第8話
「大丈夫?」
茂みの中からレオンの声が聞こえた。
「驚くべきことに、スキル基準では最上です!」
そうして体で覚えた結果、レオンは衝撃を受け流す方法、転がって距離を取る方法、そして当たる直前に雑でも方向を変える方法を身につけた。
ひどく非効率に見えたが、実戦ではそれがかえって通用した。
レオンは敵に正面から圧倒されなかった。
圧倒される前に滑り、転び、転がり、その最中に何かしら一つ投げ、妙なことにそれが急所に当たった。
セラはしばらくその光景を見守ってから、低くつぶやいた。
「恐ろしいのは強さではなく、あの適応力かもしれないな」
エリンが付け加えた。
「殺しても殺しても湧いてくる虫みたいな意味で?」
レオンは即座に抗議した。
「せめてもう少し人文学的な比喩はありませんか?」
マヤが手を上げた。
「しぶとい雑草?」
レオンは少し考えた。
「それは少しましですね」
リナが無邪気に叫んだ。
「私は虫のほうが強そうで好きだけど!」
「雑草がいいです!」
その一年の間、事件は多かった。
南の塩街道で商隊の護衛をしていて、砂蜥蜴の群れに出会ったこともあった。
そのときレオンは荷車の上で槍を振り回していたが、均衡を崩して塩袋の山へ転がり込んだ。
頭から足先まで真っ白に覆われたまま起き上がると、砂蜥蜴たちが一斉に彼を見た。
レオンは言った。
「いいでしょう」
「今日の僕は肝が据わりすぎた人間です」
マヤは弓を引きながら笑って手が震え、エリンは呪文詠唱の途中で一度咳をした。
それはエルフ式の笑いこらえだった。
北の山道では雪男と鉢合わせた。
セラが正面を止め、リナが脇腹を砕き、マヤが目を狙い、エリンが足元を凍らせた。
レオンは後ろから縄を投げたのだが、その縄はよりによって自分の足に先に絡んだ。
彼は転んだ。
雪男は彼を嘲笑うように鼻息を吹いた。
【『取るに足りない』判定感知】 【補正上昇】
次の瞬間、レオンが投げた短剣が雪男の鼻を正確に貫いた。
雪男が悲鳴を上げた。
レオンも悲鳴を上げた。
「当たりましたね!?」
「あんたが投げたんでしょ!」
その日以来、リナは雪男よりレオンのスキルの発動方式のほうが怖いと言った。
沼地の村では毒霧を吐く巨大蛙と戦った。
レオンは解毒剤を運んでいる途中、沼に片足を取られ、そのままずぶ、ずぶ、とさらに深く沈んだ。
「あ」
「なんでその一言がそんなに絶望的なの!?」
マヤが叫ぶ間、レオンはばたつきながら薬瓶の箱を投げた。
その箱がよりによって蛙の頭の上に落ち、割れた瓶の中身が目に入って、蛙が狂ったように暴れ始めた。
おかげでセラのとどめの一撃がきれいに入った。
戦闘後、エリンが沼からレオンを引っ張り出しながら言った。
「君は本当に偶然を脅しているの?」
レオンは泥まみれで答えた。
「脅すほどではありません」
「ただ、仲はいいです」
都市の中でも何もなかったわけではない。
王都を訪れたときは、貴族の子弟が難癖をつけてきた。
理由は簡単だった。
セラたち一行が目立つほど美しく、そのそばにくっついているレオンが目障りだったからだ。
その若い貴族は金糸の入った外套に香水の匂いを過剰にまとい、顎をやたらと持ち上げて言った。
「卑しい奴が、いい花畑に這い込んだものだな」
レオンは少し考えた。
そしてとても丁寧に答えた。
「はい」
「僕も最初は信じがたいと思いました」
マヤが顔を深く伏せ、リナは腕を震わせながら笑いをこらえた。
エリンはあからさまにため息をついた。
セラの表情はいつもと同じだったが、目つきが少し冷えた。
貴族の子弟は顔を赤くした。
「ふざけているのか!」
「貴様のようなものが、よくも!」
【『取るに足りない』判定感知】 【社会的屈辱変換補正小幅上昇】
レオンは一瞬、目の前の文言を見て心からつぶやいた。
「今度は社会生活にも反応するんですか?」
結局、決闘騒ぎに発展し、レオンは正式に武装した相手の剣士に三度押され、二度転がり、一度手すりから落ちかけた。
だが最後に、ふらつきながら突き出した木剣が剣士の手首を打ち、相手の剣が飛んで貴族の子弟の馬車の窓ガラスを割った。
静寂。
そしてリナの爆笑。
その日以来、マヤはレオンについてこう評した。
「この人は品のある場所に連れていっちゃ駄目だね」
レオンは悔しがった。
「僕が割ったのではなく、結果として割れたんです」
エリンは冷静に言った。
「世間はそれを君が割ったと呼ぶんだよ」
だからといって、笑えることばかりだったわけではない。
雨の夜、橋の下で捨てられた子どもたちを助け上げたことがあった。
奴隷商人に売られる寸前だった亜人種の母娘を救ったこともあった。
土砂崩れで塞がれた村の入口を、一晩中スコップで掘って開けたこともあった。
そんなとき、レオンは不思議なほど先に動いた。
自分がそうされたことのあることだったからだ。
縛られた手首がどれほど冷たいか知っていた。
空腹の人が初めて熱いスープを受け取るとき、なぜ言葉を失うのかも知っていた。
誰かが「大丈夫だ」と言ってくれるとき、その一言がどれほど長く人を支えてくれるのかも知っていた。
だから彼は、ときどき過剰に無茶だった。
セラは何度も彼を引っ張り出した。
マヤは何度も彼の背中に向かって罵声まじりの警告を飛ばした。
エリンは何度も治療の途中で「次はもう少し善人を控えて」とぼやいた。




