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第17話

「題名は……」


「『開けたら終わる箱を持って逃げた兎獣人貴族令嬢の護衛依頼』くらいで。」


マヤが即座に手のひらで彼の口を塞いだ。


「ギルド受付が気絶するよ。」


リナがくすくす笑った。


「でも一発でわかる。」


エリンも珍しくふっと笑った。


セラだけが、本当にわからないほどわずかに口元を動かした。


結論は早かった。


夜がさらに深まる前に、マヤがギルド連絡用の印を持つ使い走りを秘密裏に呼んでくることになった。


表立って動けば黒マント側に情報が漏れる可能性があるため、ギルド支部長か副支部長級だけを密かに呼ぶ方がよかった。


エリンはその間、宿屋の一階に仮封印陣をさらに重ねることにし、セラは交代で警戒に立つ計画を立てた。


リナは扉板から立て直せという宿屋の主人の恨み言を聞きながら、とりあえずバリケードのようなものを作るために動員された。


レオンは当然、安静にしていろという判定を受けた。


彼は非常に不満そうな顔でベッドに横になっていた。


「私も一応、戦力なのですが。」


エリンが切り捨てた。


「今日は包帯の役割の方が大きいわね。」


「人間ではなく、包装された荷物になった気分です。」


マヤが外套を手に取りながら笑った。


「動いたらまた破れるよ。」


「おとなしくしてて。」


リナはバリケード用の椅子を持って行きながら手を振った。


「大丈夫だよ、レオン。」


「今日の分まで私が壊すから!」


「まったく安心できない宣言をありがとうございます!」


セラは少し足を止め、レオンを見下ろした。


「休め。」


短い言葉だった。


だがその中には、命令と気遣いが一緒にあった。


レオンは言い返そうとしたが、結局笑った。


「はい。」


「師匠。」


彼女が背を向けた後、リリアがそっとレオンのそばへ近づいた。


箱はまだ胸にあった。


彼女はしばらく迷ってから、小さく言った。


「さっきは……」


「私をかばってくださって、ありがとうございました。」


レオンは返事をするタイミングを逃した。


そして少し気まずそうな顔で笑った。


「お気になさらず。」


「半分は反射みたいなものでした。」


「それでもです。」


リリアは箱をさらに強く抱いた。


「今回は……」


「誰かが来てくれたんですね。」


その言葉に、レオンの表情がほんの一瞬止まった。


その一言は、不思議と彼の過去のどこかをまっすぐに突いた。


彼は少し視線を逸らし、それからまたリリアへ向けて笑った。


「はい。」


「ですから今回は、一緒に駄目にならない方向へ行ってみましょう。」


リリアは目元を濡らしたまま、それでも確かに笑った。


兎耳がほんの少し上がった。


外では夜がさらに深まっていた。


街の屋根は墨を含んだ鳥の群れのように闇の中でうずくまり、路地は息を殺して次の騒ぎを待つように長く伸びていた。


宿屋の窓の隙間から染み込む夜風は、血と薬草とろうの匂いをゆっくり揺らした。


そしてその真ん中で、五人と一人の逃亡者が同じ卓の上に一つの結論を置いた。


これはもう、個人的な好意だけで回す話ではなかった。


正式に引き受ける。


正式に守る。


正式に追われる側になる。


考えてみればまったく嬉しくない文たちだったが、不思議なことに全員の顔には、少しずつ固い安定感が浮かんでいた。


盤面が大きくなるほど、むしろやることがはっきりする時がある。


今がそうだった。


そしてレオンの目の前に、ひどく久しぶりに新しい文言が静かに浮かび上がった。


【新規状況判定】 【個人的善意が公的責任へ移行中です】 【率直な感想:かなり面倒になる予定ですが、それなりに意味あり】


レオンはその文言を見て、小さく笑った。


「はい。」


「私も同じ考えです。」


リリアが首をかしげた。


「はい?」


レオンは目を閉じながら答えた。


「何でもありません。」


「ただ、私の人生がまた忙しくなったという意味です。」


その言葉とともに、ろうそくが一度揺れた。


ギルドから誰かが到着すれば、夜はもう静かではいられないだろう。


だが少なくとも、今は方向ができた。


それだけでも、人は思ったよりよく耐えられる。


ギルドから来た人は、思ったより早く到着した。


夜が完全に熟す前だった。


宿屋の外の路地が黒いインクをこぼしたように沈み、窓ごとに灯った明かりが水面の浮標のようにまばらに浮かび始めた頃、裏口の方で約束されたノックが三度鳴った。


短く二度、間を置いて一度。


マヤがあらかじめ決めておいた合図だった。


マヤが扉の隙間から確認して中へ入れたのは、灰色のマントを羽織った中年の女性だった。


背は高くも低くもなかった。


だが部屋に入った瞬間、不思議と空間の目が整うような感覚がした。


髪は黒みがかなり抜けた灰褐色で、こめかみのあたりだけ霜が降りたように白かった。


目つきは鋭くはないが、濁ってもいなかった。


古い計算書のように、びっしりと多くのことを覚えていそうな目だった。


左の目元の下には細い傷痕が一つあり、腰には飾りのない短剣が下がっていた。


彼女は部屋の中を一度見渡した。


包帯を巻かれたレオン。


仮封印陣。


黒い箱。


兎耳の少女。


そしてセラたち。


その視線は速く、それでいて何一つ見落とさなかった。


「秘密の呼び出しにしては、空気が重いな。」


彼女が言った。


マヤが肩をすくめた。


「だから支部長さんを直接呼んだんですよ。」


レオンはベッドに横になったまま目を瞬かせた。


あ、支部長。


なら偉い。


とても偉い。


女性はマヤの言葉にうなずいた。

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