#5奮闘と不可思議な出来事
猪「まてまて~、イテっ」
????「ちょっと!」
「フゴォ、フゴォ」
猪が突進のため、体勢を整える。
「こっちだ‼」
ミリアリアさんは立ち上がれない。このままでは二人ともやられてしまう。俺は猪の注意を引くため、叫びながら彼女から離れた。
「ダメです。逃げてください‼」
彼女から声が掛かるが、もう猪の注意はこちらに向き突進しようとしている。
「こっちだ‼」
もう一度叫ぶと、猪が突進してくる。
「プギィィィィーーーー!」
変わらぬスピードで迫る猪を、
「うぉっ!」
同じように横に跳んで回避する。
猪が通り過ぎていく。猪も学習したのか、今度は転ばずスピードを落としながら木にぶつかり停止する。
猪が向きを変え突進してくる。
「しまった!」
俺は再度跳ぼうとした瞬間、足を滑らせ転んでしまう。
まだ、ギリギリ避けられる距離だったので立ち上がり再び跳ぶ。
避けられると思ったが予想外の事が起きた。
「ピギィっ!」
猪がまた避けられると思ったのか首を振ってきた。
「なっ!」
俺はそれを避けられずにはね飛ばされる。
「ぐっ」
さらに飛ばされた先で木にぶつかる。
俺は飛ばされた衝撃と木にぶつかった痛みですぐに立ち上がる事ができなかった。
「ぐぅぅ、はぁ、はぁ。」
何とか立ち上がり、猪の方に目を向けると、猪は俺ではなく彼女の方に突進しようとしていた。
「そっちじゃない!こっちだ!いつっ。」
体に痛みが走る。俺は何とか猪の狙いを俺に向けようとするが体が思うように動かない。その間に猪は彼女に突進する。
俺が何とかしなければと思った時、近くに落ちていたあの人形が目についた。
「こっちだって、言ってるだろ!」
俺は人形を猪に、向かって投げた。
「プギィィーー」
人形は猪の頭に命中した。だが猪は俺に向かずにさらに興奮したように鳴き声をあげる。
「ダメか。」
猪の注意が変わらなかったことでより焦った。
「貴方だけでも逃げてください!」
彼女は自分が危険にも拘わらずに言う。
そこに猪が向かってくる。
彼女も死を覚悟したのか表情を固くし猪の方を向く。
「やめろぉぉーー!」
俺は彼女に向かう猪に向かって声をあげる。
「プゴォォ」
すると猪が突然さっきまでと違い、苦しそうな声をあげる。
苦しそうな声をあげ、スピードを落としながら彼女に向かい、ついに彼女の前まで来て力尽きたのかそのまま倒れた。
「何が起こったんだ?」
俺は突然の出来事に驚き、呆然と見つめていた。
「・・・・・・」
彼女の方も同じようで、無言で見つめていた。
「大丈夫ですか?」
少し体が回復したので、俺は気を取り直し彼女に近より声かけた。
「ええ、ありがとうございます。」
俺は彼女に手を差し出し立たせる。
「一体、何が起こったんですか?」
彼女が尋ねてくるが、
「分かりません」
彼女に聞かれるが俺も何が起こったのか分からない。
猪に近づき調べてみる。最初は気絶したのかと思ったが違った。
完全に絶命している。
「どうして、いきなり死んだんだ?」
分からない。直前まであれほど暴れていたのに。自分も彼女も、特に何もしていない。猪の体にも致命傷は見つからない。
「どうやら死んでるみたいです。」
彼女に近づき伝えた。
「そうですか。はぁ。」
そう言って彼女がふらつく。
「おっと!」
俺は慌てて彼女の体を支える。
「大丈夫ですか?!」
「ええ、大丈夫です。ごめんなさい。急に体から力が抜けてしまって。」
無理もない、さっきまで死ぬかもしれなかったのだから。
気が抜けるのも当然だろう。そう考えていると、
「え~と、もう放していいですよ?」
彼女が恥ずかしそうにいった。
「あっ、すいません。」
彼女に言われて手を放す。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
お互いに目をそらす。となく気まずい雰囲気になり言葉が出ない。すると、
「痛っ!」
頭に何が当たり痛みが走る。
「大丈夫ですか?!」
彼女が俺の悲鳴に驚き声をあげる。
「ええ、大丈夫です。」
頭をさすりながら応えた、周囲を確認すると近くに猪に向かって投げた人形が落ちていた。
「これは・・・・」
俺が投げた人形?猪に当たった後、気にしないでいたから分からなかったが、これが当たったのか?猪に当たった後飛ばされてそれから、今、落ちてきて俺に当たったのか?
「どうしました?」
「いえ、何でもないです。」
人形を拾いながら応える。
「身体の方は大丈夫ですか?跳ね飛ばされて、木にぶつかってしまったのに。」
彼女が俺の心配をする。
「ええ、大丈夫です。痛みもだいぶ引いたので。それからさっきは突飛ばしてすみません。ミリアリアさんも足以外に怪我をしてませんか?」
と応えて、彼女に聞いた。
「いいえ、気にしないでください。私を助けるためだったんですから。どこも怪我をしてないので大丈夫です。」
そう彼女は応えた。それから、
「だから、ここから早く移動しましょう。日暮れも近ずいていますし、足の痛みも引いてきたので大丈夫です。痛っ!」
と彼女は言って、歩きだそうとするが痛みで足に力が入らず倒れそうになる。それを支えて顔色をみると表情からはとても大丈夫そうには見えない。
「無理をしないでください。無理をせずどこか近くで休みましょう。」
俺は彼女に提案した。




