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第130話

手には、マルセラを掴もうとして取り落とした温もりが、ほんの少し残っているようで、手のひらの下の石床は冷たかった。


奇妙なほど冷たかった。


ついさっきまで、これほど熱い修羅場だった場所なのに、人一人が死んだ瞬間、世界はなぜこんなにも早く冷めてしまうのだろう。


セラが先に動いた。


彼女は剣に付いた血を壁で一度払ってから、短く息を整えた。


そしてまだ生きて動く敵から確認した。


通路の端で腕を押さえたまま呻く奴が一人、壊れた卓の下敷きになった奴が二人、気絶したまま転がっている奴が三人。


「アデリア」


彼女が低く呼んだ。


アデリアはすぐ答えた。


「分かってる」


ギルド支部長の声は枯れたように低かったが、揺れてはいなかった。


彼女は倒れた椅子を足でどかして道を作り、残っていたギルドの人員二人に手振りした。


「生きている奴から縛れ」


「舌を噛む前に猿轡を噛ませろ」


「封印具を持ってこい」


「魔道具の残滓が残っているかもしれないから、素手で触るな」


短く固い指示が落ちるたびに、通路がまた少しずつ息を吹き返した。


人が死んだ場所では、たいてい誰かがすぐに現実を掴まなければならない。


そうしなければ、残った者たちまで一緒に沈んでいく。


アデリアはそれをよく知っている顔だった。


マヤが通路の入口側で外の状況を確認して戻ってきた。


赤い髪の間に、埃と血の粒が絡んでいた。


「上階はほぼ片付いた」


「逃げた奴が二人、捕まった奴が四人」


「警備隊にも合図を送ったし、外の路地は塞いである」


リナは壁にもたれて座り、荒く息をしていたが、やっと体を起こした。


頬には黒い煤が付き、腕には包帯が緩く巻かれていたが、目の光はまだ生きていた。


「私もできる」


エリンが即座に切った。


「あなたは座ってなさい」


「あなたがこれ以上倒れたら、私が苛立つ」


「その言い方、慰めには聞こえないんだけど」


「慰めじゃない」


それでもエリンの手は、すでにリナの腕の包帯を締め直していた。


彼女の指先から青い光が薄く流れた。


傷を縫う魔力はいつも冷たく見えるのに、人を生かすほうに使われると、妙に火よりも長く残る。


セラはマルセラのほうへ再び視線を向けた。


一瞬、本当に一瞬。


彼女の目つきが、とても低く沈んだ。


憎しみでも、憐れみでも、許しでもなかった。


それよりもっと言葉のない何かだった。


最後まで敵として残ったが、最後の瞬間だけは自分の手で結論を選んだ人を見る時に生まれる、ごく短く重い沈黙。


セラは剣を腰に収め、マルセラの目を閉じてやった。


その動作があまりにも自然で、レオンはかえって息が詰まった。


死んだ人の目を閉じてやる。


それは終わったという意味だ。


本当に。


アデリアが通路の反対側から戻ってきて尋ねた。


「状態は?」


エリンが答えた。


「灰色手袋が残した残滓術式は切れた」


「拘留室ももう揺れていない」


「上階と地下の連結扉だけ締め直せばいい」


「よし」


「では、ここからはギルドの仕事だ」


彼女は一拍置いて付け加えた。


「そしてこの人は……ベルハルト側へ送り返す」


レオンはその言葉を聞いても、すぐには反応できなかった。


送り返す。


意味は明らかなのに、その言葉があまりに落ち着いていて、かえって頭の中で一度滑った。


ついさっきまでは動き、戦い、喋り、耐えていたのに、今は人ではなく「送り返すべきもの」になったという事実だけが、遠くに残った。


マヤがレオンをそっと見た。


「レオン」


彼は答えられなかった。


できなかったのではなく、返事が少し遅れた。


セラが彼を呼んだ。


「レオン」


今度は、彼はかろうじて顔を上げた。


「……はい」


「立てるか」


それは心配ではなく確認だった。


レオンは一瞬、自分の体を見下ろすように止まってから答えた。


「はい」


「おおむねは」


「なら、一緒に来い」


レオンは返さなかった。


その言葉が慰めのように聞こえたわけでも、特別に何かを掴めたわけでもなかった。


ただ今は、ああいう短く固い言葉だけが、かろうじて現実のように聞こえた。


遺体を運ぶ作業は、驚くほど静かだった。


アデリアはギルドの保管室から清潔な白い布を持ってこさせ、エリンは残った術式の滓が付かないように短い浄化式をかけた。


マヤとリナは壊れた通路を片付け、担架が通る道を作った。


セラは最後まで無言でそばにいた。


レオンも手を貸した。


手を貸したといっても、大げさなことではなかった。


白い布の端を掴み、担架の脚が石の隙間に引っかからないよう前を見て、崩れた階段で気をつけるよう先に言う程度。


そんな些細なことが、奇妙に辛かった。


手に触れる重さが重いからではなく、軽すぎるから。


ついさっきまでは自分の意思で動いていた人が、今は他人が運ばなければならない重さになったという事実が、何度も指先から伝わってきた。


レオンは一度、唇を噛んだ。


血の味がごく薄くした。


ギルドの地上階は、まだ完全には明るくなっていなかった。


夜明けと朝の間のぼんやりした光が、ガラス窓を通ってねじれるように入り込み、廊下の端ごとに灯しておいた灯火は、一晩中燃えた疲れた顔で瞬いていた。


その光の下で、白い布に覆われたマルセラの形は、奇妙なほど端正に見えた。


生前はあれほど鋭く執拗だった人が、今はまるで誰もむやみに触れてはいけない静かな秘密のようだった。

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