第38話
「誰が哨所を襲った。」
カルデンは歯を食いしばった。
「黒いマントどもです。数は多くありませんでしたが……内部の合図を知っていました。こちらが友好標識を送る前に秘密のノックを合わせ、交代の合言葉まで……知っていました。」
マヤがすぐに悪態をついた。
「は。」
「本当に最悪だね。」
エリンが低く言った。
「領内側にも耳があるってことだよ。」
リリアは指先が冷たくなっていくのを感じた。
彼女が恐れていた想像が、今、一つずつ想像から現実へ移ってきていた。
哨所が一つ抜かれた。
水門が開いた。
叔父は消えた。
そして灰色眼球会は、すでにこの内側の合図まで知っている。
彼女は自分のスカートの裾を握りしめた。
そのとき、セラの声が聞こえた。
「今必要なものだけを見る。」
リリアが顔を上げた。
セラはいつものように長く説明しなかった。
「哨所は死んだ。」
「情報は得た。」
「生きている人間も一人拾った。」
「次を決める。」
その単純さが、リリアの息を一度つかまえた。
そうだ。
今ここで崩れても、変わることはない。
次から決めなければならない。
カルデンが手を震わせ、腰の内側を探った。
彼は内ポケットから、とても小さな青銅の鍵一つと、濡れてくしゃくしゃになった紙切れを取り出した。
「これは……」
「内側第二水門の鍵です。」
「そしてこの紙は……」
「副哨所同士だけが知る迂回路のメモです。」
「ベルハルト城の正門側には行かないでください。」
「今頃、見張りがついているはずです。」
マヤが紙を受け取って広げた。
落書きのように急いで引かれた線があったが、彼女の目はすぐに構造を読み取った。
「よし。」
「川沿いの崖道から入って、裏手の薪倉庫側につく道だね。」
リリアが息を飲んだ。
「その道は、もともと城内の食材をこっそり運び込んでいた……」
レオンがつぶやいた。
「隠し道ですか?」
カルデンがとても苦しげに笑った。
「貴族領には……元々そういう道が一つくらいあります……」
レオンは心からうなずいた。
「むしろ安心しますね。人の住む場所らしくて。」
エリンがその間にも傷を巻きながら、苛立たしげに言った。
「感想は後で。」
カルデンの処置は簡単に終わった。
動けるほどではなかったが、死ぬほどでもなかった。
問題は彼を連れていくか、隠しておくかだった。
リナが真っ先に言った。
「背負って行こうか?」
マヤがすぐに反対した。
「速度が死ぬ。」
エリンも同意した。
「箱もあるし、レオンもあの状態だよ。」
「二人までは無理。」
レオンが即座に抗議した。
「なぜ私も荷物一覧に入っているんですか?」
セラがごく淡々と言った。
「違うとは言えないだろう。」
レオンは少し傷ついた顔をした。
そしてすぐに納得した。
「……そうです。」
カルデンは自分の体を起こそうとして諦め、荒く息をした。
「私はここに残ります……」
「下に貯蔵庫があります。」
「三日分の食料はあります。」
「それよりも……」
彼はリリアを見た。
「お嬢様が行かねばなりません。」
「閣下がどこにおられようと、今の城内に答えがないことだけは確かです。」
リリアは目を閉じ、また開けた。
恐怖はまだあった。
だが今、道は少しだけはっきりした。
城の正門ではなく、裏手の迂回路。
叔父を探すより先に、水門と封印河側の状態確認。
そして灰色眼球会より一歩早く内側へ入ること。
彼女はゆっくりとうなずいた。
「分かりました。」
セラが尋ねた。
「次の目的地。」
リリアは地図とメモを交互に見た。
そして言った。
「今日中に城へは入れません。その代わり、日が沈む前に封印河の上の監視丘までは行けます。そこで水門の状態と内側の明かりを見ることができます。」
マヤが計算した。
「今出ればぎりぎり。」
エリンが箱を見た。
「封印は持つ。」
「でも夜を二回越える前に、きちんと手を入れないと。」
リナが拳を握った。
「じゃあ急いで行こう!」
セラは短くうなずいた。
「行く。」
すべての判断が再び一行に整理される瞬間だった。
レオンはそれを見ながら心の中で思った。
このパーティーの長所はこれだ。
人をうんざりさせるほど複雑な状況でも、結局「それで次は何をするか」に絞る。
複雑さは消えない。
ただ、手に握れる大きさに切られる。
だから持ちこたえられる。
出発前、リリアはカルデンの前にもう少し座った。
「叔父様は本当に……」
「敵と手を組んだと思いますか?」
カルデンは長い間答えられなかった。
青白い顔の上で、長く仕えた者だけが持つ忠誠心と現実感が互いに争った。
やがて彼が言った。
「分かりません。ですが一つは分かります。閣下は……封印に関しては誰よりも頑固なお方でした。その方が何の説明もなく姿を消したのなら、自分の意思であれ他人の意思であれ、正常ではありません。」
それはリリアにわずかな息継ぎを与えた。
完全な無罪ではない。
かといって完全な有罪でもない。
まだ確かめる余地がある。
それだけで、絶望の形は少し変わる。
リリアは小さく言った。
「……探してみます。」
カルデンはごくかすかに笑った。
「それが正しいです。」
彼らが再び哨所を出るとき、森はさっきよりさらに冷たくなっていた。
空は晴れていたが、北の雲は厚くなっており、風は木の葉より先に人の襟をめくった。




