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第133話

それでも、その部屋に残った人々は皆わかっていた。


昨夜と今日の明け方は、確かにあったのだと。


誰かはついに戻ってこられなかったのだと。


そして、ある人はまだそこから完全には戻ってこられていないのだと。


アデリアが扉の前で最後に口を開いた。


「葬儀はベルハルト側の意向を優先する。」


「ギルドは必要なだけ協力しよう。」


エドモンドが静かに頭を下げた。


リリアはまだ涙の止まらない顔で、それでもはっきりと言った。


「……ありがとうございます。」


セラはレオンの肩から手を離さないまま、とても低く言った。


「行くぞ。」


レオンはすぐには答えられなかった。


数拍遅れて、かすかに頭だけ動かした。


それが返事なのかどうかさえ曖昧なほどだった。


だが、セラは急かさなかった。


マヤも、リナも、エリンも、誰も無理に喋らせなかった。


皆、わかっていたからだ。


今のレオンに必要なのは正解や慰めではなく、まず崩れないよう傍に立っている人たちなのだと。


だから彼女たちはそうした。


誰ひとり大きなことを言わず、誰ひとり軽々しく引き寄せず、ただ近くに残った。


レオンはその真ん中にいても、なお空っぽだった。


泣いたあとに少し軽くなったわけでも、言葉にしたことで整理がついたわけでもなかった。


マルセラの最期の顔と、リリアの涙と、白い布の下からのぞいた指先が、今も頭のどこかにそのまま止まっていた。


解けないまま。


整理されないまま。


まだ、次へ進めないまま。


レオンはギルドの客室の窓際に座っていた。


座っているとはいっても、休んでいる人の姿勢ではなかった。


ただそこに置かれている人に近かった。


窓の外では、午前が完全に昇っていた。


屋根はのんきな顔で陽光を浴び、路地はまた人と荷車と商人の声を飲み込みながら動いていた。


街はいつもどおり図々しかった。


昨夜の血の匂いと明け方の悲鳴をすべて食い尽くしておきながら、昼の商売のことから考える顔だった。


レオンはその景色を見ていたが、ちゃんと見ているわけではないようだった。


視線だけを窓の外に掛けたまま、内側はまだどこか空っぽだった。


扉が開く音がした。


最初に入ってきたのはリナだった。


彼女はいつものようにどたどたと入ってこなかった。


扉を半分ほど開けて中をのぞき込み、レオンがそのままいるのを確かめてから、ようやくそろそろと中へ入ってきた。


そんな慎重さはリナにはむしろ不慣れで、レオンは一拍遅れて目を瞬かせた。


リナは両手に皿を持っていた。


パンとスープ、ゆで卵、それにどこかで手に入れてきた甘い干し果物まで。


多すぎた。


病人に食べさせようと思った人が、たいてい一度はやらかす種類の過剰さだった。


「食べて。」


リナが言った。


レオンは皿を一度、リナを一度見た。


「……多いですね。」


「うん。」


「いっぱい食べたら、少しはよくなるかと思って。」


その答えがあまりにもまっすぐで、レオンは少しの間、何も言えなかった。


リナは皿を卓の上に置き、意味もなく指で皿の縁だけをとんとん叩いた。


「その、私、こういうのって苦手なんだ。」


「誰かが泣いたら背中を叩けばいいと思ってたし、誰かが落ち込んだらおいしいものを食べさせればいいと思ってた。」


「でも今の君の顔を見ると、どっちも違う気がして……。」


彼女は唇を少し突き出した。


「でも、お腹は空くでしょ。」


「人間はお腹が空くと、もっと底に沈むんだよ。」


レオンはそれを聞いて、ゆっくりスープの器を取った。


熱かった。


熱いという感覚が、不思議なほど久しぶりに思えた。


リナは彼の顔をじっと見て尋ねた。


「まずい?」


「いいえ。」


レオンはほんの少し間を置いて言った。


「おいしいです。」


リナの肩が、そのときようやく少し下がった。


「よかった。」


彼女はこれ以上何を言えばいいのかわからない顔で少し立っていたが、結局とてもぎこちなく、レオンの頭の上を一度さっと撫でた。


強くもなく、自信ありげでもなく、本当に不器用に。


「ゆっくり食べて。」


「取って食べたりしないから。」


リナはそう言うと、すぐに出ていった。


逃げるように扉を閉める音がした。


レオンは扉のほうを一度見た。


それから、またスープをひと匙すくった。


二番目に入ってきたのはマヤだった。


彼女は窓枠にもたれるように立ち、レオンをしばらく見ていた。


いつもなら第一声から冗談が出たはずだが、今回はそうしなかった。


キツネ耳が少し下がっていた。


表情を軽くしようとしても、耳まではごまかしにくいらしい。


「死んだ顔してるね。」


結局マヤはそう言った。


レオンはふっと笑いかけたが、最後まではいかなかった。


「いい朝の挨拶ですね。」


「いい朝じゃないでしょ。」


彼女はとても淡々と答えた。


「今の君が大丈夫なふりをしたら、もっと気に入らないと思ったから、そのまま言っただけ。」


マヤは窓枠から体を離して中へ入ってきた。


彼女はレオンの向かいの椅子にどさりと座ると、片腕を背もたれにかけた。


座り方は相変わらず軽かったが、目はまったく軽くなかった。


「君、最近ずっと、自分が拾いきれなかったものばかり数えてるでしょ。」


レオンは視線を下げた。


否定も肯定も、すぐには出てこなかった。


マヤは頬杖をついて彼を見た。


「マルセラが最後に君をつかんで言ったこと、覚えてる?」


レオンの肩が、ごくわずかに動いた。


覚えている。

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