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第149話

だがその短さが、許可のように聞こえた。


扉が開いた。


中にはアデリアとブラムがいた。


卓の上には水晶板が一つ、書類綴りが二つ、鑑定用プレート台が一つ置かれていた。


レオンは中に入った瞬間、目の光が少し死んだ。


「これ、前に見た気がするのですが」


アデリアは書類から顔も上げずに言った。


「目はまともだな」


「それは褒め言葉として受け取ってもよろしいですか?」


「いや」


やはり違った。


ブラムは眼鏡を少し押し上げ、レオンを上から下まで眺めた。


「生きておるな」


レオンが笑った。


「皆さん、確認の仕方が実に荒いですね」


「お前にはその程度が合っている」


ブラムはそう言いながら、水晶板を軽く叩いた。


「座れ」


「クラス測定をもう一度見る」


レオンがぴくりと止まった。


「もう一度ですか?」


アデリアがそこでようやく視線を上げた。


「そうだ」


「もう一度」


彼女は少し言葉を選んだ。


「今のお前の記録は粗い」


「間違っているという意味ではない」


「ただ、今のクラスと実際の運用がうまく合っていない」


マヤが壁にもたれながらつぶやいた。


「そうだね」


「あんた、いろいろ混ざりすぎてる」


レオンは慎重に尋ねた。


「つまり、私のクラスを決め直すという意味ですか?」


ブラムが即答した。


「そういうこともある」


「怖いですね」


「今さら気づいたか」


レオンはため息をつき、椅子に座った。


水晶板の上に手を置いた。


冷たかった。


本当に、いつものように気味悪く冷たかった。


その冷たさは、鉄塊に触れる時の冷たさとは違った。


むしろ水でも氷でも石でもない何かが、人の内側だけを先に探ってくる感じだった。


鑑定用の道具は、いつも人を人として扱ってくれない。


だからレオンはあまり好きではなかった。


ブラムが言った。


「血を一滴」


レオンは指先を軽く刺した。


赤い雫が水晶板の上に落ちた。


すぐに淡い光が広がった。


水晶板の表面の下から、紋様が一行、二行と浮かび上がった。


文字は最初、霞んでいた。


水の底に沈んだ石片のようだった。


やがてゆっくり鮮明になった。


レオンは息を殺した。


マヤも腕組みを解き、そちらを見た。


リナは扉の近くで、かかとを上げたり下ろしたりしていた。


セラは動かなかった。


エリンだけが腕を組んだまま、目を細めていた。


光が一度大きく揺れた。


そして文章が浮かんだ。


【メインクラス:荷物持ち】


【サブクラス:生還者】


レオンは遅れて、自分が生きている側にたどり着いた。


一度。


そしてもう一度。


「……え」


本当に珍しいほど間の抜けた声だった。


リナが真っ先に吹き出した。


「わ、ほんとに出た!」


マヤも結局、笑いを飲み込んだ。


「は」


「似合いすぎて余計に笑えるね」


レオンはまだ水晶板だけを見つめていた。


「少し待ってください」


彼がごくゆっくり言った。


「生還者はそのままで……」


「上に荷物持ちが追加されたのですか?」


「整理されたんだ」


アデリアが答えた。


「前に立てるメインクラスは荷物持ち。内側の適性として残るサブクラスは生還者」


ブラムが鼻先の眼鏡を指で押し上げた。


「生還者は、お前の固有能力をギルド式に呼ぶ時、最も近い名だろう」


レオンが顔を上げた。


「それなら、その、最初に出た悲しい名前のスキルもここに含まれるのですか?」


「完全に同じではない」


ブラムは水晶板の上に浮かんだ文字を見つめた。


「だが根はつながっておる。お前が耐えてきた侮辱と苦痛、理不尽さ、そしてそれを耐えるやり方。そのすべてがこの分類に入る」


レオンは少しの間沈黙した。


「整理されると、急に重くなりますね」


エリンが腕を組んだまま言った。


「だから、それを言い訳にしてさらに転がり回らないこと」


「今のは感動するタイミングだったのですが」


「あんたの感動って、だいたい事故の直前に来るでしょ」


レオンは再び水晶板を見た。


【メインクラス:荷物持ち】


【サブクラス:生還者】


本当にあった。


あまりに鮮明だった。


鮮明すぎて、むしろ冗談のようだった。


彼は結局、笑ってしまった。


「ああ、はい」


「そうですか」


「私の人生を一行で要約すると、結局荷物持ちだったわけですね」


マヤがすぐに受けた。


「間違ってはいないね」


エリンも無感情に付け加えた。


「人も持つし、問題も持つし、時々災厄も持つじゃない」


「最後の項目が重すぎるのですが」


レオンはそうつぶやきながらも、不思議と反論できなかった。


なぜなら思い返せば思い返すほど、間違っていないからだ。


盗賊の巣で生き残り、廃城で転がり、リリアをかばい、箱を運び、北部へ行き、捕まった人を背負い、自分が怪我をしたままでも誰かを引きずって戻ってくる。


本当に考えてみれば、いつも何かを持っていた。


重さが軽かったことは、あまりなかったが。


ブラムが一度咳払いをした。


「気に入らんか?」


レオンは少し考えてから首を横に振った。


「いいえ」


「少し笑えるだけです」


「なぜだ」


レオンは水晶板を指した。


「最初にこの世界へ来た時は名前もなかったのに、今ではクラスが二つもあるじゃないですか」


「人生というものは、実に律儀に私を定義してくれますね」


マヤがふっと笑った。


「いい方に受け取るんだね」


「無理にでも、です」


その時、アデリアが書類を一枚押し出した。


「署名しろ」


レオンが目を落とすと、そこには整理された文が書かれていた。


再測定完了


メインクラス:荷物持ち


サブクラス:生還者


功績累積審査保留


レオンの目が最後の行で止まった。


「少し待ってください」


彼が顔を上げた。

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