽
白い砂浜
青い海
いかにも金持ちが好きそうな高級リゾート地
水着の女の子たちが戯れている
「海ーー!」
ビューーーーーーーーーーーッ
ってか寒っ!
(考えてみたらここって、北の端やん!)
夏が近いとは言え寒いわ!
「ステラ。その塔より先は寒いわよ」
ブルブル震えていると、マリアに注意された。
ここはハイライト王国王都、泣く子も黙るリゾート地。
魔物が少なく、海で泳ぐこともできるので貴族やお金持ちには人気のスポットだ。
「魔法結界?」
「そう、この浜辺は結界で気温が26度に保たれているわ。海は海底火山が近いせいで湧き出したお湯と混ざって30度から35度くらいになってるのよ」
そう言って、オレンジの三角ビキニ風セパレート水着を着たマリアが教えてくれた。
(聖女でお姫様がそんなはしたない恰好を…)
「ステラーこっちよ!」
我が儘ピンク法衣を脱ぎ捨て、我が儘ボディを花柄ピンクのオフショルダー風水着に包んだシャルが俺の手を取る。
(おいおい、マリアより…ま、まあシャルだしな)
それに…
パープルのバンドゥ風ビキニの紫。
濃緑のクロスデザイン風水着を着たエテルナ。
ブラックのワンショルダー風水着のアリスと美少女揃いの我がパーティは咲き誇る花もかくやという華々しさだ。
かくいう俺は白いディープレースアップ ストリングワンピース風の水着にパレオを巻いている、なんと言うか完璧なスタイルのシルエットが披露されている…。
なんだろう、ビーチの視線が俺の動きと連動している気がする。
「ステラさーん」
惺、迅、煌、氷河流、マキシ。男性陣もぞろぞろとやって来た。短パンだ、それ以上でもそれ以下でもない…
(いちいち評するのも詮無し…)
「ステラちゃん、女神も裸足で逃げ出す神々しさだよ」
「煌様、不穏な発言は止めてくださいね。恐れ多いですよ」
(ここは神も女神もいる世界なんだからね)
会ったことは無いけどさ。
あれ?ケッが静かだと思ったら、俺を見て固まってやがる…フフフ可愛いものよのぉ。
「ス、ステラさん、その水着とても素敵です…いや、違う。ステラさん素敵です」
「あ、あ、ありがとうございます…」
惺の熱のこもった感想が俺を動揺させる。
(ばかな!)
「おい。貴様ら誰の許しで俺のステラフィールを見ている」
「わ、私は貴方のものではありませんよ」
マキシ。仲間に向かって剣を向けるんじゃない!
「そうよ、ステラは私のものなんだからね」
「別にシャルロット王女のものでも…」
(まあ、いいけど……ああ、なんか安心する)
「……」
氷河流は、黙ってシャルを目で追っている。
うん、君はシャル派だものね。
「今回の人類存亡の危機を乗り越えられたのは、みなさんのお陰です」
俺は恭しくお辞儀した。
人類存亡がかかった魔族の企んだ大事件を解決することができた。
俺たち勇者のパーティーは、先を急ぐ旅であるが休息を取ることにした。
正確に言うと、ハイライト王国は、魔族によって洗脳された国王はリハビリが必要となり、第一王妃が帰天なされた。
本来、教会関係者の俺やマリア、シャルは喪に服す義務を負うのだが。
ここにいないリアナ。グロリアーナ王女が、俺たちの貢献に対して気がすまないと、俺たちをポンポン脱がせて海へと解き放った次第だ。
明々後日には、国葬が行われるためそれには参加する義務があり…今に至る。
下手すると教会序列の関係で俺が執り行うことになるかも知れなくって、現在、王国と教会で協議中だ。
(ヤダヤダ忘れよう)
「なに難しい顔なされているんですか?」
惺が話しかけてきた。
「いえ、何でもないですよ」
私は首を振って笑顔で答え
「グロリアーナ王女のご厚意です。今日から三日間は休養して英気を養ってください」とみんなに告げた。
で
何故かビーチで遊ばれているセレブな方々との、握手会が始まった。
(何故?)
「大聖女様とこんなに近づける機会は、普通無いからね」
煌が俺の横に立って、同じようにセレブに握手しながらそう言った。
「ステラはみんなのアイドルよ」
シャルも同じように握手している。
(休めないじゃん俺)
まあ、握手位は良いけど、拝むのはやめてくれ。
「こんど、教会の方に献金しますからね」
「有難うございます」
両手を取ってお礼を告げる。
(くっ。俺には一銭も来ないのに)
「この手は二度と洗いません」
「ちゃんと洗ってくださいね」
(そんな人とは、お金積まれても二度と握手しませんよ)
「んー」
俺の後ろで、マリアが腕を組んで、なんか唸ってる?
「スフィア!」
「な、なんですか?」
「社会貢献よ!」
「は?」
「エテルナさん!」
「は、はいん、んん、んぐぐぅぅ」
いきなり呼ばれたエテルナが焼きそばを喉に詰まらせる。
「この国は、魔族の計画による無茶な戦費支出で、傾いてるわ」
後を考えない物資購入、人を集めたことによる、移動に掛かった費用、人を出した村や町の経済の停滞、農地の耕作遅延など、戦争は回避されたものの、残した爪痕は大きい。
「そうね」
(それは憂いることではあるけど…)
「大聖女コンサートを開きましょう」
「は?」
(何を言い出すんだマリアは?)
「チャリティーコンサートよ!」
(えーお葬式前だよ)
「興行!」
エテルナの眼が光った。
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