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Unique Tale Online ~竜人少女(?)の珍道中~  作者: 姫河ハヅキ


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第九十九話 『それぞれの効果教えてくれないの不親切過ぎるわね』 「ホントにね!」

年末更新じゃーい!

どうも、姫河ハヅキです。卒論など色んな用事が順調に片付いてるので更新できました。夜はfgoの公式放送とホロライブのライブを見る予定なのでお昼に投稿ですー。

それでは皆さん、よいお年を~

《火属性魔法の試練:第七戦。全てのゲイルワイバーンを討伐せよ》


 飛行持ちの群れェ!めんどくさいの塊!

 飛行手段ないプレイヤーだとかなり厳しいことになるよこれ。

 まぁボクは相性良い方だから割と楽かなー。防御薄くて多少すばしっこいくらいならカモよカモ。

 

《第七戦クリア。【火魔法の秘伝書Ⅶ】を獲得しました 》


 あっさり勝利。相性って重要だよね。

 さて、報酬はどれにするかなー······『破邪の心火』、気になるな。掲示板でも情報出てないやつだ。

 「破邪」ってあるからアンデッドとか悪魔への特攻······?いやでも、「心」が入ってるのを見るに精神系······?

 いいや、取っちゃお。


『破邪の心火』

対象を祈りの焔で焼き清める。効果時間中は精神系状態異常を回復し、同時に精神系状態異常への耐性を上昇させる。

【導きの星、目覚めの光、祈りの灯。其は平穏の象徴たる篝火。傷つき苦しむ魂に、どうか一時の安寧を】


 あっこれ分類としては回復魔法だな······?傍から見ると「精神系状態異常にかかった奴を燃やすやべーやつ」とかいう絵面がちょっとアレなことになるだろうけど。

 見た目はともあれ、ボクの弱点である精神系状態異常への対策が増えたのは大収穫。しかも【救済の御手】とは違って効果が一定時間継続するのが高評価。

 あと三戦の報酬、何が出るか楽しみだね。  


《火属性魔法の試練:第八戦。ハイ・ウィンド・ドラゴンを討伐せよ》


 竜種はどこかのタイミングでくると思ってたよ。こういう高難易度コンテンツに出てくるモンスターとしちゃ鉄板だもの。

 欲を言うならラストにきてくれたら楽だったんだけどねー。竜種の相手は大得意だから。なんたって《竜王》の竜種に対する被ダメ軽減と与ダメ増加の効果量がバグってるのだ。被ダメ大体8割くらい減らすし与ダメは2倍近くまで増えるんだよ。

 なお8割カットしてもボクの防御力ではドラゴンの単なるひっかきでもまともにくらうとHP半分以上吹き飛ぶという。ブレスとかはワンパンよ。

 つまりボクはクソ強称号の半分を無駄にしているというわけだ。

 まぁ与ダメ増加だけでも強いんだけどね。

 手始めに『魔弾』と『魔槍』叩き込んでー、と。······やっぱりよく削れるね。こいつのHPの総量からすれば微々たるものだが、ソロでとりあえず攻撃した結果にしては十二分なダメージ量だ。

 制限時間とかないし回避重視でちまちま削るとしましょうか。


◇◆◇◆◇◆◇


《第八戦クリア。【火魔法の秘伝書Ⅷ】を獲得しました 》


 何事もなく勝った。

 ······うん、《竜王》がぶっ壊れだよね。これがラストだと不完全燃焼になりそうだし、さっきの言葉なし。ラストに来なくてよかった。


『上位竜種を相手取ってるのに作業感強くて緊張感なかったわね。ドラゴン退治ってもっとこう······ドラマチックになるものじゃないのかしら』


『ボクの戦闘スタイルじゃどう足掻いてもユリアが想像するようにはならないよ。戦闘スタイルだけで言うなら多分リルが一番それっぽいかな······?』


 片手剣に盾とかまさに勇者っぽい構成だよね。


『竜種タイマンは有利属性の下位種じゃないとまだ無理なの』


『リルと同じく、相性がよければなんとかなのです』


『下位種ならどの属性もいけるわね。引き撃ちするから時間はかかるけど』


『···飛ばれると無理』


 遠距離特化で複数属性持ちのユリアは時間はかかるがどの属性でも対応可能で、射程を近距離に限定することで火力と装甲の両立を果たしたヴァルナは飛ばれさえしなければ属性関係なく普通に勝てる。片や物理攻撃、片や遠距離攻撃、と切り捨てたものがあるが故の強さだろう。戦闘力は二人の方が上だが、対応力はリルやイナバに軍配が上がるのだ。


