第百三話 「やっぱ酒以外のコストないの反則だろ」
どうも。四月から社会人の姫河ハヅキでーす。
今回もどうにか月内更新できたぜー。
ただ、来月以降の更新は微妙なんですよねぇ。出来る限り月一更新は続けたいんですけど、社会人生活が未経験なので少し不安がががが
月内更新がムリそうなときは活動報告で言いますねー。
あ、一応言っておきますが失踪する気はないです。社会人生活が大変だった場合は二ヵ月に一度、なんて頻度が下がる可能性はありますが投稿は続けます。
まぁ、いざ社会人になってみたら「こんなもんか」なんて可能性もありますし、あくまで可能性ですねー。
今まで通りに気楽に気長に待っていただければ、と。
「やっぱお前も呼ばれたか」
「まぁ招待をこちらに寄越した人物が人物なので予想はしてました」
父さんは《白雷》レーヴェ・ルヴェルト、私はアガサ・ルヴェルトから招待され、ある店に向かっています。
個人、もしくはグループごとでバイキングを楽しめる店とのことです。アルフに聞いたところ、人払いも容易なため何かの依頼だったり勧誘には適しているのだとか。
「ここ、ですね」
「······思ったより入りやすそうな雰囲気だな」
「ドレスコードがないらしいですからね。そこまで格式ばった店ではないのでしょう」
入口付近にいた店員に招待状を見せて案内してもらい部屋に入ると、中でレーヴェ、アガサ、ロネの三人が待っていました。
「よう、獣王候補者のお二人さん」
「······姉様、せめて最初の挨拶くらいは頑張ってよ」
「え?アイリスとは最初っからこの喋り方だったんだが」
「それがおかしいって言ってんのよ」
王族······ですよね?国名が「ルヴェルト」連邦ですし。
「その呼び方をするってことは、今日の要件は【獣王の器】か」
「大体そんな感じだが、獣王候補者どうしで単純に友好を深めたいってのもある。多少真面目な話もするが、それ以外ではアタシくらい気軽でいいぞー。アタシはレーヴェ・ルヴェルト。呼び捨てで全然OK」
「アンタはノリが軽すぎるのよ!ハァ······私はロネ、ロネ・アリアンロッド。レーヴェとは腐れ縁でお目付け役みたいなものよ。この自由人が迷惑かけたらすぐに言ってちょうだい。〆るから」
「私はアガサよ!よろしく!」
「なんでアンタもそのノリなのよ!?」
王族二人のノリが軽い。
「まずは飯食うか。ここはアタシらが持つからお二人さんは好きなだけ食ってくれ」
レーヴェがパンパンと手を叩くと、私たちが入って来たのとは別の扉が開き、料理の載った皿が次から次へと運び込まれてきました。
どれも非常に美味しそうですが、今はそれよりレーヴェの財布とこの店の貯蔵が心配です。
「······好きなだけ?」
あ、ヤバいですね。マジで遠慮なく食べる気ですよこれ。
「このクマ、胃袋が無尽蔵なので時間が許す限り無限に食べますよ。『好きなだけ』は覚悟を持ってくださいね」
私も父さんも現実では小食なんですよね。あと、父さんはアレルギー多くて普段は食べられるものが少ないんですよ。
なのでアレルギーの問題なく、無限に食べることが可能なゲーム内では父さんは際限なく食べちゃいます。理由が理由なので父さんに「食べるな」とは言えないです。
ただし相手に忠告はします。
「いけるいける。これでも稼いでるから」
「サンキュ!あ、俺はアイリス」
「クロコ・フルメナードです」
「思い出したかのような自己紹介ね······」
実際忘れかけてました。
◇◆◇◆◇◆◇
各々好きなものを食べつつ世間話です。
「あんたら二人、その歳まで何してたんだ?それだけの実力を持っててそれっぽい噂を全く聞かないのは異常だよ」
「ん?まぁ······隠すほどのことでもないか。俺たちは異界人だよ。俺たちの噂を聞いたことがないのは当たり前だ」
「言わずとも私が異界人なのは気付いていたと思いますが。登録名でガッツリちょけたので」
「そりゃ聞かないはずだ」
「あの後”クロコ・フルメナード”宛に招待を送ろうとして名前見つからなくてびっくりしたわ!」
「あんな変な名前にした理由は······ないんでしょうね」
「えぇ、一片の曇りもない遊び心です」
