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第4話

山賊の残党と出くわしたとき、レオンは警告しようと口を開き、よりによってその瞬間に虫を飲み込んだ。


エリンはその隙に氷槍を放ち、状況を片づけた。


崖道ではマヤの予備の矢筒を落としかけ、ぬかるみでは本人が落ちた。


セラは片手で彼を引き上げた。


レオンは泥まみれの顔で言った。


「助けてくださってありがとうございます」


「ただ、今の僕がジャガイモなのか人間なのかわかりません」


マヤが答えた。


「ジャガイモにしてはよく喋るね」


それでも誰も彼を置き去りにはしなかった。


レオンが弱くても、不器用でも、まだ戦い方を知らなくても。


彼はいつも先に動いたからだ。


転んでもまた立ち上がったからだ。


そして何より、自分の役目ではないことにも笑って手を貸したからだ。


その笑顔は、最初の頃とは少し違っていた。


以前は一人で耐えるための笑顔だったが、今はそばにいる人たちと明日を分け合うための笑顔になっていた。


だからだろうか。


世界が、とても奇妙な形で応えたのは。


事件は廃城で起きた。


国境近くの丘の上、はるか昔に捨てられた石造りの城。


崩れた塔が黒くそびえ、蔦はまるでこの場所を時間ごと呑み込もうとする蛇のように壁を這い上がっていた。


窓は目玉の抜け落ちた骸骨の穴のようにぽっかり空いており、風はその隙間を出入りしながら、いつも誰かの最期の息のように鳴った。


失踪事件の根を追っていた四人とレオンは、そこにたどり着いた。


そしてすぐにわかった。


これは盗賊団の水準ではなかった。


城の中には魔物たちが集まっていた。


野犬ほどもある巨大な鼠、壁を這い回る灰色の蜥蜴、腐った鎧をまとった骸骨兵、そして地下礼拝堂の奥深くから広がってくる不吉な気配。


誰かがここに魔物たちを集めていた。


エリンの声が床近くに沈んだ。


「呪術の匂いだ」


「かなり濃い」


マヤが矢をつがえながら舌打ちした。


「最悪だね」


セラは剣を持ち上げた。


「手短に終わらせる」


リナは笑いながら鈍器を回した。


「いいよ」


「壊そう」


レオンは唾を飲み込んだ。


「僕はいつも通り、応援と生存を担当します」


誰もそれを笑わなかった。


なぜなら、それも今は大事な仕事だったからだ。


戦闘は城の奥へ進むほど荒くなった。


骸骨兵は斬ってもまた立ち上がった。


巨大鼠は群れで押し寄せた。


天井の影の中からは烏の形をした魔物が飛び出し、目を狙った。


セラの剣が閃くたびに一筋の冬が通り過ぎるようで、マヤの矢は隙間へ入り込む悪意のない悪意のように鋭かった。


エリンは呪文をつなぎながら氷と風を編み、リナは盾を砕き、膝を潰して戦線をねじ曲げた。


レオンもじっとしてはいなかった。


石を投げた。


松明を移した。


倒れた矢筒を拾って投げた。


リナの足元へ潜り込んだ鼠を蹴り飛ばし、本人が悲鳴を上げた。


「思ったより柔らかいですね!?」


「今それ大事!?」


リナが叫びながら鼠を叩き潰した。


そうして悪戦苦闘の末、彼らは地下礼拝堂にたどり着いた。


そしてそこで、本当の問題を見た。


黒い祭壇の上で、心臓がゆっくり脈打つように蠢く巨大な赤い水晶。


その周囲には数十体の骸骨兵と魔物たちが立っていた。


そして祭壇の前には、黒いローブをまとった男が一人いた。


魔法使いだった。


顔は青白く、笑みは乾いており、目は病んだ星のようにぎらついていた。


「ああ、邪魔者が来たか」


彼が言った。


「だが遅い」


「媒介はもう十分だ」


「血と恐怖と怨嗟が積み重なった」


「まもなくこの城の下に眠るものたちが目覚める」


レオンは息よりも低く言った。


「わあ」


「話を聞くかぎり、かなり悪い人のようです」


マヤが歯を食いしばった。


「分析ありがとう」


戦闘はすぐに始まった。


だが今回は違った。


魔法使いは強かった。


彼が杖を振るうたびに赤い水晶から波動が広がり、倒した骸骨たちがまた立ち上がった。


床から黒い手が生えて足首をつかみ、天井からは石片が雨のように降った。


エリンが防御魔法で破片を防いだが、顔が青白くなった。


マヤは矢を連続で放ったが、水晶が作った障壁に弾かれた。


セラは最前へ駆け込んだが、突然突き出した骨槍が太ももをかすめ、均衡を崩された。


リナは骸骨を三体まとめて叩き壊したが、背後から伸び上がった黒い腕に足首を縛られた。


瞬く間に戦況が傾いた。


レオンはその光景を見て息を飲んだ。


またしても、無力感だった。


またしても、自分は何もできない場所にいた。


盗賊の穴蔵にいたときのように。


縛られていた夜たちのように。


他人が自分を振り回している間、ただ耐えることしかできなかった時間のように。


だがその瞬間だった。


何かが頭の中で、かちりとはまり合った。


本当に音がした。


かちり。


錠前が開く音だった。


レオンは目を見開いた。


視界の片隅に妙な文字が浮かんだ。


【個体固有能力覚醒】 【スキル名:生存者侮辱禁止】 【説明:使用者が耐えてきた苦痛、屈辱、理不尽、侮蔑、暴力の総量を戦闘資源に変換する】 【付加効果1:自分を『取るに足りない』と判定した相手へのダメージ上昇】 【付加効果2:味方が絶望状態であるほど補正上昇】 【付加効果3:使用者は一度転ぶたび、次の行動の成功率が異常に上昇する】


レオンはしばらく呆然とした。

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