 さて報酬は······これにしよ。


〈烽火連天〉

パッシブアーツ。

戦闘時間に応じて火属性の魔術、アーツ、スキルを強化する


 なんで【火属性魔法】のアーツなのに魔術以外にも補正入るんだろうこれ······。

 四字熟語で字面が格好いいから取ったけど普通にヤバいやつやんけ。



《火属性魔法の試練:第九戦。ハイエンド・ストーム・ライガーを討伐せよ》


 「ハイエンド」!?Aランク冒険者のフルパーティ推奨じゃん!?

 いやまぁ、最上位職の条件絡むらしいし、このぐらいの難易度はあってしかるべきか。

 それに、Aランクのフルパ推奨ってのは「誰も死なずに討伐完了できる可能性が高い」のがAランクフルパって意味だから、ソロでいけても別におかしくないんだよね。

 ボクは敵が回避不可能の超広域殲滅技でも持ってない限りは基本的に勝てる。強いて言うなら集中力切れてミスるとヤバいかなー?ってくらい。

 さすがにそろそろ【機巧竜】使おうかな。試練で使い倒す分には誰かに見られる心配をしなくていいもんね。

 火力がかなり上がるから戦闘時間が短縮されてミスる可能性も減るし、使わない理由がない。


「ヌル、使うよー」


 それに、


「マスター!久しぶりに実戦で使ってくれるんですネ······!てっきり当機のことをトレーニング器具と捉えてるのかト············」


 たまには使わないとヌルが拗ねるんだよねー。普段は「人に見られるとマズい」って我慢してもらってるからこういう時は使わないとね。


「【遥か理想の系統樹(セフィロト)】『第五兵装(エロヒム・ギボール)』」


 『第五兵装』。【機巧竜】の五番機、フュンフに搭載された火・爆属性特化兵装『瞋恚の焔(カマエル)』の劣化再現版だ。爆属性魔法のスキルレベルが足りておらずオリジナルたる『瞋恚の焔』が起動できないため、まだこちらなのである。

 最近の戦闘は【混成魔法】を使う頻度が高いから、【混成魔法】で使う属性と使わない属性とでスキルレベルの差が開いてるんだよねぇ。爆属性はノックバックのせいで使い勝手が悪いのもあって、属性魔法スキルの中で最もスキルレベルが低かったりする。

 インベントリから魔力式のミニガン取り出して『第五兵装』に接続して、と。

 よし。


「いくよいくよいくよー!」


ドドドドドドドドドドドドド


 ボクの【魔力自動回復Ⅺ】、『第五兵装』の火属性魔術式構築補助機能、火属性魔術効率化機能。この三つが合わさりミニガンから放たれる火炎弾高速連射。そして目に見えて削れていくHP。

 ライガーの知能はかなり高いようで、あちらこちらに動き回りながら弾幕の薄い場所を探している。真っすぐ突っ込むのは被ダメージが多いうえにカウンターをくらうリスクが高いのを理解しており、少しでも被弾しにくいルートを探し、そこから接近して攻撃しようとしているのだろうが、意図的に隙間を作ってしまえば対処は容易い。

 弾丸を吐き出し続けるミニガンを両手で支えつつ、時折ライガーから繰り出される爪や魔術を躱して回避と攻撃を同時に行う。 ミニガンは大きくて少し動きづらいが、攻撃を意図的に誘導しているため回避は割と簡単なのだ。

 え?「さっきより作業感強いだろ」って?

