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【祝・2000PV突破!】シークレット・ブラッド  作者: うさぎさん⭐︎
【第2部】ワイルド・ブラッド(牙を剝く世界)/ 第1章 サンセット・ブラッド

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17/42

1 パワフルセクシーbomber‼︎‼︎ 



「あ、新しい献血ルームだ♡」

 厚底ブーツで街を歩いていた美紅は、ビルの上のほうのある、献血ルールに目を向けた。

 大学二年、ちょうど二十歳のお年頃の美紅の趣味は、献血だった。

 速攻ルームに向かう。

「お願いします!」


「はぁ〜」

 謝礼のトマトジュースを飲み干す。

 献血したばかりなのに、美紅の頬は紅潮《こうちょう》し、たっかいヘアケアでもつけてるかのように、髪はつやつや。お肌は、ぷるんぷるん。

 むしろ、献血前より、元気になっている。

 そう、美紅は、献血しても、ダイエットしても、リバウンド(?)する、ちょー増血体質なのだ。

(体がピンチと思って、血を増やすんだね)


  ***


 若木は珍しく、慌てていた。

 美紅に聞いた話、牙が一般ピープルを襲いに行ったというのだ。

「あの子、そろそろ、血に飢える時期だから」

(あの変態吸血鬼、どこに行きやがった⁈)

 マッハな速度で、太陽公園に向かう。

 そのだいぶ後ろを、美紅が追いかけている。

「ちょ、きみ、まって……!」


 新月の闇夜。

 お決まりに牙は、<男>に声をかけていた。なかなかに整った顔立ちだ。

「アハハハハ、いい感じの青年。今宵の出逢いに乾杯!」

「はい? なんだ、おまえ?」

「問答無用! いただきま〜す‼︎」

 牙の牙(?)が、青年に迫る!

「待てー‼︎」」

 現れた若木が、緑リュックから、にんにく、十字架などを放りまくる。

「吸血鬼バスタぁぁぁあ3‼︎!」

「ぐおおおお?!」

 あっけなく、牙がぶっ倒れる。

「ふぅ、やれやれ」

 一仕事《《おわた》》クールスマイルを浮かべる。

 そんな若木を、後ろから牙が抱きしめる。

「な⁈」

「今日は新月だからな。闇がオレを強くするんだ」

「何その設定⁈ 満月じゃなくて?」

「オレは、狼じゃないぜ、ハニー」

「痛っ!」

 若木の一つ結びの髪を、無理やり解く。

「このほうが綺麗だぜ、ベイビー」

 彼の柑橘類の香りにうっとりする。

「じゃ、いただきまあすっ‼︎!」

 口からのぞいた長い牙が、若木の首筋にヒット!

「いやだあああああぁぁぁぁ‼︎」

 

 きらきらりんなポップエフェクトはないけど、瞬く間に双葉の姿に変わる。

 目には、大粒のパールの涙。

「……ぐわぁぁぁ‼︎ 」

 牙も負けずの、大々々粒の怪物の涙。

「女の血なんか吸っちまったぜ! 今日はダメージもひとしお‼︎ ぐわあああぁぁ‼︎」

 若木=泣くと双葉。

 を、学習しない吸血牙は、

「きゅう〜〜〜〜」

 派手な音を立てて、ぶっ倒れた。


「は⁈」

 起き上がると、赤黒かった目が、黒く戻っている。

「ふ、双葉さん?」

 朦朧としながら、目の前の双葉に気づく。

「双葉さん、実はぼ、僕、双葉さんのこ……ぐげ⁈」

 双葉の蹴りが決まる。

「ねぼけて、2回も告白しようとしてんじゃねぇー!」


 牙を無造作に引きずって歩いていた双葉は、

「あれ?」

 どっかで見たような顔をみつけた。

「あれは???」


「はぁはぁはぁ」

 若木を追いかけていた美紅は、急に立ち止まった。

 太陽公園まであと少しだった。

「やば、夜だし、献血行ったらなぜかまた体重増えちゃったし……

 た、たぎってきた‼︎」


「牙のお姉さん? メガネどうしたんですか?

 は‼︎ もしかして、ギャップ効果狙って……?」

 呟く双葉を、メガネなしの美紅が見る。長い髪も下ろしている。いつもより、なんだか魅力的だ。

 その目がなぜか、金色に煌めく。

「きゃわ♡ かわい! 何この子!」

「……え?」

 双葉は野生の勘(?)で、危機を悟る。

 牙を捨て、自慢の俊足で逃げようとするが━━

「だーめ、逃がさないわよ、スウィーティ♡」

 後ろ襟を掴まれ、捕まる。

「す、すい……??」

「さぁ、少女よ、わたしの血をお吸いなさい!」

「━━は??」

 いや〜な予感がした。

「そういえば、赤羽が前に、家族全員吸血鬼だと言ってた?

 じゃ、じゃあ……お姉さんも……?」

 唾を飲み込む。

「や〜だ、スウィーティ♡ お姉さんなんて、他人行儀!       

 ━━美紅って、お呼びなさい!」

「………み……?」

 ミクはいきなり前ボタンを外し、服の肩をはだけた。

「さ、血を吸って!」

 爛々と光る目で、美紅は双葉に迫る。

「え、え……?」

 はだけた白い肩には、黒いブラの紐が見えちゃってる。

 ここから先は、厳重警戒注意報。

 高校生には、絵的にまずい‼︎

「ほらほらほらほら♡」

 双葉の顔が真っ赤になる。

 なんていうか、大人の色香が漂っている。

 血圧計があったら、瞬時にぶっ壊れそうだ。

「み、美紅さ……パワフルセクシーbomber‼︎‼︎」

 謎の言葉と鼻血と共に、双葉が気絶する!

 奇しくも、牙の黒く戻った瞳が、それを捉えていた。

「あぁ⁈ 双葉さん⁈」


 夜の闇が、すべてを見ていた。



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