「【獣王の器】は氏族で最も大きな力を持つ者に与えられるスキルだから異界人でも対象になるのは不思議じゃないが、異界人が出現するようになってからまだ半年も経ってないだろ。······ヤバいな」
「異界人って、クロコ達みたいなのが多いの?」
「俺らは死んでも少ししたら戻って来るからお前らほど安全マージンを取らないってのがデカいんだろうな。厳しい環境に身を置いた方が強くなるのは当たり前だ」
「自分で言うのもなんですが、私たちは異界人の中でも特殊で上澄みです。私たち並みに強いのは数えるほどしかいませんよ」
「いることはいるのね」
「お前らみたく、俺らもピンキリだ。不死の強者たちが力で支配、とかは起こらないだろうから心配する必要はねぇよ」
「ちなみに、異界人には私たち二人以外の【獣王の器】保有者は現時点ではいないそうです」
「なるほどな。異界人と直接会話する機会なんてなかったから色々教えてくれて助かる」
「こうして飯奢ってもらってるしなー。よっぽどのことじゃなけりゃ話すよ」
「しっかし本当に食べるわね······その体のどこに収まるのよ」
「異界人マジックだ」
「『異界人だから』で全部の説明済ませようとしてない?」
大体それで説明つくんですよねぇ。
「そろそろ真面目な話に移った方がいいんじゃないですかね。私たちに頼みたいことがあるんでしょう?」
「どれから話すかなー」
「なんで決めてないのよ!?」
「いくつもあるんですか???アガサ???」
頼みたいことがあるとは聞いてましたけどそんないくつもあるとは言ってませんでしたよね?
「もちろん複数やれとは言わないわよ?ただ一つでも受けてほしいなーなんて······」
「無名でぽっと出の異界人に頼むようなことがいくつもあるのはどうかと思うぞ」
「いやー、【獣王の器】を持つほどの実力あったら実績とか気にしなくてもいいかなって」
「とりあえず、頼み事を簡単に説明すると
・猛毒を持つ竜種の討伐
・歓楽街への潜入および潜伏している淫魔の討伐
・今言った二つのどちらかに有用な人物を集める
こんなところね。討伐の方は竜種の装甲を貫ける攻撃力と回避や耐性などの毒への対策、潜入の方は高い魅了耐性が必要なのよ。アナタたち二人には竜種討伐に力を貸してもらおうと思ってるのだけど、いけそうかしら?」
「いけるぞ。俺もこいつも毒はほぼ効かん」
「なんなら毒がほぼ効かない知り合いが何人かいます」
「マジで?」
ヒバナさんは自分限定で持続発動型の解毒魔術を、もこもこさんはシンプルに高いVITと毒耐性を、マタタビさんは「自分にその時点でかかっている【酩酊】より低い強度の状態異常に対する完全耐性」を持っています。
マタタビさんのが変わり種過ぎる。
「その知り合いの内訳を聞いてもいいかしら?」
「凄腕の火・爆属性魔術師、攻撃能力が皆無な代わりに防御能力はピカイチな盾役、第一印象と言動はアレですが戦闘力は保証できる格闘家、の三人ですね。私たちと同じく異界人ですので、討伐対象に見合った報酬が用意されていれば死の危険があろうと参加してくれると思いますよ」
「すごいわ!討伐メンバーが急に五人も増えそうよ!」
「毒がヤバくてメンバーの集まり悪かったんだよな」
「現時点で集まっている討伐メンバーは何人なんですか?」
「アタシ、ロネ、アガサ、あとここには来てない妹二人の計五人」
「少ないですね」
「少ねぇな」
「やっぱり毒がネックなのよね。でもまだマシな方よ?歓楽街の方はいけそうなのが一人だけだもの」
「ちなみに私よ!」
「王族お抱えの諜報部隊が何人も帰ってきてないヤバい案件だから、実力者とはいえ王族一人で行かせるのはリスクがなー。行けそうなやつ、知り合いにいない?」
「そんな重大な案件に私たちがパッと紹介した人物を連れて行くの大丈夫なんです?」
「アガサのスキルでそういうヤバいのは分かるんだよ。魔眼で偽装や隠蔽は見抜くし、勘で悪意や嘘は看破できる。なんなら勘が万能すぎて『こうした方がいい気がする』ってなんとなくで最適行動するのがアガサだ」
「反則だろこいつ」
「そういえば私の切り札の存在当ててましたね······」
「照れるわ。······ところでクロコ、貴女歓楽街に行けそうな気がするのだけど」
「え゛」
その勘、マジで反則では?