 いや······ね?八戦目と違って竜種じゃないから、たぶん直撃じゃなくてもワンパンされるんだよね。九戦目まで来て乙るの嫌じゃん。

 それに、《魔術王》の条件の一つに「全ての属性魔法の試練を一度の挑戦で第十戦までクリアすること」ってあるんだよねー。最初の一回で全クリしないとダメとかではなくて、何回挑んでもいいから「ノーデスで第一戦から第十戦までクリア」をやれってこと。

 で、それを全属性で達成するのが《魔術王》の条件の一つなのだ。

 試練は途中で乙った場合、第一戦からやり直すか、負けた所からやり直すかの二択を選ぶことができる。後者を選んでも第十戦をクリアすれば魔術師系統最上位職の条件の一つを達成できるが、《魔術王》の座を狙うなら前者でなくてはならない。

 ここまできてやり直す羽目になるのはめちゃくちゃだるい。

 そのためならば、多少の味気無さなんて些事だよ些事。


『《魔術王》目指してるくせにやることが銃器ブッパってどうなのよ』


『ひたすら弾幕で削り殺すのは風情がないの······』


『釈然としないのですよ······』


『何故なのか』


 何故かブーイングの嵐。

 そんな······ジョブ目当てで魔導機械というルールの穴を突いているだけなのに·········!


『···おぉ······!重火器はロマン······!!!』


 お、ヴァルナは銃のロマンが分かるんだね。


『ねぇヴァルナ。ミニガンがまだあるって言ったらどう?』


『···!出すべき』


「リクエストを受けたら出さないわけにはいかないよねぇ!」


 ミニガンをインベントリから追加で三丁取り出し、右手左手右ツインテール左ツインテールの四丁持ちを敢行。

 けたたましい連射音が鳴り響き、ライガーのHPの減りが加速する。


『···おぉ······!』


 あっやべ。MPの減りエグいわこれ。

 ある日気付いたら生えていたアホ毛を動かし、MPリジェネポーションとMPの回復効果を促進するポーションを飲む。


『スノウの髪、もう手みたいな扱いよね』


『物を持つのはともかく、ポーションの蓋開けるとか器用すぎて怖いの』


『慣れだよ慣れ』


 【身体操作】が現実にもあったらすごい楽だろうなぁ。

 手が何本も増えるんだよー?


『『『『「あ」』』』』


 急に弾幕突っ切って真っすぐ来やがった!

 まぁミニガン四丁もあったら360度カバーできるから実際そうするのが正解なんだけどね。ただ、気付くのが遅いかなー。

 それに、さっきまで警戒してたはずのボクの魔術を失念してるね?


「ヌル」


「もちろん準備完了してますヨ!」


 ミニガンを収納してライガーの懐に入る。

 射程と範囲を全力で投げ捨てた代わりに、威力はめちゃくちゃ高いよ―――!


「「『紅蓮(クリムゾン・ステ)穿(ィンガー)』」」


 炎が凝縮された巨大な杭がライガーの胸に突き刺さる。

 ···えー······?心臓部ぶち抜いてもまだHP残ってるとかマジ?しかも結構ある。


「おっと」


 さすがにパフォーマンスは落ちてるね。ボクを認識してから攻撃に移るまでも、腕をボクに向かって振り下ろす動作も遅い。ずいぶん攻撃を避けやすくなった。

 ということで。


「再びミニガン乱射のお時間でーす」


『これライガー側ほぼ詰みじゃない?』


『······勝負の世界は非情なのですよ』


『ライガーが哀れなの』


 勝てば良かろうなのだぁ!


