第72話
レオンは回復室のベッドの上に半分もたれかかるようにして、天井を見上げていた。
いい。
とてもいい。
正直に言えば感動的だった。
背中をつけても痛くない床。
身を投げ出す必要のないベッド。
そして横になっていても、誰も「早く起きろ、走るぞ」と言わない午前。
彼の目の前に文言が浮かんだ。
【休息一日目午前】
【使用者状態:ついに横になることに成功】
【個人的感想:はい、文明の勝利です】
レオンは唇の内側でつぶやいた。
「その通りです。」
そしてすぐに肋骨が抗議した。
「あいた。」
ベッドも万能ではなかった。
人間の体がまともでなければ、どれほどよい場所に載せられても結局どこかが痛む。
扉が開き、回復室担当の薬師が入ってきた。
年老いた薬師だった。
半分ほど禿げた頭、半月眼鏡、そして人が悲鳴を上げても大して揺らがなさそうな表情。
彼はレオンの脇腹の包帯を一度見て、肩を一度見て、額のあざを一度見て、実に淡々と言った。
「またお前か。」
レオンは不服になった。
「なぜ『また』なのですか。」
「その顔はもう見覚えがある。」
「それは私のせいというより環境の愛情……」
「口をつぐんで寝ていろ。」
正確だった。
そして怖かった。
薬師はすぐに包帯を巻き直し、肋骨のあたりに薬草蒸しを載せ、肩を動かすなという言葉を三度言った。
その三度のうち二度は、レオンが返事をする前に出てきた。
すでに信用度が低いという意味だった。
いい。
それも認めよう。
回復室の窓の外からは、ギルド訓練場の音が聞こえた。
木剣がぶつかる音。
誰かが殴られて悪態をつく音。
監督している者がさらに大声で怒鳴る音。
心が落ち着いた。
世界はいつも通りに回っている。
その中で、自分も今は転がらずに横になっている。
それがなかなかよかった。
セラは休みの日でもセラだった。
朝早く少しだけ目を閉じたあと、日が高く昇る前からギルド裏の訓練場脇の空き地に立っていた。
剣は抜かれていたが、誰かへ向けられているわけではなかった。
虚空を斬るというより、体がまだ昨日の緊張を完全に捨て切れていないのか確かめる動きに近かった。
短く。
正確に。
無駄なく。
剣先が空気を切るたび、埃が少しずつ舞った。
日差しがその上に薄く張りつき、また剥がれた。
マヤが塀の上に腰かけて、それを見ていた。
「休めって言われたのに。」
セラが答えた。
「休んでいる。」
「それが?」
「体の確認。」
マヤは少し考えてからうなずいた。
「ああ、それは君の基準では休みだね。」
正しい言葉だった。
セラはそれ以上説明しなかった。
代わりに剣を一度収め、手首をゆっくり回した。
昨日、応接室でマルセラの短剣を弾いた手首、廊下の手すりを弾き飛ばした手首、人々を守るため最後まで力を抜けなかった手首だ。
まだ問題ない。
その確認だけで十分だった。
セラは塀の上のマヤをちらりと見た。
「お前は?」
マヤは肩をすくめた。
「私は休みの日は見る側。」
「何を。」
「人を。」
それはマヤらしいと言うべきか、少し温かいと言うべきか微妙だった。
実際、彼女は朝から市場の路地とギルド周辺をゆっくり回っていた。
北部から戻ったばかりだからか、ありふれた都市の景色がやけに目に入った。
パン屋の前に並ぶ子ども。
洗濯物を干しながら隣の家を罵るおばさん。
恋人を待つふりをしながら実は財布を確認している青年。
果物を盗もうとしてすぐ背中を叩かれる子ども。
すべて普通だった。
だからよかった。
マヤは塀の下を見下ろしながら言った。
「北部は、長く腐った匂いがしすぎた。」
セラが短く答えた。
「そうだ。」
「ここは騒がしいし、悪口も多いし、抜けてる人間も多いけど、それでも腐っている側とは違う。」
セラは剣を完全に収めて言った。
「だから守る。」
ごく短い言葉だった。
けれど塀の上のマヤは、その意味をすぐに理解した。
そう。
結局はそういうことだ。
騒がしくて、めちゃくちゃで、のんきな人間だらけでも、あちらよりはこっちのほうがいい。
だからまた守ることになる。
マヤは小さく笑った。
「うん。」
「まあ、私もそれは同意。」
リナの休日はいちばんわかりやすかった。
食べる。
遊ぶ。
また食べる。
そしてできれば何かを壊す。
もちろん最後はセラが止めた。
「休日に訓練場の柱を壊すのは休んだことにならない」という一言で止めた。
リナはしばらく不満そうな顔をしていたが、すぐに気を変えた。
なぜなら市場へ行けば食べ物が多いからだ。
リナが一人で出れば必ず問題を起こすのは明らかで、だからマヤがついていった。
半分は監視、半分は見物だった。
市場の路地は昼の日差しの下できらきらしていた。
果物の露店、肉を焼く煙、古びた天幕、薬草の匂い、魚の生臭さ、ぼったくられる観光客、ぼったくる商人、そしてその間を自分がこの通りの主であるかのように駆け回る子どもたち。
リナはその真ん中をとても楽しそうに歩いた。
「あれ食べたい。」
「さっき食べたでしょ。」
「あれはパンで、これは串だよ。」
「同じ種類じゃない?」
「全然違うよ。」
驚くべきことに、リナの目には本当に違って見えているようだった。
彼女は串を三本食べ、果汁を飲み、炒った木の実を買い込み、最後に甘い砂糖菓子の前で止まった。
マヤが呆れた顔で言った。
「あんた、本当に胃に底がないの?」
リナはとても堂々と答えた。
「底はあるけど、まだ来てない。」




