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第148話

レオンはその違いを、自分の身体で非常に律儀に実感していた。


彼は天井をしばらく見上げてから、つぶやいた。


「いいでしょう」


「生きていますね」


「問題はその次ですが」


「問題は、あんたが起きた直後から喋っていることよ」


横から聞こえた声に、レオンが顔を向けた。


エリンだった。


窓辺にもたれて本を読んでいた。


いや、読んでいるふりをしていた方に近かった。


銀色の髪は朝の光を薄く含み、目の下には疲れが薄く下りていた。


一晩中、まったく眠れなかった顔だった。


それでも声は相変わらず冷たかった。


本当に不思議なほどに。


レオンはとても丁寧に言った。


「看病人のいる朝とは」


「私もずいぶん出世しましたね」


「看病人じゃない」


エリンはページをめくった。


「監視者よ」


「表現が非常に物騒ですね」


「そうさせたのはあんたの前科でしょ」


反論できなかった。


レオンは口をつぐんだ。


つぐもうとした。


だが諦めた。


「皆さんはどちらに?」


エリンは本から視線を離さないまま答えた。


「セラは朝の訓練場の確認」


「マヤは受付台で情報をさらっているところ」


「リナは一階で何か食べているでしょうね」


「アデリアは、あんたが目を覚ましたら三階に引きずってこいと言っていたわ」


レオンが目を瞬かせた。


「なぜ私だけ、ことさら文末が悪いのでしょうか」


「あんただから」


本当に見事なほど、一寸も揺らがない答えだった。


レオンはゆっくり身体を起こした。


布団がするりと滑り、包帯を巻いた肩が露わになった。


身体は相変わらず痛かったが、昨日ほどではなかった。


痛いのと動けないのは、また違う。


世界は本当に、そういう形でよく人を騙す。


その時、扉が勢いよく開いた。


リナだった。


片手にはパン、もう片方の手には肉串、口の中にも何かが入っていた。


「お、起きたんだ!」


レオンが呆然と彼女を見た。


「リナさんは今、三か所で同時に食事をしているようですが」


リナはもぐもぐ噛んでから、ごくんと飲み込んだ。


「朝ごはんは大事でしょ」


「それはその通りです」


「それから、あんたも食べて」


リナはすぐパンを一つ差し出した。


レオンはそれを受け取って、しばらく見た。


「こういうものを受け取るたび、少し心配になります」


リナはしばし口だけを開けた。


「なんで?」


「食べた瞬間、すぐ何かを命じられそうなので」


エリンがごく小さく鼻で笑った。


リナは視線を逸らした。


その反応一つで答えは終わっていた。


レオンがため息をついた。


「ああ、やっぱり。アデリアが上に来いって」


リナは晴れやかに言った。


「クラスの話だって!」


パンをかじろうとしていたレオンの手が止まった。


「……はい?」


今度は本当に、レオンがしっかり固まった。


エリンが本を閉じた。


「驚くでしょうね」


レオンはゆっくり顔を上げた。


「少し待ってください」


「クラスの話というのは、あのクラスですか?」


「あのクラスでしょうね」


エリンはあまりに当然だという顔で言った。


「まさか料理人クラスみたいなのを新しくくれると思う?」


レオンはしばらく考えてから、慎重に言った。


「荷物持ち方面なら、可能性がまったくないわけではないと思いますが」


エリンの目がごくわずかに動いた。


リナはパンをもう一口かじりながら笑った。


「なんで?」


「好きなの?」


「好きというより、私の人生ととても仲良く噛み合っている感じがあります」


彼はそう言って、パンを一口食べた。


思ったより美味しかった。


美味しいからこそ余計に不安だった。




ギルドとは本来そういうものだ。


美味しいものをくれた後には、たいてい面倒な話がついてくる。


三階へ上がる階段は、今日に限って長かった。


実際の長さは同じだった。


ただレオンの脇腹が、今日に限って非常に律儀に存在感を主張していただけだ。


一段、二段、三段。


上がるたびに身体のあちこちが「まだ終わっていない」と抗議する気がした。


レオンは途中で手すりを掴み、息を整えた。


「いいでしょう」


「やはり生きているというのは面倒ですね」


後ろから上がってきたマヤが、ふっと笑った。


「あんた、その台詞本当に好きだね」


レオンが振り向いた。


「マヤさん」


「人は繰り返しの中で、自分というものを見つけるものです」


「その自分、もう少し楽に見つけられない?」


「それは私も常々願っていますが、世界があまり協力してくれません」


マヤは腕を組んだまま、一段上から彼を見下ろした。


赤い髪の先が朝の光を受けて薄く光っていた。


一晩きちんと休めた目ではなかったが、それでも昨日よりは顔色がよさそうだった。


「アデリア、あまり機嫌よくないよ」


「それはいつものことではありませんか?」


「今日は文書の方で悪い」


「うわ」


「それは本当にひどいですね」


レオンは本気で顔をしかめた。


文書で怒ったアデリアは、剣で怒ったアデリアに劣らず怖い。


なぜなら剣は避ければいいが、文書は逃げても追ってくるからだ。


会議室の前には、セラが先に来ていた。


扉の横の壁にもたれて立っており、姿勢は緩く見えたが、目はまったく緩んでいなかった。


彼女はレオンが階段の上に姿を見せると、一瞬だけ視線を下げてから、また上げた。


ごく短い確認。


レオンはその短い視線だけでわかった。


ああ。


夜に、大丈夫か見に来ていたんですね。


本当に何も言わないのに、妙なところで全部ばれる。


彼はなんとなく笑った。


「おはようございます」


セラは短く答えた。


「身体は」


「悪いです」


正直な答えだった。


セラはごくわずかに目を細めた。


レオンは付け加えた。


「それでも歩くことはできます」


「そうか」

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