「あー······」
「え、毒だけじゃなくて魅了の耐性もあんの?」
「ぶっちゃけると魅了なら完全耐性あるんですけど、他の精神干渉の耐性はほぼゼロなんですよね。それだと不安要素の方が大きいと思って言いませんでした」
「そこに関しては諜報部隊が命からがら拾ってきた情報がある。どうも黒幕は魅了特化らしくてな。他も使わないことはないが、それなりに耐性付与された装飾品で防げる程度だとよ。装飾品はアタシらが用意できるし、魅了耐性が重要なんだ」
「じゃあ······いけないことはないですね」
「これで二人ね」
「欲を言えば三人欲しいんだよな」
······もう一人、ですか。心当たりはあるんですけど潜入調査に紹介できる人物かというと微妙なんですよねぇ············。
というか、優秀な戦力として紹介していいかも少し疑わしいような。
「(父さん、マタタビさんって竜種討伐の人員にカウントしても大丈夫ですかね。スキルを知らない人からすれば戦闘中にも酒を呑むレベルのヤバい呑兵衛ですよね)」
「(さっき言っといて今更だな)」
「とりあえず竜種討伐のメンバーにコンタクト取りてぇな。クロコ、アイリス。さっき言ったメンバーに連絡できる?」
「すぐに連絡付くかどうかは分かりませんけど」
「ここに呼べばいいか?」
「おう。そいつらの分も奢る」
「私は店員に伝えておくわ」
どうにでもなーれ。
あ、諸事情で変装していることを伝えておかないと。
◇◆◇◆◇◆◇
「ども、ヒバナだ」
「こんちはー。もこもこです」
「良い酒と料理があると聞いて来たニャ。マタタビニャ」
一応貴族とは伝えたんですが微塵も気にしませんねこの人たち。
というか、マタタビさん既にそこそこ呑んでますね······。
「アタシが依頼主だ。内容はそこの二人から聞いてるか?」
「いや、私らは『受けることになりそうな依頼を手伝ってほしいから来て』としか聞いてない」
「じゃあ簡単に説明すると、毒持ち竜種の討伐。火力と毒対策が必要」
「「「なるほど」」」
「ちなみに別の依頼もあるのだけど、そっちは潜入調査で高い魅了耐性を持つ人が必要なのよ。知り合いにいないかしら?」
「魅了どころか全状態異常に強いのいるが······」
「潜入調査じゃあ······」
二人とも「こいつはなぁ······」とでも言いたげな顔でマタタビさんを見てます。
やっぱり潜入や調査に呑兵衛はアレですよね。
「潜入といってもコソコソじゃないから、魅了耐性さえあれば割と十分よ?むしろ魅了耐性あるなら歓迎だから紹介してほしいわ!」
じゃあ、と言って一斉にマタタビさんを指さす私たち。
「マタタビは竜種討伐のメンバーじゃないの?」
「竜種討伐も淫魔討伐もいけるぞこいつ」
「この人、戦闘力高いうえに状態異常ほぼ効かないんですよね」
「アチシは酒さえありゃ状態異常なんて怖くないのニャ」
「毒や魅了どころか状態異常全般に強いなんてめちゃくちゃ貴重な人材じゃ······酒?」
「「············ なるほどな(ね)」」
マタタビさんと直接戦った二人は察したようです。あの時もべろんべろんでしたもんね。
「どこまで話すかニャー······まぁ、『酩酊』にかかっている間は『酩酊』以下の強度の状態異常は全て無効化するうえ、それとは別に『酩酊』の強度に応じて状態異常耐性が上昇するから状態異常は基本効かないのニャ」
「「「えっ?」」」
「後半初耳なんだが」
「【酩酊】最大強度にしてたらハイエンド級モンスターの状態異常でも弾きそうですね······」
「お前確か【酩酊】の強度に応じたステバフとリジェネもあったよな?」
「あるニャ」
「「「えっ!?」」」
「呑んでさえいれば強いんだよなコイツ」
「酔拳使いなのは知っちゃいたが、身体強化も酒で、状態異常も酒で解決か······ちなみにその呑めば呑むほど強化されるスキルは何分維持できる?」
