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第120話

それは妙に、封印庫のことを思い出させた。


床に残った血、空気中に漂う焦げた生臭さ、誰かの最後があまりに簡単に消されたという事実。


そしてまさに、だからこそ。


レオンはさらに嫌だった。


彼は静かにつぶやいた。


「本当に……見せるために殺したんですね」


アデリアがその言葉を受けた。


「そうだ」


彼女は遺体を見下ろしながら低く言った。


「マルセラにも、私たちにも」


「『捕まっても口は開かない』ではなく、『捕まればこうなる』を刻み込んだんだ」


拘留室の中で、マルセラの息がごく浅く揺れた。


誰も彼女を見ていなくても感じられるほどだった。


レオンが顔を向けた。


マルセラは先ほどよりさらに白く青ざめていた。


彼女の唇は閉じていたが、顎の線が固まっていた。


目は遺体から離れなかった。


そしてその瞳の中に映っていたものは、忠誠ではなかった。


恐怖だった。


とても鮮明な。


よし。


今度こそ本当にわかった。


あの女は、たった今自分の未来を見た。


リナが最初に耐えきれなかった。


「狂ってる」


彼女の声は低かったが、震えていた。


「あれを人間にやる?」


マヤが答えた。


「だから狂ってるんでしょ」


エリンは膝を折り、遺体の横に座った。


彼女は男の口元に残った黒い灰を指先でつけて匂いを嗅ぎ、すぐに顔をしかめた。


「複合呪術だ」


「毒でもないし、呪いだけでもない」


「肉の下に種を植えて、特定の言葉や恐怖反応、あるいは外部刺激で弾けるようにしたみたい」


アデリアが尋ねた。


「解除できたか」


エリンは答えなかった。


少しの間。


本当に少しだけ沈黙した。


それがそのまま答えだった。


「もう少し早ければ、舌は助けられたかもしれない」


彼女の言葉は低く短かった。


「でもあれは舌だけを殺すものじゃない」


「人間全体を内側から壊す」


「一拍でも遅れれば終わりだ」


マヤが視線を拘留室へ向けた。


「じゃあマルセラも?」


エリンが顎を上げ、マルセラを見た。


「確認しなきゃ」


「今すぐ」


セラがすぐに動いた。


拘留室の扉が開いた。


鉄の飾りが擦れる音が冷たく響いた。


レオンは反射的に一歩退いた。


セラとエリンが中へ入り、アデリアも後に続いた。


マルセラは今度は抵抗しなかった。


いや、抵抗しようという考えさえ一瞬忘れた顔だった。


エリンが彼女の顎を持ち上げ、口の中を確認しようとすると、マルセラは本能的に体をぴくりと動かした。


しかしセラの手が肩を押さえた。


「動くな」


その二文字で、マルセラは動きを止めた。


エリンの指先に青い光が宿った。


彼女は舌の下、奥歯の内側、首筋、耳たぶの裏を順に探った。


レオンは思わず息を殺した。


よくない。


こういう沈黙はいつも、結果が二つしかない。


生き残るか。


そうではないか。


エリンがついに手を離した。


「……ある」


リナが悪態を飲み込んだ。


マヤも表情を固めた。


アデリアがすぐに尋ねた。


「同じものか」


「少し違うけど、筋は同じ」


エリンが眉をひそめた。


「舌の下じゃなくて、首の後ろ」


「もっと深く植えられてる」


「今すぐ弾ける状態ではないけど、これはむしろ質が悪い」


「あらかじめ打ち込んでおいて、必要なときに点けるほうだ」


「何でもかんでも言葉を止めるんじゃなく、禁じられた答えに触れるか、あまりに正確な核心を口にした瞬間、喉と頭の内側を一緒に締める形かもしれない」


エリンは少しの間マルセラの首の後ろをさらにのぞき込むと、目を細めた。


「これは手先たちに打ち込む安物の口封じじゃない」


「長く使う駒、あるいは簡単に捨てるつもりのない駒に掛けておく筋だ」


アデリアが低く尋ねた。


「なぜマルセラだ」


エリンは指先の青い光をごく薄く動かした。


「北部の内情を知りすぎているから」


「辺境伯家の動線、金庫、リリア、そしてギルドとつながる可能性まで」


「裏切ってもただ殺すには惜しく、かといって完全に信じることもできない駒」


「だから深く縛っておいたんだ」


「必要なら口を塞ぎ、必要なら通り道のように使うために」


マルセラの目が細かく震えた。


彼女は初めて小さな声で言った。


「……私は知らなかった」


アデリアが冷たく受けた。


「今の言葉を、私たちに信じろと言うのか」


マルセラは目を閉じ、また開いた。


「信じようが信じまいが関係ない」


「でも、あんなものが私の中にもあるなんて……」


「今初めて知った」


レオンはその言葉を聞きながら、彼女の顔を見た。


嘘かもしれない。


十分に。


だがもう一つ、感じられるものもあった。


マルセラは嘘をつくとき、たいてい目を揺らさない。


むしろ、よりはっきり整理する。


だが今は違った。


今の彼女は、つい先ほどまで壁にもたれて耐えていた人間ではなく、足下の床が急に抜けたことを悟った人間の顔をしていた。


よし。


とてもよいわけではないが。


これは本当である可能性が高い。


アデリアも似たように見たらしい。


彼女はすぐに判断を下した。


「エリン」


「この夜のうちに抜けるか」


エリンがすぐに首を横に振った。


「今は無理」


「深すぎる」


「無理に触れば、あの手先みたいに内側で弾ける可能性がある」


リナが顔をしかめた。


「じゃあどうするの?」


マヤが壁から背を離した。


「もっと早く話させるしかないでしょ」


「あれがいつ弾けるかわからないんだから」


セラは相変わらずマルセラを見下ろしていた。


彼女はごく低く尋ねた。


「話すか」

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