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シークレット・ブラッド  作者: うさぎさん⭐︎
【第2部】ワイルド・ブラッド(牙を剝く世界)/ 第1章 サンセット・ブラッド

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23/42

7 愛する力は、永遠です。

 

「子供に気をつけろ」

 謎のメッセージと一輪の赤い薔薇。

 ローズの甘く高貴な香りを残し。

 牙が入院した。

 ━━意識不明の重態だった。


「牙……。どうして、こんなことに……」

 病院からでてきた美紅が、独白した。

 美桜が何か言いかける。

「美紅さん! お母さん!」

 若木が駆けてくる。

「あ、赤羽は……」

「あら、若木くん、大丈夫よ。牙なら」

「?」

「あの子がそんな簡単に死ぬはずはないわ」

「そ、そうですよね……。あの、美紅さん、お母さん、俺、赤羽から、お二人のことを頼まれて」

「まぁ」

 若木は事情を話した。


「美紅さん、お母さん、俺が必ず、お守りいたいします!」

 ナイトのように、若木は言った。

「あ、きゃわわ」

 美桜が変な声を出した。

「はい?」

「ちょ、お手洗い……。先に行ってて」

「はぁ。承知です」

 美桜が帰り道の途中、コンビニに消えた。

(あれ、これって)

 若木の心臓が、二回転半する。

(ひ、ひさびさの、二人っきり)

「美紅さ……」

 

 しかし、その直後━━、


 赤い薔薇が、


 美紅の頬を掠める。


「な、痛い痛い‼︎ 信じらんないくらい痛い!」

 頬を抑えて、美紅がうずくまる。

「み、美紅さん? ……誰だ⁈」

 遠くから人影が迫る。

「⁉︎ てっめー、よくも、美紅さんを!  

 ぜってー、許さねぇ‼︎」

「ふ、なぜ、吸血鬼ごときに味方する?」

 下りった影は、銀髪━━子供? 

 白いマントを羽織った子供だった。


<子供に気をつけろ>


(まさか⁉︎)


「我が名は、ぎ……」

「くらえ。サマーソルトキ〜〜〜ック‼︎」

「何⁈ ちょ、」

「……と、見せかけて、チョップ‼︎」

「なんじゃ、そりゃあ!」

 子供の頭にクリーンヒット!

「お、おま、ズル……」

「問答無用! チョップ! チョップ! チョ〜〜ップ‼︎」

「ば、ばか、や、やめ、や、」

 子供がキレた声を出す。

「━━やめろ‼︎」


 次の瞬間、若木の体がぶっ飛んだ。

 触れてもいないのにだ。

「ふん、邪魔だ。

 ━━さて、」 

 銀髪の子供は、美紅に歩み寄る。

「シークレット・ブラッドの血を引きしもの」

 まだ、激痛にしゃがんでいた美紅が、顔を上げる。

「我が名は、銀次。

 最強の吸血鬼狩りヴァンパイア・ハンターなり」

「ヴァンパイア・ハンター⁈」

 銀次のその手にまた、赤い薔薇!

「⁉︎」

「ただの薔薇と思うなよ!

 これは、対吸血鬼用の銀の杭で作られた、赤薔薇!」

「??」

 よく意味がわからなかった。

(待って、この子、どこかで……)

「喰らえ! シルバー・ステイク・ブラッディ・ローズ‼︎」

 銀杭と、薔薇の雨が、美紅に降る。

(あ、あんなの喰らったら、死……)

 その殺傷力に身が竦む。

「美紅さーーーーーーーーんんん!!!」

 現れた若木が、美紅を庇って、それを喰らう。

「チッ、まだ生きておったか」

「……愛する力は永遠だ!」

 満身創痍の若木だが、シルバーなんちゃらブラッディは、あまり効いていない。

「おあいにくさま、俺は吸血鬼じゃないんでね。銀の杭なんて効かないんだよ!」

 物理的には、少し痛かったが。

「美紅さん━━」

 若木は、美紅の目を見つめて言った。

「ここは俺に任せて、逃げてください!」

 


 









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