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第9話

リナは何度も泣きそうな顔でレオンの胸ぐらをつかみ、叫んだ。


「あんたが真っ先に飛び出してどうするの!」


そのたびにレオンはいつも似たような顔をした。


少し申し訳なく、少し気まずく、それでも結局また同じことをしそうな顔。


ある冬の夜だった。


雪がまばらな灰のように舞う帰り道で、五人は野営の焚き火のそばに輪になって座っていた。


乾いた薪が燃え込んで赤い心臓をさらし、夜は氷の板のような野原の上に低く伏せていた。


マヤが唐突に尋ねた。


「レオン」


「はい」


「あんたはどうして、そこまで他人を放っておけないの?」


火花が一度、ぱちりと跳ねた。


レオンはしばらく答えなかった。


セラも、リナも、エリンも静かに彼を見ていた。


彼はようやく笑った。


昔のように、ただ軽いだけの笑みではなかった。


もう少し静かで、もう少し深く、それでも最後まで柔らかい笑みだった。


「僕、昔は少し、かなり……」


「拾われるのを待つ側だったんです」


風が通り過ぎた。


その一言は短かったが、その中には地下の穴蔵の匂いと縄の跡と空腹と、名前のなかった夜たちが全部入っていた。


リナは黙ってレオンの脇にくっついた。


マヤは視線をそらしたまま、干し肉を一切れ投げてよこした。


エリンは火を見つめながら小さく言った。


「じゃあ、もう君の番は終わったんだろうね」


セラはほんの一瞬、本当に一瞬だけレオンの肩を叩いた。


「今は待つ側ではない」


その言葉は火明かりより熱かった。


レオンは干し肉を受け取って噛み、少し笑った。


「はい」


「最近は僕のほうが先に転がっている気がしますね」


マヤがすぐさま突っ込んだ。


「そこでわざわざ転がる表現を使う必要ある?」


「僕の人生のかなりの部分は、転がることで説明できますから」


リナがくすくす笑い、結局、空気はまた笑いでほぐれた。


そうして一年が過ぎた。


レオンはもう、誰が見ても守られているだけの荷物ではなかった。


とはいえ、セラのように堅固な最前線でもなく、マヤのように身軽な狩人でもなく、リナのように大胆な破壊者でもなく、エリンのように精密な災厄でもなかった。


彼はレオンだった。


転べば強くなる奇妙な男。


甘く見ると大変なことになる男。


そして何より、他人の不幸の前でいちばん先に笑って手を差し出す男。


その一年は、その事実をパーティの中にゆっくり刻み込んだ。


そして一年目の春の終わり、新しい事件がやって来た。


都市の南門は、夕方早くの金色の埃に沈んでいた。


夕日は城壁を錆びた金属のように赤く染め、帰ってくる通行人たちの影は長く伸び、互いの足首をつかむ黒い布のように路地ごとに流れていた。


商人たちは天幕を畳み、衛兵たちは退屈と疲労を半分ずつ分け合った顔で槍に寄りかかっていた。


そのとき、一台の馬車が南門へ転がり込んできた。


奇妙な馬車だった。


護衛がいなかった。


馬たちは汗と泡にまみれ、車体の側面には引っかき傷が何本もついていた。


紋章もなく、旗もなかった。


それなのに絹のカーテンだけはやけに上等なものが掛かっていた。


まるで金持ちが慌てて平民のふりを真似したような見た目だった。


セラは宿の窓辺からそれを真っ先に見た。


マヤもすぐに顔を向けた。


エリンは杯を置いた。


リナはパンを噛みかけたままつぶやいた。


「あれ、感じが変だね」


レオンも窓の外をのぞいた。


そして言った。


「はい」


「かなり高い確率で、僕たちの夕食は静かに終わりません」


馬車の扉が開いた。


中から降りてきたのは、血まみれの兎耳の少女だった。


真っ白な耳の先は赤く濡れ、高価なマントは半ば裂けていた。


彼女はふらつきながら二歩歩くと、広場の石畳の上にほとんど崩れるように膝をついた。


そして震える手で何かを抱きしめていた。


小さな箱だった。


黒い金属で組まれた、見るだけで不吉な気配が漏れる箱。


少女は荒い息をつきながら周囲を見回し、よりによって宿の二階の窓辺にいるレオンたちと正確に目が合った。


彼女の唇が震えた。


そして次の瞬間、広場の外の闇の中から数十の黒い外套が姿を現した。


追っ手だった。


エリンが低くつぶやいた。


「あ」


「面倒な匂い」


マヤが弓を手に取った。


「堂々と面倒だね」


セラはすでに立ち上がっていた。


リナは鈍器を握り、にっこり笑った。


レオンは窓の外と階下の階段を交互に見てからつぶやいた。


「何やら非常に大げさなことが起きそうですね」


彼の目の前に、久しぶりに文言が静かに浮かんだ。


【予感】 【今回もたくさん転がる可能性:非常に高い】


レオンは半分ため息、半分笑いの顔で席を立った。


「ああ、はい」


「もう僕にもわかります」


「あの文言、だいたい当たりますから」


そして五人は同時に動いた。


次は、また騒がしくなる予定だった。


騒ぎはたいてい予告なく始まるものだが、今回は予告を済ませてから丁寧に扉を蹴破って入ってくる類いだった。


セラは窓枠に手をかけ、そのまま真下へ飛び降りた。


二階の高さだった。


普通の人間なら、足が先に抗議する高さだった。


だがセラは普通の人間と親しくなかった。


黒外套の二人が兎耳の少女へ飛びかかる直前、彼女が広場の石畳に着地した。


石畳が鈍く鳴り、次の瞬間、最初の追っ手の手首が間違った方向に折れた。


剣が落ちた。

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