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異世界でも殺し屋さん?  作者: なきもち
9/42

9話

血が苦手な人はお控えください。

今回は2話分まとめての投稿になります。よろしくお願いします。



アイテムの整理をしつつこの世界の事について考えているとふと気がついた。

まずこの世界での偽名だ。自分の偽名を考えれば考えるほどサカキの手帳とサカキが脳内に出てきたのだ。

やっぱり俺にはサカキみたいにぽんぽん思いつかないなぁ。

サキは自分の名前を考えることをやめ代わりに自分のステータスの事を調べることにした。

一応漫画とか小説だとスキルって使いまくると熟練度とか貯まるみたいだし今回結構長時間鑑定しまくったからもしかしたら上がってるかも知れないなあ。

そう思いステータスを確認したときスキルよりも別の欄に目がいった。

==========

名前 サカキ?

性別 男

Lv1

スキル 鑑定

称号

==========

それは名前だった。

名前の最後には相変わらず?があるが、サカキと改名されていたのだ。

サキは逡巡するとひとつの仮説を思いついた。

自分には元々正確な名前が存在しない。そのため自分の名前がこうである、または名前に関することを考えるとステータスも変わるのではないか。

試しにもう一度自分の名前をサキとして認識し、再び自分のステータスを確認した。

==========

名前 サキ?

性別 男

Lv1

スキル 鑑定

称号

==========

すると名前はサキに戻っていた。

そのためサキの仮説の信憑性は上がった。

まあ今はサキのままで行こう。偽名は別の人間に会った時考えるか……。

こうしてステータスの確認と名前についての機能を確認したサキは先ほど向かってきたのとは逆の方向へと向かい洞穴を後にした。

また見かけたものは片っ端から鑑定と採取を繰り返して進んでいく。

しばらく進んでいくと今までとは違う感じのする場所に出た。

よく耳を澄ましてみると何か水の流れる音が聞こえる。サキはその音に向かって進み始めると、草むらをかき分けた先に小さな湖があった。

靴を脱ぎズボンをまくり濡れない程度のところまで確認してみると殆ど浅瀬の湖だった。

これなら危険は少ないかな……。いつか人に会うなら”ゆうき”も必要ないだろう。

サキはここで水浴びをする事にし変装をとき始めた。

初めはコンタクトレンズを外し簡易ボックスに入れそのまましまう。しまおうとしたときふとコンタクトの入ったボックスを鑑定してみた。

まあこの世界のものじゃないし結果なんて出ないよね~。

そう諦めたときシステムウィンドウは表示された。

======

?????