「え?」
「え?」
「······」
「······質問が悪かったか?酔いが深けりゃろくに戦えないだろうし、身体強化や耐性強化に酒以外のコストもあるだろ?だからフルスペック発揮できるのは何分なのかを教えてくれ」
「アチシは『酩酊』が最大強度でも普通に戦えるニャ。あとステバフやバステ耐性は酒以外のコストないから、ワンミスで乙る集中必須な戦闘じゃなけりゃ数時間いけるニャ」
「うっそだろお前!?」
「えぇ······!?」
「嘘でしょ!?」
まぁ驚きますよね。コスパだけならこの面々の中で一番ぶっ飛んでるんですよ。
「やっぱ酒以外のコストないの反則だろ」
「いやぁ、『酩酊』最大強度で普通に戦える方が異常じゃないですかね」
「【酒精耐性】取らないわ、酒呑むだけで多重強化入るわで他の酔拳使いと比べるのが可哀想になるよな」
「酒の質に応じて各種強化の効果量上がるから、討伐に向かう際は王族の権力で良い酒を調達してほしいニャ」
「OK。用意しとくわ」
「ところで、マタタビさんは淫魔討伐のメンバーに入れるんです?魅了耐性は酒ありきですけど、酔っ払いが歓楽街に潜入とかムリじゃないですかね」
「誰か一人を遊女、つまりは客と話したりゲームに付き合うスタッフとして、他のメンバーをお付きの護衛や世話役として潜入させる手筈でな。まぁ······いけるだろ」
「「「「雑だな(だね)(ですね)」」」」
「三人のうち誰を遊女にするかだが······マタタビはなぁ」
「護衛や世話役が呑んだくれるのもダメでは?」
「素行はダメ人間だけど仕事はきっちりこなす護衛、が関の山じゃないかしら」
「あとは世話役と遊女······」
「顔隠してる遊女とかいないですよね?私は世話役ということで」
レーヴェ達が何か言いたげな様子で私に視線を送ってきましたが先手を打ちます。
私、メインを張る気はありませんから。
「いや、そういう意味じゃない。遊女でも護衛でも世話役でも、セキュリティ的に仮面の着用が怪しいんだよな······高い魅了耐性を持ってる奴を探すことに執着し過ぎて忘れてたわ」
「あぁ······」
「セキュリティということは、顔が出てたらいいんですよね?諸事情でこの面を装備し続けていないといけないのですが、横にずらすことは可能なので」
「あら、顔を出すのに抵抗はないの?」
「みだりに顔を売るのは嫌ですが、依頼に必要というのなら出しても構いませんよ。······なんです、人の顔をそんなじろじろと」
私はこんな感じなら問題ないかとレーヴェに確認するために面をずらしただけなんですが。
「······これで世話役いけるか?」
「ムリじゃない?『あの世話役に相手してほしい』って言われるのがオチだと思うわ」
「私が遊女役のつもりだったけれど、このレベルの美少女を差し置いて遊女名乗るのはちょっと······」
「私は気にしませんよ。アガサも美少女じゃないですか」
「自分で言うのもなんだけど、私もそれなりに整った顔よ?でもクロコの方が華やかで、気品がある顔立ちなのよね」
「気品で負けていいのか王族」
「アタシもアガサもそっち方面はムリ。気品とか貞淑さはウェスティの担当」
「性に合わないからって妹に丸投げしてるだけでしょうが」
「とにかく、予定の変更が必要そうね」
「えー······メイン張るの嫌なんですけど」
「遊女より世話役の方が華があるって不自然だし、客が世話役に相手してもらいたいって言ったら遊女がそれを止めるの難しいのよ。基本関係のない他人だから止める理由がなくて、『他の女に目移りしないでよ』って引き留めるのが精々でね」
「その点、私が遊女なら客が無理やり迫ったり何かしようとしたら護衛や世話役が遠慮なく手を出せる、ということですか」
「そう。別にクロコの手を煩わせようとかではないのよ。むしろ貴女を守る意味合いの方が強いわ」
