種目決定
ついに全種目の代表が決まった。自分たちの選手登録が終わったので、これから授業の時間などで各々練習していくことになる。
えっ!?パーティー戦のメンバーがどうなったかって?当初の予定ではトーナメント戦などで決めることになっていたのだが、そうではなく推薦で決まってしまった。
「まさか僕たちがパーティー戦に出なきゃならなくなるなんてね」
「何を言っているのだ。パーティー戦に出られるということは、それだけで名誉なことではないか」
「なんでこうなったのだか」
パーティー戦のクラス代表はアーシャとルナ、そして俺の三人だ。
元々出るつもりはなかった(今でも出たくはない)のだが、ブーダの馬鹿が言った余計な一言によって決まってしまった。
その時の様子がこんな感じだ。
「パーティー戦はチームワークが大事なのだろう?それなら、普段から冒険者パーティーとして一緒に活動している三人に任せればよいのではないか?」
これからトーナメントが始まろうとするタイミングで、すでにバトルキングへの出場が決まっているブーダが水を差した。
「普段から冒険者として活動している三人だって!?そんな三人がこのクラスにいたなんて、委員長である俺としたことが全く知らなかった」
「お前が知らないのも無理はない。なんせ当人たちは隠しているわけではないようだが、積極的に宣伝しているわけではなく、そのうちの一人は生意気で学校でもやる気がない奴だ」
その生意気で学校でもやる気がない奴とは、まさか俺のことではあるまいな。後者に身に覚えがないとは言い切れないが、前者の方は絶対にブーダの主観だろう。
「もしかしてその一人とは、ウォルコットのことか?」
「その通りだ」
まさか委員長がブーダの言葉で俺とわかるとは。俺ってみんなにもそう思われていたのか。
「ブーダが悪口を言うクラスの相手は、たいていがウォルコットだからすぐにわかった。それで、残りの二人とは誰なんだ?今の言い方だと、ブーダではないんだろう?」
「他の二人とは、アーシャとルナだ。この三人は入学した時からパーティーを組んでいるはずだから、かれこれ一ヶ月以上パーティーを組んでいることになる。俺は適任だとは思うが?」
「確かにそれなら適任かもしれないな。それに普段の冒険者としての活動がそのまま訓練になるから、わざわざ特別に何かするということもないからな。だが、三人の力がわからなければ決めようがない。その辺は大丈夫なのか?」
「その辺は俺が保証する。それならどうだ?」
「ブーダが保証するなら信じるしかないな。よし!パーティー戦の代表はアーシャとルナ、そしてウォルコットの三人に決定だ!!」
なんでそこで簡単に決定する!?ブーダに対する委員長の信頼が何でそんなに高いのか謎だ。しかも、俺たち三人の意見を決めずに決めるというのもおかしいだろう。なんで俺たちの意見を聞かずい決めるんだ?俺たちだけでなく、ほかの生徒の意見も聞いていない。明らかに暴走しているな。
「二人とも、まだみんなの意見を聞いていませんよ。ちゃんとみんなの意見を聞いてから決めないと」
こういう時に副委員長は頼りになる。冷静であり、なおかつ素晴らしい正論だ。
「それもそうだった。みんなはどう思う?」
「俺は別にいいな」
「僕もそう思うよ」
「私も文句はないなー」
反対意見が全くでない。
「それではこれで決定とする。三人はどうだ?」
「私は構わない」
「僕もそれでいいよ~」
「俺はかなり不安だから、他の人たちがすればいいんじゃないか?」
このままだと俺がパーティー戦に出ることになる。
「貴様は相変わらずだな。もう少しやる気を出してみたらどうだ?」
「気合がないわけではない。ただ目立ちたくないだけだ」
「そういえばそうだったな。まあ、この空気だとやらざるを得ないだろうがな」
周りを見ると、なんか俺たちが出ることになってしまっている。これが民主主義というものか。前世ではよくあったことだが、まさか貴族制ががっつり残っているこの世界でもこうなるとは思わなかった。
「はぁ~、まあいいか。優勝できなくても文句は言うなよ」
「当然だ!君たちが全力で戦っているのなら、だれも文句なんか言わないさ」
こういった経緯で、俺たち三人がパーティー戦に出ることになってしまったのだ。
代表に決まってしまったことはあまり歓迎してはいないが、それによっていいこともあった。明後日から大型連休であるのだが、Aクラスのみんなは集まって練習することになっている。
本当なら俺たち三人もそこに参加すべきなのだろうが、今回は免除されている。なぜなら俺たちはこの連休を利用して、普段より少し大きめの依頼を受ける予定だからだ。
俺たちは一緒に冒険者として活動することがいい練習になるので、何も文句は言われなかったのだ。俺たちと一緒にパーティーを組んでいるニニャもクラスの練習とかはなく参加できると聞いているので、明後日に受ける予定の依頼は、俺たちのパーティーにとってはもちろん、俺にとっても過去最難関の依頼になるだろう。
もちろん過去最大とうたったところで、受けられる依頼の上限はCランクまでなのだが。