======

「え」

思わず声に出してしまった。まさか異世界から持ち込んだものが?????ではあるが、表示されたからである。

もしも今よりランクの高い鑑定スキルがあるなら……。

サキは面倒事の予感がしたためコンタクトをしまおうとした。するとコンタクトも同じようにインベントリにすっぽり収まってしまったのだ。

なんでもありなんだね……。さすがファンタジーだ。

異世界の物がインベントリに入ることがわかったサキは、体中の関節を調節し元の慎重に戻る。

どうやったのか髪も少し長めの中性的な長さで綺麗な黒髪だ。

目元は何を考えているかわからないが、何か魅力を感じられるこれまた綺麗な黒目である。

今まできていた服はフードつきのためそのままフードを被り自らの顔を隠す。体を清め終わったサキはまた同じように探索と採取と鑑定を器用にこなしながら進んでいった。




それにしても静かな森だった。

様々な種類の植物に見たことのない虫。

この世界……彼女はジアースと言っていた。

彼女の言うとおりならこの世界の人間の殆どが魔法を使い暮らしているのだろう。もし敵対することになれば自分は魔法を使えない。

相手に大きなアドバンテージを与えてしまうことになるだろう。それは面倒なのでいつか魔法も覚えられればとサキは思った。

さらに洞穴から数時間ほど森を探索しつつこの世界について考えていたサキだが、なにかの気配を感じ動きを止めた。

すると突然目の前に髭を粗末に生やし、片目には眼帯をした屈強そうな男がサキを見つめるように立ちはだかった。

そしてサキの真横に顔を持ってきてこうつぶやいた。

「よお姉ちゃん。怯えた顔して迷子にでもなったかぁ?」

サキの事を女と思って近づいてきたようだった。

サキは慌てずに状況を整理する。

この世界の野盗?……。にしては動きがお粗末過ぎる。でも始めての人間だし……。

とりあえず女の振りをするために大人の女になりきる。もちろん微々たる催眠も忘れない。こうして最初から油断させることで催眠にかかりやすくするのだ。

「はい。突然野盗に襲われて気が付いたららこの森に………。どうか町まで案内していただけませんか?」

通常の男であれば直ぐにでも堕ちる妖艶な目と催眠で男の目をじっと見ていると男はただでさえも歪んだ顔をさらに厭らしい笑みに変えサキの腰へと手を回す。

「よーしよし。俺様が安全なところまで連れてってやるよ~。報酬は高くつくがいいのか?」

腰より下のあたりを、まるで這うかのようにやらしい手つきで弄る。

しかしサキは動じることなく男の目を見て更に問う。

しかしその問いはただの質問ではなく命令だった。

「お前の他にこの近くに誰かいるのか?」

突然いつもの声に戻る。

しかし男の目からは生気が失われていた。

口をあんぐりしたままヨダレを垂らし空を見上げているのだ。しかしサキの声はしっかりと届いていたらしく何やら喋ろうとしている。

「あぁ……あうぅ……」

男は警戒することもなくサキの催眠にあっけなくはまってしまったのだ。

そして声を出せるようになったのか男は感情のない声で素直に答え始めた。

「ほかの奴らはアジトで俺の帰りを待っている」

「君たちは何者?」

「俺たちは盗賊だ。この辺では名の通る有名な―――。」

言い終える前にサキは次の質問へ移る。

「この場所はどこ?それから――――」

大まかなスキルや能力について、簡単な世界の仕組みについて。






男の情報をある程度まとめるとこうだ。

今サキのいる森はこの国では有名な”誘惑の森”といい、一度入れば戻ってくるものは殆どいないという。

その原因の大半がそこらじゅうに生えてる大麻である。

意図して大麻を吸わなくても、大量に増殖しているためじきに中毒状態になってしまい自ら命を絶ったり、錯乱し一緒に入った仲間と殺し合ったりするそうだ。

更に森の構造上一度入ると出るのは難しいとされ普通は森に立ち入るものは少ないそうだ。

この世界では大麻の事を、”デヒール”と言うらしい。

そして、男は冒険者ギルドで討伐依頼が出されている手配中の盗賊団『フロストゲイル』の頭をしており、普段はこの森の入り口付近で迷ったものや女子供を浚い金にしていらえい慰めものにしたりしていたようだ。

男は自らをグレムと名乗った。

念のためステータス鑑定をしてみる。

==========

名前 グレム

Lv67

スキル 下級鑑定 

フロストバースト

風刃 火球 鋼体

称号 無慈悲な者

元貴族 暗殺者

==========

なんとサキのステータスをはるかに上回るステータスだった。

サキはステータスについて詳しく聞くと、グレムは更に続ける。

ステータスは自分が経験したことが表記されるいわば人生そのものつまり努力の成果でもある。

そしてレベルは自分より強い魔物を討伐したり人を殺すことで上がるそうだ。

この世界の一般人の平均レベルあ10~15。

つまりグレムは強い方に分類される。

しかしこれほど簡単に催眠にかかってしまうようなやつがこの世界で強敵に入るというのがサキには理解できなかった。

サキのステータスが低い理由はなんとなく察した。

これまでの人生の努力や経験が表記されているのであれば、この世界に突然飛ばされてきただけのサキは当然この世界ではまだなんの努力もしていない。精々草木を採取し鑑定していた程度である。