◇◆◇◆◇◆◇


《第九戦クリア。【火魔法の秘伝書Ⅸ】を獲得しました 》


 ······あれから三度も『紅蓮穿』ぶち込むことになるのはさすがに予想外だったよ。

 ハイエンド級のモンスターだから各ステータスが高いのは織り込み済みだけど、心臓部を四回ぶち抜かないと死なないのは生物としておかしいと思うんだ。


「どれ取ったらいいと思う?」


『それぞれの効果教えてくれないの不親切過ぎるわね』


「ホントにね!」


 名前だけで予想してお祈りとかいうギャンブルをする羽目になるの酷いよ。特に後半の方は一戦一戦めんどくさいのに、クリア報酬が自分のスタイルに噛み合わない可能性が低くないのマジでどうかと思う。


『···これがいいと思う』


『私もそれがいいと思うのです。おかーさんはこれ以上高威力のはいらないのですよ』


『賛成なの』


『確かに······他のと違って防御・支援系っぽいネーミングよね』


「じゃあこれにするねー」

 

『炎の写し身』

炎の熱をその身に宿すことで、熱の変化による悪影響を無効化する。変化した体温は自身の装備やアイテムには影響を及ぼさないが、他に触れたものを熱することは可能。


 お?便利枠っぽいよこれ。閉所で何かを加熱したいときでも窒息の危険がないのはどこかで出番がありそうだし、テキスト見た感じ、ちょっと悪さできそうだ。

 よし、最終戦行きますかー。


「スキルの封印解除されるから、相手によっては手伝ってもらうよー」


『『『『了解』』』』


《火属性魔法の試練:最終戦。かつての《極炎(ザ・フレイム)》を討伐せよ》


 あ、モンスターじゃなくて対人戦じゃん。ここまでで火属性魔法を使いこなしていることは証明できたから、最後は己の全てを使って火属性魔法の頂点を打倒しろってことね。

 後衛だろうし接近すれば―――


「は?」


 《極炎》の周囲に浮かんでいるのは《獄炎魔術師》の奥義『煌炎流星』だろう。それ自体はそこまで驚くことではない。ジョブが違うため奥義は使えないが、上位互換の《極炎》に至っているなら同系統のジョブ奥義を自力で再現できてもおかしくない。

 しかし、しかし。それが数十も同時に浮かんでいるのはおかしいだろう。


「いやいやいやいや!ただの魔術じゃなくて奥義をその数はおかしいでしょー!」


 走り、飛び、【魔力噴出】で加速し、数多降り注ぐ『煌炎流星』を必死に躱す。通の魔術なら相殺を試みるが、上級職奥義ともなるとまず無理だ。

 奥義をこんなバカスカ撃ってたらMPすぐに切れると思うんだけどー!


『······撃った端から即補充してるわね』


「嘘でしょ!?」


 ······ん············?

 《極炎》の魔力減ってないな······?

 まさか無限MPかこれ。


「······ちょっと試すかー」


 距離が空いている方が回避しやすいという理由で《極炎》に近づかずに回避していたが、とある予想が合っているか確かめるため接近する。

 すると《極炎》は『煌炎流星』を破棄し、『豪火砲』を次々と放ちボクを焼こうとする。

 一つ一つの範囲は大きくなったけど数は減ったから避けやすくなったかなー······っ!!!


「即興で一人合唱魔法とかマジか」


 魔術の技法の一つに、複数人が同時に同じ魔術を放つことで合成し、威力を跳ね上げる「合唱魔法」というものがある。《極炎》はそれを一人で、しかもそれぞれの魔術を放った後に合成するという離れ業をやってのけている。

 前言撤回。回避難しくなってる。ただでさえ範囲広い砲撃が無作為にさらにサイズアップするのキツいわ。

 でも検証したいからもっと接近しないとなー。


「ユリア、リル!速度支援ちょうだい!」


―――『ハイ・エンハンスド・アジリティ』―――

―――『疾風の加護』―――

―――『魔纏・真紅雷霆』―――


 三重の速度強化で『豪火砲』の照準を無理やり振り切ってさらに近づく。


ゾクッ


「―――やばっ」


 悪寒を感じて飛びのくと、先程の瞬間にボクがいた場所に炎の花が咲いている。

 これ止まった瞬間死ぬやつじゃん!

 あっちょっと熱い!直撃ギリギリ避けれてるけど余波で微妙にダメージ入る!

 しかも範囲魔術でジリジリ焼いてくるー!


