第36話
「全力で迷子にならない方向で行ってみます。」
マヤの笑い声が前方の木々の間へ広がった。
リリアも今度はこらえきれず、小さく笑った。
そして五人、いや今は六人が、森の中へ入った。
枝の間から降り注ぐ光は、道を照らしているように見えてすぐに砕け、その下の影は、人の足首をつかむ古い噂のように長く横たわっていた。
北は遠く、答えは不確かで、敵はすでに先回りしているかもしれない。
それでも行く。
行かなければ何も確かめられないからだ。
そしてその単純な理由一つが、ときに人を最も遠くまで連れていく。
レオンの目の前に、文字が静かに浮かんだ。
【新区間開始】 【目的地:北方辺境方面】 【現在状態:痛い、疲れた、それでも出発】 【同行人数:六人】 【注意:これで都市より森のほうが怪しくなりました】 【個人的感想:はい、まったく気分のいい文ではありませんね】
レオンは唇の内側でつぶやいた。
「それでも行きます。」
誰もその言葉を問い返さなかった。
だが前を歩く人々の背中は、すでに同じ答えをしていた。
森は都市と違って人を欺かなかった。
代わりに、もっと露骨に試してきた。
杉と樅が混ざった北の森は、上へ行くほど光を細かく引き裂いて食べていた。
枝は互いの肩に噛みついて離れない獣たちのように絡まり合い、その隙間から差し込む日差しは一筋の刃のようだったが、すぐ地面の苔の上で折れた。
落ち葉は薄く濡れていて、足元の土は表面こそまともに見えても、一度踏むと内側から水気と冷気が同時に上がってきた。
風はずっと北から吹いていた。
まだ雪が溶けきらない山影の匂い、石と水、長く閉じられた倉庫の中のように冷たく淀んだ空気、そしてどこかで乾いた血のような鉄の味まで、ごくかすかに混じっていた。
都市は無関心で、森は不親切だった。
レオンはしばらく歩いてから、その違いをとても単純に整理した。
「都市は人を見て見ぬふりをして、森は人を嫌うのですね。」
前を歩いていたマヤが木の幹に足を乗せたまま振り返った。
「いい感想だね。」
「でも森のほうが正直ではあるよ。」
「嫌うなら嫌うと態度に出すからですか?」
「うん。」
「都市みたいに笑いながら背中を刺したりはしないでしょ。」
エリンが箱を確かめながら低く付け加えた。
「森も刺すけどね。」
「ただ枝と崖で。」
レオンは少し考えた。
「では表現方法が違うだけですね。」
「世の中の大半はそうよ。」
その答えが、妙にこの世界全体の要約のように聞こえた。
移動隊形は単純だった。
マヤが最前で高い場所と脇道を交互に見渡した。
セラはその半歩ほど後ろで、実際の道を切り開いた。
枝を払い、岩の段を先に踏み、不審な地面を選び、人が立ってはいけない場所を体で先に確認した。
見える危険はマヤが先に気づき、見えない危険はセラが先に体を当てる構造だった。
エリンとリリアは箱を担当した。
運搬台はもう一度改良されていた。
リナが背嚢のフレームから抜いてきた金属の支柱を組み合わせて取っ手の角度を変え、エリンはその上にさらに封印線を巻いた。
おかげで持つのは少し楽になったが、見た目はますます葬礼用の聖遺物じみていた。
リナは背嚢二つと雑多な荷物、そして必要なときに運搬台側の力を補う役目を同時に担った。
彼女はそんな荷物すらあまり重そうに見えない顔で歩いていたが、その代わり退屈になるほど口がよく動いた。
そしてレオンは……
基本的に、遅れない担当だった。
それだけでも、すでにかなり大変だった。
肋骨は相変わらず息を吸うたびに一度ずつ律儀に抗議し、肩は背嚢の紐がこすれるたびに疼いた。
だが歩けた。
歩けないほどではなかった。
こういう『非常に嫌な部類の大丈夫』は、不思議とレオンの人生によく現れた。
彼は静かにため息を吐いた。
「いいですね。」
「やはり大丈夫ではありますが、嬉しくはありません。」
リナがすぐ振り返って笑った。
「でも背負わなくていいんでしょ?」
レオンはその言葉を想像してみた。
自分がリナの肩に荷物のように引っかけられる光景。
マヤが笑いすぎて弓を落とす光景。
エリンが表情は変えないのに内心ではものすごく笑っている光景。
セラが見なかったふりをしてくれるのか、それともさらに速く歩き始めるのか分からない光景。
彼はすぐに首を横に振った。
「歩きます。」
リナが無邪気にうなずいた。
「うん。」
「そう言うと思った。」
マヤが笑いを漏らした。
「面子って本当にしぶといね。」
レオンは真剣につぶやいた。
「それはもう、私の命綱の一部です。」
セラが前から短く言った。
「いい。」
「握っていろ。」
その短い同意一つで、レオンはまた妙に少し気分がよくなった。
ほんの少し。
だから余計に癪だった。
正午前、最初の異変が出た。
本来なら聞こえるはずの音が聞こえなかった。
リリアが先にそれに気づいた。
「待ってください。」
彼女が足を止めた。
兎の耳がマントの中でぴんと立った。
「このあたりなら、哨所のほうの小川の音が聞こえるはずです。」
セラも止まった。
マヤはすぐ近くの岩棚を登り、視界を広げた。
エリンは運搬台を慎重に下ろした。
レオンは息を整えながら周囲を見回した。
森は相変わらず森だった。
木、苔、冷気、風。




