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異世界でも殺し屋さん?  作者: なきもち
8/42

8話

よろしくお願いします。





サキが気づくとそこは森だった。

周りには見覚えのない植物が生えており、空にはカラスの三倍はあるであろう鳥が飛んでいた。

「異世界に飛ばされたとか?」

地球の生物はほぼ記憶していたサキの知らない動物、知らない場所周りを見れば知らない植物も生えている。

先ほどの状況と合わせて考えても異世界に飛ばされたと考えるのが妥当だった。

そして一番まずかったのは魔法陣を破壊したことだった。

魔法陣を途中で破壊するということは魔法の発動が不完全になるということであり、本来ならばジーアスが転移下場所に行くはずが不完全なまま転移したため全く別の森へ飛ばされてしまったのだ。

もちろんサキにそんなことを知るすべはない。


俺はどうやら異世界に飛ばされてしまったようだ。

地球とは明らかに違う気候や生き物の気配。全てが初めて見るもの感じるものしかなかったからだ。

しかしずっと同じ場所にいても何も変わらないと思ったサキは森を散策しつつ出口を探すことにした。

「結局任務はそのまま失敗か、しかも消息不明って」

なんだか笑える事実である。

異世界ということは組織の人間は俺を探すことができない。それに最後に魔法陣を壊してしまったということはこちらとあちらを結びそうなものはなくなったと考えてもいい。

つまり追ってはまずありえないということだ。

元の世界に未練はないが心残りはあった。

それは冷凍保存しているサカキの遺体、それを組織の人間でも簡単に見つけられないところに隠してはいるがいつ見つかるかわからない。

見つかったところでサカキは死んでいる何かされることはないと思うが組織の人間にサカキを敷なようにされるそう考えると何故か胸のあたりがもやもやした。

「?」

体に以上はないのに、異世界の空気が体に合わなかったかな?

サキは気づいていない。

サカキのことになると自分にも感情が働いてしまうことを。





森の中を散策していると色々発見があった。

初めてはただ似ているだけと思っていたが、道に生えている草がどうみても地球の薬草であるガマやオトギリソウなどにそっくりなのだ。

皿に驚いたのは、少量だが大麻があったことだろう。

すり潰して確認してみたが、完全に大麻のようで地球の植物が存在することから何らかの関係があるのかも知れないと思い草を採取していくことにしたその時だった。

草に手を伸ばすと、

==========

オトギリソウ

魔物避けに使う

用法によっては傷を

回復することもできる

==========

「え」

草に手を伸ばしたとき、ぱそこんに出てくるシステムウィンドウのようなものにそう表示されたのだった。

「ファンタジーものによくあるらしいけどコレもそういうことかな?」

サキにも一応ファンタジー系や漫画アニメの知識はそこそこあったため理解は出来た。

そのままおとぎそうをつまむとまたシステムウィンドウに文字が表示された。

『アイテムボックスに十分な空きがあります、使用しますか?』

アイテムボックスって……そのままの意味ならゲームで言うインベントリみたいな感じだろうか。

とりあえず使用してみると念じると手元に持っていたオトギソウが消えた。

オトギソウがどこに行ったのか考えているとふと思いつく。

もしファンタジーみたいな仕様なら意識すればゲームのようになるのでわ?

早速サキはインベントリをイメージしてみる。

すると頭の中に自分が持っているアイテムボックスが表示された。

・オトギソウ・

オトギソウに更に意識を向けるとその文字の横に説明文とオトギソウの写真が表示される。

「随分とハイテクなシステムだなぁ」

サキは自分の知識にない環境に興味が沸いてきたようでその後も当たりの草を採取しつつ自分の能力や他にできることがないかを探ってみた。

途中丁度いい洞穴があったのでそこで荷物をまとめようと中に入る。

「随分沢山採っちゃったかな」

サキが通ってきた未知に生えていた草や枝は全て採取してきたためりょうで言えば大体1tは採っていただろう。

常人であればこの量を採るのに二日は掛かるがサキの体力は並大抵ではなかったため通ってきた道が何もなくなるという異常現象が起きていたのだ。

しかしそれだけとってもアイテムボックスのおかげかかさばらずつい沢山採ってしまったようだった。



最初はどのくらい入るか気になり異常なペースで採取していたのだが数時間以上アイテムボックスの容量は減らなかったのでこの洞窟で荷物の整理をしようと思ったのだ。

道中でわかったことがあった。

一つは自分にもゲームと同じようにステータスがある事。

そしてスキルという能力を持っていることだ。

ゲーム見たいというか、まんまゲームだね。

アイテムを見たり意識するだけでシステムウィンドウを表示させらっる能力もスキル”鑑定”のおかげのようで、自分に対して鑑定することも可能のようだった。

しかしサキのステータスはゲームを基準にして考えると不思議な点があった。

=========

名前 サキ?

性別 男

Lv1

スキル 鑑定

称号 

=========

性別とスキル称号はわかるが、何故名前には?がつくのか。

サキの名前はサカキにもらったもので本名じゃないというのもある。もしかしたらその線が濃いが断定するのはまだ早いだろう。

とりあえずステータスについては置いておくとして、もう一つはスキルだ。

鑑定とは先ほどと同じように確認したいものの情報を調べられる能力だが、サキはそれよりもこの世界がゲームのようなシステムであれば自分の戦闘スキルがないということに多少驚いていた。

戦闘スキルがなければ戦闘力がない。つまりもしこの世界の敵に出会ったら何もできずに死んでしまうのではないかと考えた。

まだ死ぬわけにはいかない。

「サカキの命令は初めてだった。だから俺も頑張らないといけないよね」



自分の実力を知るには戦うのが一番だ。

しかしこの世界には魔法という未知の攻撃技も存在するため迂闊に喧嘩を売るのは危険だった。

サキは初めに、自分の身体能力を調べる事にした。自分が薬草を採取し始めて数時間ほど歩きっぱなしだったが、特に疲れがなかったことから体力はそれほど変わってない。

後は……。

サキは洞穴の外に出ると一瞬で空に浮かぶ。否、空へ飛んだ。常人の数十倍はジャンプすることが出来る脚力も健在。

さらに、足元に落ちている木の棒を近くの岩に突き刺す。

するとまるで岩に吸い込まれるように入っていく。これは仕事の時身近にあるもの全てを武器にするという手段の一環だが、木を自分の体の一部のように扱い、絶妙な力加減で木が折れないように対象を貫くほどの技術は前の世界でもサキにしかできない荒業である。

サキはこうして一つ一つ自分の基礎能力を確認していった。

結果は何も問題なしだ。

つまり今までの自分の能力はスキルとしてではなく基礎ステータスとして表記されている事になる。

しかし幸いであった。自分が鑑定を使えるということは相手も鑑定を使うことが出来る可能性が高く、相手を油断させることも出来るということだ。

「名前も一応偽名考えておかないとね」

サキは新しい名前を考えるが、一向に思い浮かばない。

それもそうだ。名前なんて相手を読んだりするための愛称だと思っていた。今まで関心のなかったサキには難しく感じられることだった。




「サカキ」




自分の中で最も大事なそして尊いと思えた名前。

サキは自ら意識してないが、サカキを忘れないためそして元の世界に戻りあらゆる技術を身に付け

もう一度サカキと話をする為でもあった。

それが叶わないと分かっていてもまだ技術が足りないだけだと考えてしまう。

それが感情だということをサキはまだ知らない。







サカキの名前を呟いているサキの顔は儚げだった。






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