「そういうことなら、私が遊女をやりましょうか。······ちなみに、遊女として稼いだ金は私の懐に入れても?」
「え?いやいいけど······思ったよりノリノリだな?あと報酬は十二分に渡すつもりだけど」
「どうせやるならしっかり稼がせてもらおうかと」
「まぁクロコの顔面偏差値なら結構稼げそうな気がするニャー。あ、アチシは酒代を支給してくれれば文句ないニャ」
「あいよ。あとはいつやるか、だな。できるだけ早くがいいんだが、アンタら今受けてる依頼とかある?」
「ないな」
「ないぞ」
「ないよー」
「ないニャ」
「正式な依頼ではないですが、知り合いが家族間トラブルに巻き込まれてます。それが一段落するまでは厳しいですね」
ミシェルのお祖父さんは半狂乱でミシェルのことを探しているらしく、本格的に異常事態なんですよね。家族や家臣が宥めようとすると魔導機械を持ち出して本気の敵意を向けるレベルまで思考がおかしくなっているとも聞きましたし、いつ強引な手段を用いるか分かりません。
なので今はそちらの件を手伝う余裕はないんですよ。
「そのトラブルってどのくらい続きそうなん?」
「良いのか悪いのか状況が動きそうですし、そう遠くない内に解決に向かうとは思いますが······確実なことは言えませんね」
「そうか。言ってくれたらアタシらの手を貸すよ」
「ありがとうございます。いざという時は呼ばせてもらいます」
まぁクロコ=スノウとバレるのはちょっと抵抗があるので呼ぶならフレンドの面々ですかね······。
「じゃあクロコの件が解決したらもっかい集まって詳しい話し合いすっか」
「戦力が増えるのはプラスだから、他に竜種討伐に参加できそうな人材がいるならコンタクトを取らせてほしいわ」
「歓楽街の方はなかなかいないと思うから竜種討伐の方だけでも増やしたいわね!あ、マタタビとクロコは潜入用の衣装を用立てるからサイズの測定をさせてくれない?」
「知り合いから押し付けられたのが大量にあるので、私の分は結構ですよ」
装備をコロコロ変えてアルマ製の服をいくつも見せます。
なんであの人は歓楽街の遊女が着てそうな服も私に押し付けてるんですかね······。デザインも性能も良いのでケチを付けずらいのが複雑な気分ですよ。
「え、アタシらでもそう見ない品質じゃん」
「その知り合いを紹介してもらいたいんだけど」
「······アンタ、仙術使いの竜人が知り合いにいない?」
「ナンノコトデスカネ」
やっぱり、アルマさんって理性や良識が少々欠けているという点に目を瞑れば世界最高峰の裁縫職人なんですよね············。
どうしてああなのか。
Tips:前話で登場したがまだ紹介してないアーツ・魔術の解説
〈仙術奥伝:翡翠神楽〉
【仙術】で習得するアーツの一つ。〈奥伝〉と付くように【仙術】で習得するアーツの上位。《仙女》の奥義である〈秘伝〉を除けば【仙術】の中でトップクラスの火力を誇る。
ちなみにこれは風属性バージョンで、属性によって〈仙術奥伝:○○神楽〉と名称が変化する。
また、スノウはろくに【閃華】とその属性派生以外を使っていないが、〈初伝〉〈中伝〉が付くアーツも存在する。
〈模倣再現〉
三次以降の武術系スキルで習得する汎用アーツ。自身が保有している武術限定で見た・受けたことのあるアーツを再現する。再現度は見た・受けた回数により上昇。
流派特有のアーツを流派に入らずに使用するためにこのアーツが用いられる。
〈蛇毒蹴〉
【格闘術・百獣流】で習得するアーツの一つ。防御貫通効果を持つ蹴り。
〈猩々振撃掌〉
【格闘術・百獣流】で習得するアーツの一つ。防御貫通効果を持つ掌打。
〈砦崩〉
【格闘術】で習得するアーツの一つ。命中した相手の防御力を下げる。
〈破魔の一撃〉
【魔力操作】系統で習得するアーツの一つ。魔術、アーツによる強化効果の解除が可能。ただしエクストラスキルは対象外。
