【第5話】新たなメイド
エミリアは手紙を何度も書き直して、たぶん朝の3時くらいに、やっと納得のいく仕上がりになったので眠りについた。
「お嬢様、起きてください!」
マリーに起こされて起きたのは朝7時。なかなかに眠い。
「マリー、手紙を確認してもらえる? 変じゃないかしら。大丈夫なら、この私の肖像画も入れて、この後すぐ届けてもらえる? 私はシャワーを浴びて、着替えて準備するわ」
「お嬢様、お手紙確認します。……わっ、わー、なるほど、凄い……。これなら、絶対に気になって断れない内容になってますね。性悪女狐のあだ名がだてじゃないですね。すぐに届けてきます。午後には来客に向けて準備もしておきましょう。お着替えはどれにいたします?」
「F4なら女性からの手紙は無視する可能性もあるから、私は60%くらいの見込みだと思ってるけど、うまく書けたと思うわ。私が手紙をもらった側なら、とりあえず絶対に誘いに乗っていく。着替えなんだけど――私の作戦の一部なの。あなたのメイド服を貸してくれる? あと、包帯もお願い」
マリーはびっくりした顔をしたけれど、「すぐに持ってきますので、お嬢様はシャワーを!」と出て行った。
私がシャワーを浴びて部屋に戻ると、新しいメイド服と包帯が一式用意されていて、私はにんまりした。
メイド服を身につけ、鏡を見てみると、天使がいた。
この美しさは罪かもしれないわね。本当に綺麗。平凡な前世と比べると、今世は本当に人外な美しさだ。
エミリアの私物の赤毛のカツラをかぶり、メガネをかけ、化粧道具で、わざとそばかすを顔に描いていく。それでもごまかしきれない美少女オーラを、鼻から下に包帯をぐるぐると巻いてごまかしていく。
鏡を覗くと、エミリアの面影がほんの少しだけある、平凡な赤毛のメイドが映っていて――エミリアは、またにっこりした。




