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第111話

彼女はレオンの後頭部を見て、ため息をついた。


「街に入ったらすぐ寝かせて」


リナがすぐに返した。


「うん」


「窓もない部屋に寝かせて、絶対に動けないようにすればいいんだよね?」


「それは監禁でしょ」


マヤが屋根の上で笑った。


エリンは無表情に答えた。


「今の状態なら、保護と監禁の差はあまりないと思うけど」


レオンはそれを聞いてふっと笑ったが、笑う動きだけでも肋骨がずきりと痛み、顔をしかめた。


「皆さん、思ったより私をずいぶん弱く見ていらっしゃいますね」


エリンがすぐに切って捨てた。


「違う」


「私たちは、あんたが弱いんじゃなくて、あんたが言うことを聞かないって知ってるの」


それは反論しにくい言葉だった。


だからレオンは素直に口をつぐんだ。


三秒ほど。


「ところで本当に、街の人たちにはどう説明するんですか?」


マヤが肩をすくめた。


「いつも通りでしょ」


「いつも通り?」


「適当に縮めて、大事なところは隠して、見た目には単純に」


リナがつぶやいた。


「じゃあ今日は、『川沿いの倉庫で変な奴らを殴って、怪しい女を捕まえて、レオンを取り返してきた』くらい?」


エリンがすぐに付け足した。


「単純すぎる」


「でも間違ってはいないでしょ?」


「残念ながらね」


その短いやり取りが終わるころ、川沿いの霧が少しずつ晴れ始めた。


最初は倉庫の屋根の線がはっきりする程度だった。


次に荷役場の階段の先が見えた。


そしてもう少しすると、街が朝を始める音が一つずつ聞こえ始めた。


まずパンを焼く匂い。


次に牛乳缶がぶつかる音。


窓を開ける音。


箒で掃く音。


遠くで荷馬車の車輪が石を削る音。


街は本当に図々しかった。


ついさっきまで川沿いの一角で、人をさらった組織と助けに来たパーティーが地下室を一つ壊し、水路が半ば崩れ、血と冷気と呪いが混ざって飛び散ったというのに、朝になると最初からそんなことなどなかったように平然としていた。


それが街だ。


屋根はいつも少しだけ光り、煙突はいつも少しだけ煙り、路地はいつも他人の悲鳴を知らないふりをする。


それでも今日は完全には隠せなかった。


彼らが川沿いの廃区画から商業地の路地に入ったとき、最初に見たのはパン屋の前で看板を掛けていた中年の男だった。


彼は半ば開いた扉の隙間から身を乗り出しかけ、そのまま固まった。


視線はまずセラの剣先に残った血を見て、次にレオンのひどい姿を見て、それからマルセラの縛られた手を見て、最後にリナの鈍器で止まった。


男はとてもゆっくり尋ねた。


「……何があったんですか?」


レオンは反射的に笑って答えようとした。


だがセラが先に言った。


「ギルドの仕事だ」


男はその一言に、それ以上は尋ねなかった。


それがこの街で「聞くな」という意味としてどれほど完璧な返答なのか、皆が知っていたからだ。


もう少し奥へ入ると、人々の視線がまとわりつき始めた。


もちろん、堂々と群がってくるわけではなかった。


皆忙しかったし、朝はそもそも誰にとっても忙しい。


それでも視線は残る。


窓の隙間から。


戸口から。


路地を掃く手を止めて。


果物箱を持ち上げかけて。


洗濯物を抱えたまま立ち止まった女の指先から。


人々は皆、似たような顔をしていた。


尋ねたいが、尋ねた瞬間、自分のことにもなりそうで怖い顔。


この街の外見はいつも、人のよさそうな商人と働き手と酔っぱらいと行商人の顔をしているが、その内側はまるで無邪気ではない。


皆知っている。


誰かが血まみれのままギルドへ向かって歩いているなら、それは見たい見世物であると同時に、むやみに首を突っ込んではいけない種類のことだというのを。


だから視線はついてきたが、足は止まった。


それがむしろありがたかった。


レオンは一度大きく息を吸おうとして失敗した。


肋骨が拒否した。


「は」


セラがすぐに尋ねた。


「めまいか」


「いいえ」


「ただ、私の体が今日に限って自意識が強いようです」


セラは短く返した。


「黙って歩け」


レオンはうなずいた。


「はい」


それでも少しして、また口を開いた。


「ですが本当に、ずいぶん見られますね」


マヤが屋根の上から射るように言った。


「当たり前でしょ」


「あんた今、誰が見ても『何かあった』って顔をしてるんだから」


リナも一言添えた。


「うん」


「それにマルセラも完全に怪しく見えるし」


エリンがマルセラをちらりと見てつぶやいた。


「怪しいどころか、ほとんど『捕まってきました』って書いてあるけどね」


本当にその通りだった。


マルセラは最後までうつむかなかった。


その代わり、あまりにまっすぐ歩いた。


手を縛られ、捕虜になっているのに姿勢を崩さないのは、立派というより、むしろ余計に目立った。


罪悪感のない捕虜は人を不安にさせる。


それをわかっているのか、セラは路地を二度曲がった後、マルセラにごく低く言った。


「大人しく歩け」


マルセラは今回も笑おうとした。


「歩いているでしょう」


セラは振り返りもしないで答えた。


「口も大人しく」


その一文は不思議なほどよく効いた。


マルセラは本当に口をつぐんだ。


レオンはそれを見て思った。


よし。


言葉より静かな脅しがここまで効く人間は、やはりセラだけだ。


ギルド支部が見えたのは、太陽が建物の上へ半分ほど昇った後だった。


灰色の石壁と濃い茶色の木の梁で建てられた建物。


夜にはただ無骨な大きい家のように見えるが、朝の光の下では別の顔を見せる。

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