〈刀華:紅椿〉
【仙術】のアーツである〈閃華〉を【刀術・カンナ流】の〈追刃〉で応用・再現したスノウのオリジナルアーツが〈刀華〉。その〈刀華〉に【混成魔法】を併用する派生系の一つが〈刀華:紅椿〉。使用する【混成魔法】は『真紅雷霆』
〈仙術異伝:緋桜〉
【仙術】に他のスキルを併用して放つアーツが〈仙術異伝〉。その中の一つが【混成魔法】の『深緋流炎』で放つ〈仙術異伝:緋桜〉。
〈紅紫流断〉
やってることは大体〈紫紅の流星〉と同じ。髪を変形させて突っ込むか刀で突っ込むかぐらいしか違わない。ただ、【刀術】の〈居合一閃〉や〈抜刀術〉によるAGI補正のぶん〈紫紅の流星〉より速い。
【何人モ知ルニ能ハズ】
アガサの持つ隠蔽系エクストラスキル。魔法の分類で言うと幻影と思わせた系統外。
アガサを中心にニ、三人という効果範囲の狭さと引き換えに、直接触れたりでもしない限り存在を察知されることがないという出力の高さを誇る。また、範囲内の人物が魔術やスキルを使用した場合は多少消費MPが増えるが隠蔽は可能。普通の隠蔽系スキル・魔術だと他系統のものを使うと隠蔽が解ける。
『帯電身体』
雷属性の強化魔術。他の魔術を新たに発動させるまでは雷属性魔法による影響を受けない。なお『帯電身体』より先に発動しておけばセーフ。
『神獣降臨・麒麟』
雷を自由自在に操ったとされる神獣、麒麟の力を一時的にその身に宿す遺失魔術。
具体的な効果としては、AGIの超上昇、雷魔術の消費軽減&威力強化、一部の特殊な魔術を除いた詠唱破棄 、いくつかの固有魔術の一時的習得 。
この魔術を発動している間、雷で形作られた角(ユニコーン的な一本角)、蹄を模したブーツ、羽衣、背後の輪が出現する。
一定以上の魔力回路・霊格・雷への適性・そして神性。これらがこの魔術を十全に使用する条件で、足りなければ足りないほど、使用した際に重い反動がその身を襲う。
スノウは全て揃っているため特にデメリットなく運用可能。ただし普通にこの魔術の消費MPが多いので長時間は難しい。
また、固有魔術は【混成魔法】の雷でも発動できる。
【天の裁定、断罪の剣、贖罪の禊。平等なりし執行者、無慈悲たる滅亡の化身。忘れ去られし其の権威を此処に示せ、雷霆の支配者よ】
・固有魔術
『躯体転雷』
自身の肉体を少し雷に近付ける強化魔術。完全に雷に変化させてしまうと武術など近接戦闘ができなくなってしまうためあくまでも少し近付ける程度。
効果中は物理被ダメージ減少、雷属性攻撃無効、熱ダメージ無効、自身のAGIによる反動ダメージ無効。
『雷星』
雷属性の『魔弾』の上位互換。威力、弾速、操作性が格段に上。
『指向性収束放電』
対象に電撃を放つ攻撃魔術。『雷球』や『雷槍』のような一般的な雷属性攻撃魔術とは術式の工程が異なり、「形状指定」「速度指定」「軌道指定」が省かれている。そのため、発動速度と魔力効率に優れている。
・『雷球』『雷槍』など一般的な対単体攻撃魔術の術式工程
「属性指定」「形状指定」「速度指定」「対象指定」「軌道指定」「発動」
・『指向性収束放電』の術式工程
「属性指定」「対象指定」「発動」
『電磁加速射出』
電磁力で対象を加速させてぶっ放す攻撃魔術。金属に対して発動可能。なお大部分が金属であればOK(具体的な条件としては重量の半分以上を金属が占めていること)なので大抵の武器が対象内だったりする。
超〇磁砲ごっこができる。あと、とある条件に当てはまる相手ならメタることが可能。
『疾駆雷蹄』
雷で足の大部分を覆うロングブーツを作り出す。このブーツは陸海空関係なく己が望んだ場所を足場とすることが可能で、三次元機動がえげつないことになる。
また、ブーツを形成する雷はしれっと「質量と実体を持つ」という雷にあるまじき特性を備えており、何の備えもなしにブーツに触れると普通に焼ける。




