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第151話

リナがすぐに尋ねた。


「じゃあ、ご飯食べに行っていい?」


エリンが額を押さえた。


「あなた、さっきも食べたでしょ」


「クラス再測定が終わったなら、お祝いの食事しなきゃ!」


マヤがふっと笑った。


「その理屈、ちょっと気に入ったかも」


レオンはその言葉を聞いて椅子から立ち上がろうとしたが、脇腹がひきつって顔をしかめた。


「いいでしょう」


「祝いは結構ですが、私の体が先に反対しています」


セラが短く言った。


「ゆっくり立て」


それは単なる指示だった。


なのに、部屋の中の誰の言葉よりも長く残った。


レオンは手すりではなく卓の角に手をつき、ゆっくりと体を起こした。


そしてほんの少しの間、セラを見た。


セラはいつもとまったく同じ顔だった。


本当に同じだった。


けれどレオンは、今なら少しだけわかる。


あの顔が、完全に何でもないわけではない。


心配するときも、怒るときも、安心するときも、セラはいつもまずあの顔をする。


だから気づく側が努力しなければならない。


かなり面倒なことに。


レオンはふっと笑った。


「わかりました」


そしてその瞬間、彼はまだ知らなかった。


昨夜、この部屋が自分のいないところで何を決めたのか。


自分のクラスの名の後ろに、どれほど古い影が張りついているのか。


自分がすでに知っている『生還者』という二文字が、自分が思うよりはるかに古く、はるかに汚く、はるかに重い記録の上に立っているということを。


だが今は、それを知らなくてもよかった。


まだ。


今のレオンに必要なのは、世界の真実よりも、階段を無事に下りる脚の力と、温かい飯と、そして自分を待っている人たちの気配のほうだった。


人は思ったより、そういうものだけでも十分に次の一日を生きる。


ギルドの朝は、もうずいぶん先へ転がっていた。


そしてレオンも、包帯と新しいクラスと、まだ痛む脇腹を抱えたまま、その騒がしさのほうへまた歩き出した。


街の朝はいつだって、忙しいふりがうまかった。


日が昇ったばかりだというのに、路地はもう一日を生き切ったような顔をしていた。


夜のうちに掃かれた石畳は冷たく光り、屋根の端にたまった雫は陽光を少しずつ飲み込んで、金属のかけらのようにきらめいた。


煙突ごとに煙が細く立ち上り、パン屋の前の路地には焼きたての小麦の匂いが広がっていた。


温かい匂いだった。


人を安心させる匂いだった。


問題は、そういう匂いを嗅いでも安心できない人間がいるという点だった。


その代表が、今ベッドの上に座っていた。


レオンはギルド医務室の窓際のベッドに腰掛けたまま、自分の体に巻かれた包帯を見下ろした。


肩。


脇腹。


肋骨のあたりの圧迫包帯。


おまけに片腕には、痣が黄色く広がっていた。


一目見ただけでも人間というより、誰かが急いで包みかけた荷物のようだった。


レオンはため息をついた。


「いいでしょう」


「生きていますね」


「これはよいことです」


そして少ししてから付け加えた。


「ですが、なぜ生きている側がこんなに息苦しいのでしょうか」


「あなたがじっと寝ていないからよ」


エリンだった。


窓際の椅子に座ったエリンは、広げておいた薬草の一覧に目を通しながらも顔を上げなかった。


銀色の髪が朝の陽を受けて薄く光り、目の下にはまだ疲労が残っていた。


夜通しの整理と治療と報告まで全部やったのだから当然だった。


レオンは恨めしそうな顔をした。


「私は今、とてもおとなしく座っているのですが」


「座っているのが問題なの」


「寝て」


「言い方が荒すぎませんか?」


「あなたには優しく言っても通じないでしょ」


間違ってはいなかったので、レオンは少しの間口をつぐんだ。


その瞬間、扉が開いた。


セラが最初に入ってきた。




その後ろから、マヤ、リナ、そして最後にアデリアまで。


その四人が一斉に医務室の扉を開けて入ってきた瞬間、部屋が少し狭くなったような気がした。


刃物の匂い、革の匂い、外気の匂い、そして今日は何かを決めに来たという種類の空気が一緒になって押し寄せてきたからだ。


レオンはその光景を見て、すぐに直感した。


あ。


よくない。


これはたいてい、いい知らせを持ってくる顔ではない。


特にアデリアが書類束を持っているときは、なおさらだ。


アデリアはベッドのそばに立つなり言った。


「よし」


「患者は生きていて、口数も多く、表情も不満げだな」


「報告どおりだ」


レオンが手を上げた。


「質問があります」


「受け付けない」


「まだ聞いてもいないのですが」


「どうせわかっている」


本当に恐ろしい人だ。


レオンは心の中でだけそう思い、表にはとても丁寧な笑みを浮かべた。


「はい」


「突然、私の質問権が社会的に消滅しましたね」


マヤが壁にもたれながら、くすっと笑った。


「それ、もともと半分くらいなかったよ」


リナはベッドの足元にどさっと座った。


「うん」


「それに今日は本当に聞いてあげないよ」


セラが短く言った。


「レオン」


「はい」


「絶対安静だ」


レオンは目を瞬かせた。


そしてとてもゆっくり聞き返した。


「はい?」


アデリアが書類をぱんと開いた。


「ギルド支部長名義」


「医務室責任薬師の確認」


「エリンの臨時所見添付」


「レオンは今後最低一週間、戦闘、外部依頼、夜間巡回、独断行動、無断外出、こっそりついていくこと、その他本人が思いつきそうな愚かな行動のすべてを禁止する」


レオンの表情が硬く固まった。


「少し待ってください」


「途中に妙に具体的な項目が混じっているのですが」


エリンが乾いた声で言った。


「あなたならやるから」

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