表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シークレット・ブラッド  作者: うさぎさん⭐︎
【第2部】ワイルド・ブラッド(牙を剝く世界)/ 第1章 サンセット・ブラッド

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/42

5 愛が君のアンサーかもよ?



「ハ……」

 夜を染める、高笑いが響く。

「ハーハーハッハ! 目覚めたぜ〜‼︎

 やっとキタキタ、貴重な出番だぜー‼︎」

 牙は赤い目を、双葉に向けた。

「その小娘は、オレの……」

「はん? なによ、弟! スウィーティハントの邪魔をする気⁈」

 双葉が「?」顔。

 吸血鬼モード(きゅーちゃん)なのにまさか? 正体を??

「オレの……。

 オレの、ハントをいつも邪魔する、宿敵小娘なのだ‼︎」

 なーんだ、と胸を撫で下ろす双葉。

「小娘、ハニーをどこに隠した?」

「何言ってる? 弟」

 双葉は割り込んだ。

「ちょ、待てよ!」

「貴様、邪魔するなら、貴様から消してやる。

 ━━なんだか、《《それが君のアンサー》》という声が、オレの内から聞こえる?? なんだこのフレーズは? 」

「は??ん 何言ってんの? あんた、また変な深夜番組の見すぎじゃない?

 やれるもんならやってみなさい!

 ちなみに、スウィーティには指一本触れさせないわ!

 ほーらほらほら、私の血でも吸ってみるかしら?」

「何を言ってる、年増!

 女の血なんぞ吸ったら、死んでしまうわ!」

 美紅の目が怒りでギンギラリンに煌めく。

「誰が年増じゃ! 好き嫌いばっかしてるから、よわっちなのよ!」

「な、だ、誰が弱い? だーれーがー、よわーいー? 誰が弱いだと⁈」

 <きゅーちゃん>の拳がものすごく震える。

 声も震えまくっている。

 じだんだも踏んでいる。

 その牙が折れそうなくらい。歯軋りも……以下略。

「ふふん♪ まだまだ、お子様だこと」

「き、貴様だとて、男に噛みついたら、イッテマウくせに!」

「うげ、覚えてたの⁈」

 美紅が汗をかきつつ、たじろぐ。

「あぁ。もちろんじゃい! あれは、忘れられん!」

「忘れろ。忘れて〜ぇ! 乙女の秘密よ〜〜〜!」

 双葉は相変わらず、不思議モード。

「?? あの、そろそろ、姉弟喧嘩はやめろよ。

 俺、初めての献血のせいか、ちょ気分悪くて……

 そろそろ、お、おひらきに……」


 言ってる側から、双葉は限界に達し、気絶した。


「あぁ。スウィーティ!」

 美紅が、慌てて駆け寄る。

「なんてこと!」

 心配で真っ青な顔になる美紅。

「ふん。無様だな、小娘」

「なにいってんの、あんた!」


 頭に冷たい感触。

 双葉は、目を覚ました。

「ここは……?」

なぜか、頭に保冷まくらを載せられている。

 そして、服はサイズの合わないパジャマ。

 双葉は布団の中にいた。

「どこ?」

起きあがろうとすると、

「まだ、寝てなきゃダメよ!」

 いつものメガネ美紅が、ドアを開けて、入ってくる。

「ほら,おかゆ。あ〜……ん」

「あ〜んって美紅さん? 俺………私、別に熱があるとかじゃ……」

「いいから! あ〜ん」

「は、はい……。美紅さんって,てんねん?」

 どうやら、ここは美紅の部屋らしい。

「大丈夫よ、すぐ良くなるわよ」

「ふふっ……」

 双葉は笑った。

 泣きそうなのを堪える。

「美紅さんって、優しいんですね……」

 おかゆを食べさせてもらいながら、<青空園>にいた頃のことを、ふと思い出す。

 自分は捨て子で、施設で育った。 

 青空園は大好きだったけど、ときどき感じていたもの。

 ホンモノの家族への飢え。

 捨て子の劣等感。……

「あ〜ん♡ どう、おいしい?」

「おいしいです」

この人とだったら…もしかして。

 幸せな家庭を築けるかもしれない……。本能的にそう思った。

「なんだか元気出てきましたよ、美紅さん」

「よかった。スウィーティまでいなくなっちゃったら、どうしようかと思った……」

美紅が涙ぐみながら、笑う。

 その姿に痛みを感じた。

(美紅さんにも、いろいろあるのかもしれない)





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