第14話
セラはすでにレオンの上着をナイフで裂き、傷を露出させていた。
その手つきは速く正確だった。
脇腹の引っかき傷は長いが深くはなかった。
肩は刃先が長くかすめた状態だった。
出血が多く見えても致命傷ではなかった。
だが、服が濡れるほど血が流れたのは事実で、油断すればすぐに状態が悪くなる種類だった。
レオンは半分ほど意識が戻った顔で天井を見上げ、つぶやいた。
「いいですね……まだ天井が見えます。生きているということでしょう……」
エリンが手のひらで彼の額を押した。
「話す気力があるなら死なないわ。」
「黙っていて。」
「非常に荒っぽい安心ですね。」
「もっと荒っぽくしてあげようか?」
「結構です。」
「今でも十分愛されていると信じています。」
マヤが窓際で一度鼻で笑った。
「血を流しながらでも冗談か。」
「本当にしぶといね。」
リナは水桶を持って来る途中で、ほとんど滑りそうになった。
幸い、今回は転ばなかった。
本当に珍しいことだった。
「持ってきたよ!」
「熱いの!」
「冷たいの!」
「それから厨房のおばさんが薬草酒もくれた!」
エリンがちらりと見た。
セラは熱い湯に布を浸し、まず傷の周囲の血を拭き取った。
粘ついて固まった赤が少しずつ消えると、白い肌の上に鋭い傷跡が現れた。
レオンは歯を食いしばった。
声を出さなかっただけで、十分に痛かった。
セラが短く言った。
「痛ければ言え。」
レオンは息を吸い込んだ。
「痛いです。」
「とても。」
「正直、今は人間が感じられる痛みの上位に入る気がします。」
「よし。」
「生きているな。」
「判定基準がどんどん野生的になっている気がしますね。」
セラは返事の代わりに薬草酒をかけた。
レオンがベッドの上で跳ね上がった。
「熱い!?」
リナが驚いて叫んだ。
「うわ、生き返った!」
マヤが首を横に振った。
「それを確認する方法、絶対それじゃなきゃ駄目なの?」
エリンはすでに包帯と封印式用の銀粉を同時に用意していた。
彼女は指先で薄い魔力の線を引くように、レオンの肩の上の空気に小さな紋様を描き、その上から包帯を重ねて巻いた。
単なる止血ではなく、動いた時に傷が開くのを少しの間抑えるための仮固定だった。
「三日は無理しないで。」
エリンが言った。
レオンは横になったまま目だけを動かした。
「このパーティーでその言葉は、雨の日に洗濯物をよく乾かせと言うのに近い理想論ではありませんか?」
「だから死なないように先に言ってるのよ。」
それはぶっきらぼうだったが、手つきは繊細だった。
レオンは少しその手を見てから、視線をそらした。
一年前なら、誰かが自分の傷を当然のように治療してくれる光景だけで、おかしいほど胸が詰まっただろう。
今も、とても平気な気分というわけではなかった。
ただ、今は分かっている。
これは偶然すれ違う親切ではなく、自分の分として受け取ってもいい気遣いなのだと。
だから彼は、わざとさらに笑った。
「ありがとうございます。」
「今日も私の命は、皆さんの過労の上に浮いているようです。」
マヤが窓のかんぬきを掛けながら答えた。
「分かってるなら、あまり怪我しないで。」
「それはなかなか難しい注文です。」
「覚えな。」
レオンの応急処置がひとまず終わると、視線は自然にリリアの方へ集まった。
兎耳の少女は椅子の端に座っていた。
姿勢を正して座ろうと努めていたが、指先の震えとこわばった肩が、その努力の失敗をすべて物語っていた。
彼女の胸には、まだ黒い箱が抱かれていた。
エリンが仮封印を重ねてから、表面の赤い線は最初より少しおとなしくなっていたが、それでも箱の周囲の空気には、なお嫌な息苦しさが漂っていた。
部屋の中の音が、ごくわずかに押さえつけられる感じ。
まるで見えない手が、あらゆる音の首筋をそっと押さえているようだった。
セラはテーブルを一つ引き寄せ、リリアの向かいに座った。
マヤは腕を組んだまま壁にもたれて立った。
リナはレオンの横たわるベッドのそばに腰掛け、エリンは箱から目を離さないまま近くの椅子に体を半分預けていた。
レオンだけが包帯姿のままベッドに斜めに横たわり、一番楽そうな表情をしていた。
ひどい位置取り能力にもかかわらず、不思議とこういう場面にはいつも混ざっていた。
セラが言った。
「名前。」
リリアは乾いた唇を湿らせた。
「リリア……」
「リリア・ベルハルトです。」
マヤが眉を上げた。
「ベルハルト?」
エリンが低くつぶやいた。
「北部辺境伯家。」
リリアはゆっくりとうなずいた。
「正確には……辺境伯の姪です。父は亡くなっていて、母方の親戚である叔父に引き取られました。私は封印庫の管理補助として働いていました。」
リナが目を丸くした。
「管理補助?」
「そんな高い家の子が?」
リリアは少し寂しそうに笑った。
「高い家の子だから、のんびり刺繍だけして生きてもよかったのかもしれませんけど……私はそういう方面の才能がありませんでした。その代わり記憶力がよかったので、文書整理と封印記録の照合を担当していたんです。」
レオンが横になったまま割り込んだ。
「すごいですね。」
「私は帳簿を見るだけで眠くなります。」
エリンがすぐさま言い返した。
「あなたは帳簿じゃなくてもよく眠るでしょ。」
「それは否定しにくいですね。」
リリアはその短いやり取りを見て、緊張が糸一本分だけほどけたように息を吐いた。
しかし、すぐにまた表情が暗くなった。
「三日前の夜でした。」
「封印庫の地下で点検記録を照合していたんですけど……」




