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第141話

そしてすぐに顔をしかめた。


「うわ」


リナが期待に満ちた顔で尋ねた。


「どう?」


「森が腐る寸前の味がします」


マヤが笑った。


「いい表現だね」


エリンはまったく揺らがなかった。


「全部飲んで」


「これは人を治すんじゃなく、人生を反省させる味です」


「だから余計に効くの」


「少しも慰めになっていませんが」


セラが隣で淡々と言った。


「飲め」


今度はなぜか、さらに逆らいにくかった。


レオンは結局、杯を最後まで空けた。


表情はほとんど戦場へ出る兵士のようだった。


飲んだ後も、少しの間言葉が出なかった。


舌が衝撃で思考を拒んでいるような感覚だった。


リナがぱちぱちと拍手した。


「よくできました!」


「まったく嬉しくありません……」


マヤがリンゴを取って、また差し出した。


今度はセラが横取りしなかった。


レオンも慎重に受け取った。


「ご褒美」


マヤが言った。


レオンはリンゴを見てから笑った。


「まさか、拷問のあとにリンゴとは」


「このパーティーの賞罰体系はずいぶん独特ですね」


エリンが訂正した。


「拷問じゃない」


「治療よ」


「二つの境界が曖昧になっています」


「うるさい」


それでも部屋の中には、少し笑いが残った。


大きくはないが、空いた椅子と薬瓶と包帯の間に掛けておけるくらいには。


その時、レオンが皮も剥いていないリンゴを手の中で転がしながら、また尋ねた。


「では、本当に気になっているのですが」


エリンは早くも疲れた表情になった。


「今度は何」


レオンは一度天井を見て、それから皆を見た。


「治癒魔法がそんなに珍しいなら……」


「皆さん、ただ怪我を抱えたまま生きているんですか?」


今度は誰もすぐには笑わなかった。


マヤは手に持った残りのリンゴを見下ろし、リナは花瓶の葉を一枚なんとなく触り、エリンは瓶の蓋を閉めかけたまま止まり、セラは一瞬だけ窓の外を見た。


質問は単純だった。


だが今回も、だからこそまっすぐ心臓の方へ入ってきた。


エリンが最初に口を開いた。


「うん」


「普通はね」


マヤが低く笑った。


「傷痕も残るし、ひねった関節も残るし、天気が変わると疼くところも残る」


リナがにっと笑った。


「それに、そういうのが多いほど強そうに見える人もいるよ」


セラが短く付け足した。


「生きているという意味だから」


レオンはその言葉を聞きながら、自分の手首の包帯を見た。


肩の引きつりも、肋骨の疼きも、喉の奥の熱い感覚も。


まだ残っている。


すぐには消えない。


だがそれらは全部、今の自分がまだここにいる証でもあった。


変な世界だ。


残酷で、無関心で、優しさはいつも遅れて届くのに。


それでも時々、こういう形で説明がつく。


レオンはリンゴを一口かじった。


しゃくり。


澄んだ音がした。


「いいですね」


彼が言った。


マヤが尋ねた。


「何が」


レオンはリンゴを持ったまま笑った。


「治癒魔法がないのはかなり不便ですが……その代わり、一緒に痛いと言ってくれる人はいるみたいですから」


リナが真っ先に笑った。


「何それ」


「急にかっこいいこと言うじゃん」


マヤもふっと笑った。


「朝からそういうこと言わないでよ」


エリンは視線を逸らしたままつぶやいた。


「もう薬が回ってきたのかしら」


セラは何も言わなかった。


代わりに、ごくわずかな間だけレオンの方へ手を伸ばした。


そして、リンゴを持つ彼の手が揺れないように、手首の下を一度だけ軽く支えてやった。


本当に短かった。


だがその短さが、かえって鮮明だった。


レオンは答えるタイミングを逃した。


セラは淡々と言った。


「だから早く治ることに集中しろ」


レオンは結局笑った。


「わかりました」


「結論はいつもそこへ戻るんですね」


「そうだ」


「この世界、本当に一貫していますね」


マヤが窓際にもたれながらつぶやいた。


「一貫してるのは、あんたの方が上だけど」


リナもうなずいた。


「うん」


「怪我して、聞いて、喋って、また怪我して」


エリンが締めくくった。


「だから今日は静かにしていなさい」


レオンはリンゴをもう一口かじり、窓の外へ広がっていく朝の光を見た。




街はすっかり目を覚ましていた。


屋根の上に日差しが広がり、煙突の煙は空へ向かってさらに細く昇っていった。


路地には人影が増え、馬車はまた行き交い、誰かは昨日と同じ顔で今日を生きるのだろう。


その風景は相変わらず、他人の事情を知らないふりをしていた。


それでもよかった。


少なくともこの部屋の中には、呪術もあり、魔法もあり、封印もあり、薬もあり、アヒルもあり、そして何かと自分を寝かせようとする人たちがいた。


完璧ではない。


けれど思ったより、悪くなかった。


そしてレオンはその事実を、口いっぱいにリンゴの香りを転がしながら、ゆっくり受け入れた。


ギルドの夜は、宿屋の夜とは種類が違った。


宿屋の夜が人の体温と酒気と疲れでゆっくり煮えていく鍋だとすれば、ギルドの夜は使い終えた刃をひと箱に投げ入れて蓋をしたものに近かった。


静かなのに、静かだからこそ余計に冷えた。


昼の間に何百もの足が踏んでいった廊下はようやく息をついており、壁に掛かった灯りは長く耐えていた人の目のように黄色く燃えていた。


窓の外の街は、すでに闇をもう一枚かぶった状態だった。


屋根は冷めた炉のように黒く沈み、路地は雨水の代わりに噂とため息が流れる水路のように長く湿っていた。


遠く、城壁の上の松明だけが、眠れない獣の目のようにところどころ瞬いていた。

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