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第84話

レオンはすぐにうなずいた。


「分かります。私はゴミ山のそばで名前を得ましたから。」


キースは一瞬、言葉に詰まった。


よし。


これで少しは静かになるだろう。


そのとき外から足音が聞こえた。


砂を踏む音。


一つ。


二つ。


三つ。


そして笑い声。


あ。


戻ってきたな。


レオンはすぐに指を唇に当てた。


オーウェンとキースが息を飲んだ。


扉の外から荒い声が聞こえた。


「おい、中ももう一回見ようぜ。」


「帳簿がまだあるかもしれねえ。」


別の声があざ笑った。


「生きてる奴がいたら?」


「今度はちゃんと殺せばいいだろ。」


よし。


とてもいい人たちだな。


レオンは貯蔵庫の梯子の下にしゃがみ込み、頭の中で部屋の構造を素早く描いた。


扉一つ。


窓二つ。


奥のかまど。


ひっくり返った卓。


折れた椅子の脚。


烽火用の油壺。


貯蔵庫の蓋は閉めれば少し隠れられる。


キースが歯を食いしばってささやいた。


「逃げろ。」


「一人なら、お前だけでも……」


レオンは音もなく笑った。


「よし。」


「ようやく慣れた流れですね。」


「何?」


「怪我人が二人、外には私を見くびる奴らがいて、建物は滅茶苦茶で、私は一人です。」


彼は剣を抜いた。


「はい。」


「とても私らしい舞台ですね。」


貯蔵庫の蓋を閉めて上がった途端、扉が勢いよく開いた。


入ってきたのは三人だった。


粗い外套。


短い刃物。


鉄の棍棒。


そして人を見る時、まず値段からつけそうな目。


先頭の男がレオンを見るなり止まった。


「何だ。」


その視線には警戒よりも呆れのほうが多かった。


一人。


若い。


包帯を巻いている。


そしてあまり強そうに見えない。


よし。


その反応はレオンにとって慣れたものだった。


慣れているから、むしろ楽だった。


男が口の端を上げた。


「ギルドはたった一人しか寄こさなかったのか?」


【『取るに足らない』判定感知】


【補正上昇】


レオンは心の中だけでつぶやいた。


はい。


出ると思っていました。


彼は表ではとても丁寧に笑った。


「はい。」


「私もその点は少し寂しく思っています。」


横の奴がくつくつ笑った。


「寂しかったらどうするってんだ。」


【『取るに足らない』判定感知】


【補正重複】


レオンはひっくり返った卓のほうへゆっくり下がった。


「ひとまず生きて帰って、抗議してみようと思います。」


「生きて?」


三人目の男が鼻で笑った。


「お前一人で?」


【『取るに足らない』判定感知】


【補正上昇】


よし。


十分だ。


レオンは足先で油壺のそばに落ちていた金属の取っ手を軽く蹴った。


かちり。


とても小さな音だった。


それで十分だった。


先頭の奴が刃物を持ち上げた。


「殺すな。」


「ギルドの奴なら身代金になるかもしれねえだろ。」


レオンはとても小さく舌打ちした。


「あ、それは駄目です。」


「何がだ。」


「私はあまり身代金が出ません。」


「経験上。」


そしてその瞬間、彼は卓を蹴飛ばした。


がしゃん。


すでに壊れていた卓は、立派な盾であり、立派な混乱だった。


三人の視界が同時に一度折れた。


レオンはその間へ潜り込んだ。


姿勢は綺麗ではなかった。


低く、歪で、半分滑るような形。


だが速くはあった。


一人目の手首。


とん。


刃先ではなく峰で打つ。


武器の角度がずれる。


二人目のすね。


蹴る。


三人目の顔には折れた椅子の脚。


拾って投げた。


こつん。


「ぐあっ!」


よし。


思ったよりよく当たった。


しかし一人の棍棒がレオンの肩をそのままかすめた。


どん。


痛かった。


ものすごく。


レオンは歯を食いしばった。


「はい。」


「痛いです。」


「とても。」


男があざ笑った。


「なら大人しく寝てりゃどうだ?」


【『取るに足らない』判定感知】


【補正上昇】


よし。


本当にいい。


レオンは半ばよろめいたまま笑った。


「それは少し自信がありますが、今は立っていたほうがよさそうですね。」


彼はわざとかまどのほうへ下がった。


敵三人が追って入ってきた。


足元には油がごく薄く流れていた。


さっき蹴った金属の取っ手のおかげで、油壺の栓が外れていたのだ。


三人目がレオンの首をつかもうと手を伸ばした瞬間、レオンは身を低くした。


そしてかまどのそばで半分生きていた火種を、足で蹴り上げた。


ぼっ。


火種が油の上へ跳ねた。


床に細く長い火が走った。


「何だ!」


三人とも一瞬止まった。


その停止で十分だった。


レオンは一番近い奴の膝裏を蹴り、倒れる奴の肩を足場のように踏んで、二人目の顎を剣の柄で打ち上げた。


三人目は炎を避けようとして窓枠に足を引っかけた。


とても見事に。


どしん。


レオンはそれを見て感心した。


「いいですね。」


「他人が転ぶのも、なかなか役に立ちます。」


そのとき外から、さらに大きな足音が聞こえた。


四人目だ。


よし。


こちらも完全にいい知らせではない。


レオンはすぐに貯蔵庫のほうへ体を向けた。


「オーウェンさん!」


「キース!」


「今です!」


「歩けるぶんだけ歩かなければなりません!」


貯蔵庫の扉が開き、オーウェンが先に出てきた。


キースは歯を食いしばり、片脚を引きずりながら這い出てきた。


問題は速度だった。


遅い。


遅すぎる。


外の扉が勢いよく開いた。


大柄な男が一人入ってきた。


手には斧に似た鉄塊。


顔には『面倒な片づけ』だけをしに来たという苛立ちが貼りついていた。


彼は中を見るなり悪態をついた。


「何だこれは。」


そしてオーウェンとキースを見た。


よし。


もうこいつは迷わない。


レオンは短く息を吸い込んだ。


すると全身の痛みが一点に集まった。


肩。


肋骨。


膝。


手の甲。


全部だ。


そしてその一点が熱く燃え始めた。

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