もちろんその程度でレベルが上がるわけもなくスキルも増えることがない。むしろレベルが低くて当然なのだ。

グレムがサキを襲ったのは選択鑑定で、相手のレベルのみを表記する条件鑑定をしたためだ。

条件鑑定とは何かを聞くと、通常鑑定スキルを仕様する場合マナというゲームでいうところのMPを消費するそうだ。

しかし条件を絞り最低限の鑑定をする事によってその消費を抑えることが出来るらしい。

鑑定には魔力を消費するか……。

サキには全く心当たりがなかった。もちろん気づかないだけで減っているというのもありえるが、あれだけ鑑定を繰り返して疲労が全くないのはおかしいと判断した。

そのことについてもダメ元だが聞いてみると意外にも返答があった。

しかしそれはサキの警戒度をより高める返答だった。

”異世界から召喚された勇者は鑑定とアイテムボックスを最初から所持しており、魔力消費をしなくても鑑定スキルやアイテムボックスが使える”。

気になるワードがいくつか出てきたがサキは焦らずひとつひとつ情報を整理していく。

この世界では数百年に一度異世界から勇者を召喚士、魔王を討伐するのに協力してもらっているとのこと。

そして勇者には鑑定スキルとアイテムボックスのスキルが最初から備わっており、魔法も得手不得手があるものの一応は全属性適正があるというのだ。

魔法についてはグレムもそこまで詳しくないようで答えられないところは無言であった。

そしてスキルについても聞くと、普通鑑定スキルは特殊なアイテムを使うか、目利きを行ったりすると希に入手出来るらしい。

その分野の目利きをする商人の大半が鑑定を持っていることが多いそうだ。

そしてアイテムボックス。

これもサキが所持しているが、アイテムボックスもまた特殊なアイテムを使わなければ手に入らないらしく、実質持っているのは実力者か勇者のみだという。

ステータスにもアイテムボックスという表記がない事をグレムに聞いたがそれに関してもグレムはわからないようだった。

「大体わかったよ」

「………」

そして最後に、異世界から転生してきて異世界の知識を多少なりとも持っているサキだからこその質問をする。

「この世界で黒髪は珍しいの?」

サキが元の世界の仕事でたまたまアニメやゲーム好きのホシを狙うときに一応の知識として覚えていた作品の中にこんなものがあった。

異世界人は黒髪黒目であり、異世界では珍しく直ぐに転移者とバレてしまう。

サキはたとえ創作の産物だとしても、身の危険や面倒な原因の可能性を限りなくゼロにするためにグレムに確認したのだ。

しかしグレムから帰ってきた声は意外なものだった。

゛東の国では黒髪が普通でむしろこちらの髪の色がおかしいと言われている”。

つまり……もし何か聞かれたり面倒事になりそうになったらその東の国から来たって答えれば何とかなるかな?

それを確認したサキは懐から取り出したナイフで迷わずグレムの頚動脈を切った。

「ヒュッ…………」

鮮血が当たりに飛び散る。

見慣れた光景。見慣れた色がそこにあった。

観戦にグレムが絶命したことを確認するとサキはぐれむの装備していた者や、持っていた所持品を片っ端から鑑定していった。

異世界に北としてもサキの中の”常識”は健在だった。

しかし鑑定しているアイテムに気になるアイテムがあった。

======

呪術アイテム

■の女神■■

======

文字化けのように表記されたそのアイテムをよく見てみると、綺麗な水色のクリスタルにおかしな模様が書かれた紙が貼ってあり、そのクリスタルの中には人形のような、しかし美少女の透明な彫刻が入っていた。

「色は綺麗」

サキはグレムの持ち物を全てアイテムボックスにしまうと、先ほど聞き出したグレムのアジトへ向かうことにした。

せっかく手に入れたこの世界の情報源……。何もしないなんてもったいないもんね。

そう思ったサキは無意識に鼻歌を歌いだす。しかしそれも長くは続かなかった。

サキがグレムのアジトへ向かおうと踵を返した瞬間それは響いた。

『レベルがアップしました』

「!」

サキは咄嗟に警戒する。

周りにはなんの気配も感じられないが既に自分がなんらかの魔法や術にかかっているかもしれない事警戒してのことだ。

しかしその声は更に続けた。

『鑑定スキルの修練項目を確認しました。鑑定は上級鑑定へ進化しました』

「………システム的なあれかな?」

サキは警戒をとくと、自分のステータスを確認する。

すると先ほどとは変わった表記になっていた。

==========

名前 サキ?

性別 男

Lv2

スキル 上級鑑定 

称号 手配ハント

==========

レベルとスキル以外は言葉のとおりだろうけど……。手配ハント?

サキはグレムとの一方的な会話を思い出し納得する。

そういえば手配中って言ってたし殺したからそうなったのか。

でも人を殺しただけで1あがるのか。鑑定も直ぐに上がったしなんか鑑定もまだまだ上がありそうで面倒だなぁ。

本人は気づいていないが、通常鑑定スキルの条件を満たすには3~4年はかかると言われている。

しかしサキの洞察力がそれを大分縮めていたのだ。

鑑定は自らの洞察力と兼ね合わせることで更にその効力を上げることが出来るがそれに気づくのはまだ先の話である。

上級鑑定か。何が出来るかわからないけど上級なら普通の鑑定より性能が良くなったって程度かな?称号はまあ……。グレムのせいだとしても圧倒的に情報不足かな。

サキはまだこの世界のステータスや相手のステータスのデータがなく、とにかく情報を求めた。

更に魔物の存在も知ったため魔物も見つけ次第実験して行くしかないと判断すると、また手当たり次第鑑定と採取をしつつグレムのアジトへと向かった。




もちろん死体は完璧に処理されている事は言うまでもない。









何かあれば皆様のコメントお待ちしております。

また誤字脱字が激しいと思われますのでそのあたりのコメントも頂ければ幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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