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第177話

何かに失敗しても、完全に終わった顔ではない。


ブラムは船をつなぎ留めていた石柱の隙間を手で探った。


硬貨のように見えたものは、薄い金属片だった。


目印だ。


表には何の文様もない。


だが裏返すと、灰色の粉が指先に微かについた。


ブラムの目が細くなった。


「よし。」


彼は男の髪をもう一度掴んで引き上げた。


「これで少し面白くなってきたな。」


医務室。


レオンは浅い眠りの中で、少し眉をひそめた。


夢を見たわけではない。


ただずっと遠くで、都市のどこかが小さな音で一度きしんだような感覚。


人は知らないうちにも気配を聞く。


特に何度も転がり、生き残ってきた人間ほど、危険が自分に届く前の小さな揺れを、体が先に覚えている。


レオンは目を開けないまま、ごく小さくつぶやいた。


「ブリクセン。」


その名はまだ口に完全には馴染んでいなかった。


それでも今日初めてきちんと知った都市の名が、夜中にはより近く感じられた。


どこかで誰かは走っているのだろう。


誰かは潜り込み。


誰かはそれを追う。


都市はもともと、そういうふうに息をする。


レオンはまた長く息を吐いた。


肋骨が少し刺した。


その痛みのおかげで、むしろ今自分がベッドの上にいることがはっきりした。


「よし。」


彼はほとんど寝言のようにつぶやいた。


少し後、ノアの文言がごくかすかにかすめた。


【推奨維持】


レオンはふっと笑ったが、最後まで目は開けなかった。


この夜は、本当に別の誰かが代わりに走っていた。


ブリクセンギルドへ引きずられていく男の足は重かった。


その重さは恐怖のせいだけではなかった。


自分の役割が露見したことを知る者の重さ。


だが、まだ口を開いていない者の重さでもあった。


ブラムはその後ろ姿を見ながら思った。


いい。


一つは捕まえた。


これから重要なのは、あいつの口ではなく、あいつがどの言葉に反応したかだ。


そしてそれはすでに確認されている。


川辺の船着き場付近の灰色のマント。


三つに分けた中で、最初に食いついたのは川辺線。


つまり。




ブリクセン内の誰かが川辺へ言葉を流しているか、川辺側の耳がギルドの床に張りついているか、そのどちらかだ。


アデリアはこれを喜ばないだろう。


代わりに、とても冷たく喜ぶはずだ。


正しい方向を見つけたのだから。


夜はさらに深くなっていた。


川は黒く流れ、ブリクセンの明かりは相変わらず穴のように瞬いていた。


そしてその明かりの下で、初めて誰かが餌を飲み込んだまま、ギルドの敷居の内側へ引きずり込まれていた。


都市はまだすべてを語っていない。


だが少なくとも、今は誰が最初に口を開いたのかが見え始めていた。


ギルド地下の尋問室は、人を大きくはしない。


むしろ逆だ。


誰であれあの部屋に長く座っていると、自分がどれほど大したことのない肉の塊なのかを先に悟る。


石壁は冷たく、油灯の火は低く、天井は無駄に少し低い。


息をすれば、自分の喉の中を唾が落ちる音までやけに大きく聞こえる空間。


脅威はたいてい剣より先に、そういうふうに染み込む。


今、椅子に縛られている男もまさにその中心にいた。


濡れた髪が額に張りつき、口元の片側はまだ裂けていた。


右腕は肩が半ば外れたまま、無理やり固定されていた。


平凡な顔だった。


すぐに忘れてしまえるほど平凡な顔。


だがそういう顔こそ、ブリクセンのような都市で一番長く生き残る。


アデリアは男の正面に座っており、ブラムは壁にもたれていた。


ブラムの鼻先の眼鏡は相変わらずそのままだった。


背中も普段のように少し曲がっていた。


だが目つきが違った。


古い帳簿と水晶粉の匂いが染みついた老いた実務者の顔なのに、その皺の間に宿る視線だけはまったく老いていなかった。


鞘から刃を抜かずとも人を押さえつけたことのある目。


昔、名を上げた冒険者が年月の中で干からびていても、必要な時だけまた刃のように生き返る種類の目つきだった。


アデリアが先に口を開いた。


「もう一度聞く。」


男は口の中の血を一度飲み込んだ。


アデリアは卓の上に置かれた物を順に指した。


灰色の羽根。


灰色の粉がついた金属片。


「この二つ。」


彼女が言った。


「誰に渡された。」


男は少し目を閉じ、また開いた。


そして言った。


「知りません。」


ブラムがすぐに笑った。


「外れだな。」


男の喉がごく小さく固まった。


ブラムは壁にもたれたまま言葉を続けた。


「何も知らん奴はそう答えない。」


「本当に知らん奴は『何の話か分からない』と言う。」


「お前のように真っ先に『知りません』を出す奴は、少なくとも質問の内容は分かっているということだ。」


男は今度は沈黙した。


その沈黙には、さっきとは違う質が混じっていた。


耐える沈黙。


そして同時に、どこまで耐えることが自分の値段なのかを量る沈黙。


アデリアはそれを聞いていた。


人は口だけで嘘をつくわけではない。


息でつき。


ためらいでつき。


「今は答えてはいけない」という、整い過ぎた沈黙でもつく。


彼女は足を組み、指で卓を二度叩いた。


「よし。」


「なら聞き方を変えよう。」


彼女の声は低く平らだった。


「お前は向こう側の人間ではない。」


男の視線がごく微かに動いた。


「剣でもなく、手でもなく、頭でもない。」


「代わりに、中間あたりだろう。」

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