第32話
アデルが最後に礼拝堂の中を見渡した。
壊れた祭壇。
倒れた敵たち。
裂けた旗。
そして、まだ完全には崩れていない鐘楼。
朝の光は今、その廃墟の上に公平に降りていた。
まるで、たった今ここで誰が血を流そうと、誰が生き残ろうと、世界はいずれにせよ明るくなり続けるのだと言っているように。
その無関心さが少し憎らしく、少しありがたかった。
アデルが言った。
「行く。」
「次は北だ。」
レオンは廃礼拝堂の敷居を越える前に、一度振り返った。
ついさっきまで殺意と呪いと鉄の匂いで満ちていた場所が、今では朝日を浴びて埃の舞う古い廃墟のように見えた。
本当に人を惑わせる光景だった。
だが床の亀裂と壁の血、砕けた祭壇の欠片が、はっきりと告げていた。
これは始まりにすぎない、と。
彼は小さく笑った。
「いいですね。」
今度はリリアが先に尋ねた。
「また何がですか?」
レオンは肋骨を押さえながら答えた。
「少なくとも、これでどこへ行くべきかははっきりしたじゃないですか。」
リリアはそれを聞いて、とても静かにうなずいた。
彼女の耳の先が少し上がった。
セラは先頭に立ち、マヤは再び高い場所へ上り、エリンは運搬台を支え、リナは軋む荷車をどうにか引き出し、アデルは後方をまとめた。
そしてレオンは、相変わらず痛くて、相変わらずよく転ぶが、それでも笑いながらその後を追った。
北へ。
本当の答えが待つほうへ。
彼の目の前に、文字が静かに浮かんだ。
【区間終了】 【廃礼拝堂防衛成功】 【敵対組織名確保:灰色眼球会】 【次の目的地:北の外れの隠れ家、その後、辺境伯領方面】 【注意:使用者の肋骨がずっと痛んでいます】 【個人的感想:はい、それは私も大変よく分かっています】
レオンは乾いた笑いを飲み込んだ。
「親切にも限度がありますね。」
朝はすっかり明けていた。
そしてその光の下で、一行の影は長く北へ引きずられていった。
都市はもう背後に残った。
だが敵も、箱も、そしてまだ確かめられていない真実も、すべて一緒に動いていた。
本当の旅は、ここからだった。
北の外れの隠れ家は、家というより、かつて誰かが長く持ちこたえると決めた痕跡に近かった。
都市からかなり離れた丘の先、古い杉林が風を何重にも濾している場所だった。
石垣は腰の高さほどで途切れてはまた続き、屋根は古びた濃い青灰色の瓦の下に苔をかぶっていた。
もともとは猟師の休憩所だったのか、廃修道院の離れだったのか、あるいは税を逃れて酒を造っていた密造者の隠れ家だったのかもしれない外観。
だが今のその家は、外から見れば捨てられた納屋のようで、中へ入れば思ったより手が入った造りだった。
窓は小さく、壁は厚く、裏口は二つあり、床下には誰が見ても人一人くらい隠せる空間があった。
ひと言で言えば、怪しい。
だからこそ、かえって信用できた。
レオンは敷居をまたぐなり、つぶやいた。
「いいですね。」
「実に見事なまでに、まともな場所ではありません。」
アデルがすぐ受けた。
「だから生き残るには向いている。」
その言葉は、この家全体を正確に説明していた。
中は思ったより暖かかった。
リナがまず暖炉に火を入れ、マヤは外の痕跡を消しにまた少し出ていき、エリンは入ってすぐ運搬台を長い卓の上に移した。
リリアはそのそばを離れなかった。
セラは窓と裏口、天井の梁と床板を順に確かめた。
アデルは扉に鍵を掛けてから、ようやく一度長く息を吐いた。
そのときになって、ようやく、本当にようやく、全員が自分の体がどれほどひどい状態かを少しずつ自覚し始めた。
レオンは壁にもたれて立ち、そのまま座り込みそうになった。
肋骨は疼き、肩は熱を持ち、左腕は鎖がかすめた場所がずきずきした。
膝も無事ではなかった。
背中を預けることさえ、少し痛かった。
人間はこんなにも多様な形で不快になれるのかと、少し今さらのように思うほどだった。
エリンがその有様を見て、ひどく冷たく言った。
「よし。」
「次は君から。」
レオンは反射的に周囲を見回した。
「はい?」
「何がですか?」
「応急処置。」
「箱は?」
「まだ爆ぜない。」
「それはたいへんいい知らせですね。」
「代わりに君がそろそろ爆ぜそう。」
レオンは少し考えた。
そして正直に答えた。
「それも否定しにくいです。」
応急処置は荒く、正確で、容赦なかった。
つまり、エリン式だった。
リナは湯を沸かし、セラは煮沸した布と包帯を整え、マヤは戻るなり薬草箱を開けて必要なものを選んだ。
リリアもじっとしてはいなかった。
手は震えていたが、少なくとも言われたことは正確にこなした。
水を運び、清潔な布を畳み、包帯を切り、黙ってそばに立っていた。
レオンは椅子に座らされた。
正確には、つかまれて座らされた。
彼が「そこまでではな」と言いかけている途中で、セラが肩を押さえ、リナが膝の上に毛布を掛けて固定し、エリンが薬瓶の栓を抜いてしまった。
逃げる隙はなかった。
本当に見事な連携だった。
レオンはその光景を見て、心から感心した。
「怖いですね。」
マヤが薬草の匂いを嗅ぎながら笑った。
「よし。」
「まだしゃべるね。」
「死にはしないよ。」
セラが包帯を解いた。
肩の傷はまた開いていた。
深くはなかったが、きれいに治る見込みはなかった。




