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第34話

だから余計に悲しかった。


リリアは少し迷ってから、さらに深い話を切り出した。


「叔父様は以前から、おかしいとおっしゃっていました。」


「ここ数か月の間に、辺境各地で『眠るものたち』の反応が普段より早くなっていると。」


「封印物が不安定になるのは、よくあることではありません。」


「まして、同時にいくつもの場所で起きるなんて。」


セラが短く尋ねた。


「叔父は信用できるのか。」


リリアはその問いに、すぐ答えられなかった。


目がほんの一瞬だけ揺れた。


その小さなためらいが、かえって正直だった。


「はい。」


「信じたいです。」


「いえ……」


「少なくとも、以前はそうでした。」


「でも今は、よく分かりません。」


アデルはその言葉を聞き逃さなかった。


「理由は?」


リリアは息を整えて言った。


「封印庫襲撃の直前、叔父様は普段よりずっと多くの警備を内側へ回しました。」


「なのに不思議なことに、要だった担当者二人は外郭監視へ外されたんです。」


「私はその配置が、今でも理解できません。」


「失敗だったのか、騙されたのか、それとも……」


彼女は語尾を飲み込んだ。


誰も急かさなかった。


だが誰もが、その次の言葉を聞いていた。


それとも、叔父も関わっているのか。


その可能性は、部屋の中に薄く冷たい刃のようにかかった。


レオンは心の中で思った。


ああ。


これで本当に面倒になったな。


敵だけ叩き潰せばいい話ではない。


向かう先が答えかもしれないし、罠かもしれない。


セラはひどく淡々と結論を出した。


「直接見て判断する。」


リリアはゆっくりとうなずいた。


その短い結論が、かえってありがたいという顔だった。


そうだ。


結局は行って、見て、聞いて、確かめるしかない。


不安は座ったまま育てるとだんだん怪物になるが、歩いて確かめれば、少なくとも顔はできる。


そのとき、アデルが指で都市の方向を叩いた。


「だが私はここまでだ。」


静寂。


リナが真っ先に顔を上げた。


「え?」


「一緒に行かないの?」


アデルは無表情で答えた。


「行けない。」


「都市の中にいる裏切り者たちを、ここで切らなければならないからだ。」


「副支部長代理はもちろん、つながりがどこまで伸びているか確かめる必要がある。」


「私が空ければ、支部ごと灰色眼球会の手に落ちかねない。」


マヤが腕を組んだ。


「予想はしてたけど、あまり嬉しくはないね。」


「私も同じだ。」


アデルは息を吐いた。


「だが長期戦になるなら、都市側の安全装置も必要だ。」


「お前たちが北でどんな情報を得ようと、戻ってきてつなげる場所がなければならないだろう。」


エリンがうなずいた。


「正しいわ。」


セラも同意した。


「都市は任せていいのか。」


アデルはかすかに笑った。


「誰に聞いている?」


その笑みは慢心ではなく、長く持ちこたえてきた者だけが持つ乾いた自信だった。


セラは短くうなずいた。


「いい。」


それで終わりだった。


このパーティーで信頼は、長く説明する感情ではなかった。


短く、硬く、必要なところにだけ置かれる。


アデルはポケットから封をされた書状三通と、小さな金属の印章一つを取り出した。


「これは北の中継拠点用。」


「これは辺境警備線の通過用。」


「そしてこの小さな印章は、ベルハルト領内の監視哨所二つがまだギルド友好側かどうか確かめるための印だ。」


「三つともなくすな。」


リナは即座に手を上げた。


「私は預からない。」


アデルがすぐ答えた。


「賢明だな。」


マヤがくすくす笑い、レオンも笑いをこらえきれなかった。


「自己認識が素晴らしいですね。」


リナは堂々としていた。


「うん。」


「私は壊すのは得意だけど、こういうのは苦手。」


それは全員がすでに知っている事実だった。


結局、書状はセラとエリン、そしてレオンに一通ずつ分けられた。


レオンは自分の分を受け取り、一瞬目を瞬かせた。


「なぜ私なんですか?」


アデルが即答した。


「一番なくしそうに見えるが、妙に最後まで握っていそうだから。」


レオンは一瞬、感動すべきか侮辱されたと思うべきか迷った。


「評価が微妙ですね。」


マヤが笑った。


「間違ってはいないよ。」


エリンも淡々と加勢した。


「そうね。」


「転んでも、手に持ったものは最後まで離さないでしょ。」


リナが明るく付け加えた。


「うん。」


「本人が吹っ飛んでも、不思議と物は離さないよね。」


レオンはしばらく無言だった。


そして結局認めた。


「……考えてみると、そうだった気もしますね。」


リリアはその短い騒ぎを静かに見守り、自分の膝の上に置いた手をぎゅっと握った。


この人たちは変だ。


今の状況は、まったく笑えない。


自分の叔父が敵とつながっているかもしれず、箱の中には村一つくらいならたやすく滅ぼす災厄が入っていて、灰色眼球会は北の道々に手を伸ばしているだろう。


それでもこの人たちは、まさにそれゆえに笑う。


怖くないからではない。


どれだけ怖くても笑うのだ。


崩れるほど現実を知りながら、崩れる順番を一つずつ後ろへ送っている。


それがどれほど難しいことなのか、リリアは今、少し分かった気がした。


だからだろうか。


彼女はふと、箱より先に自分の口で言うべきことを思い出した。


「あの……」


全員の視線が彼女へ向いた。


リリアは息を整えた。


「私が北への道を案内します。」


「地図だけでは駄目な道があります。」


「監視哨所を避ける抜け道、廃鉱の裏にある古い巡礼路、春だけ渡れる浅い渡し場……」


「そういうものは、私が知っています。」


アデルが目を細めた。


「状態は?」


リリアは自分の手を見下ろした。

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