「ヤバいヤバいヤバい」


 急いで距離を取ると《極炎》は砲撃を再開し、さらに遠ざかると『煌炎流星』の雨を降らす。


「技巧は本人準拠、行動パターンは距離に応じた固定ムーブ、無限MP。こんな所かな」


 本人の技術的には可能だがMP量の限界で無理だったことがこの試練で再現されてる、みたいな内容の設定だかフレーバーテキストがどこかに載ってる気がするなぁ。わざわざ「かつての《極炎》を」ってシステムメッセージが出たあたり、これくらいの技巧があったってことを示唆してると思うんだよね。

 まぁ、試練は同時に多くのプレイヤーがそれぞれ挑んでるから行動パターンはいくつか用意したものを使い分け、くらいが難易度とかサーバーの負荷を鑑みた妥協点なんじゃないかな。

 遠距離だと上級職奥義の雨、中距離だとランダムでサイズアップする砲撃の乱射、近距離だと高速発動の炎花+範囲スリップダメージ。


「······キツいなぁ」


 あの炎の花、三重強化でギリギリって発動速度どうなってんの。

 いや、違うな。ヤバいのは《極炎》の動体視力と思考速度か。


「ユリア、回復準備」


『あら、回避諦めて突っ切るつもり?やめといた方がいいわよ』


「うんにゃ、実験」


 回避しながら無造作に手を《煌炎流星》に突っ込む。

 ······ふむ。


『何してるのよ!?』


 回復してもらったので今度は『炎の写し身』を発動して手を突っ込む。

 ······ダメージ下がってるけどまだ多いな。


「ごめんだけどあと何回かやるから回復おねがーい」


『もう!』


 水属性の『魔纏』を発動した状態で一度、氷属性の『魔纏』を発動した状態で一度、 『魔纏・白冷凝炎』を発動した状態で一度、『炎の写し身』 と『魔纏・白冷凝炎』を併用した状態で一度。

 繰り返し手を焼くことで『炎の写し身』の効果とそれぞれの兼ね合いを確認する。

 うん、大体分かった。

 『炎の写し身』は熱によるダメージを無効化するけど、燃焼によるダメージは変わらず受ける。まぁ熱ダメ無効だけでも結構被ダメ減るからかなり便利。

 で、肉体を焼かれることによる燃焼ダメは『魔纏』で減らすことができる。減少量は水属性<氷属性<氷を含んだ【混成魔法】って感じ。

 つまり「氷を含んだ【混成魔法】」と『炎の写し身』の組み合わせが一番被ダメを減らすことができるというわけだ。

 

「んー······これゴリ押しの方が簡単かもしれん」


『え゛。アレ相手にゴリ押しとか無理でしょ』


「ゴリ押しといっても、防御捨てた突撃とかじゃないよ。速度ガン上げ首チョンパ」


『いつものなのです』


 それはそう。


「ユリアとリルはもう一度速度支援ちょうだい。デメリットあっても構わないからとにかく効果量が高いやつ。ヌルは『第四兵装』を展開。イナバは〈融合召喚〉するから合わせて」


―――『オーバー・エンハンスド・アジリティ』―――

―――『暴風爆走』―――

―――〈融合召喚:イナバ〉―――

―――【遥か理想の系統樹】『第四兵装(エル)』 ―――

―――『炎の写し身』―――

―――『加速』―――

―――『魔纏・混成複合:白冷凝炎(ヴァルコイネン)×凍銀雷霆(ブラン)』―――


 支援を受け、ポーションを飲み、刀を装備し、各種スキル及び魔術を並列起動。数倍に跳ね上がったAGIで《極炎》に向かって疾走する。

 ボクを狙って放たれる『煌炎流星』も『豪火砲』も発動した瞬間にはその射線をボクは通り過ぎている。瞬く間に炎花と持続範囲魔法の距離まで急接近を果たす。

 炎花の照準より素早く動き、スリップダメージをものともせず、刀の間合いまで距離を詰める。

 ―――ここかな。


―――『短距離転移』―――

―――『破滅(カタストロフィ)炎禍(・ブレイズ)』―――


 嫌な予感がして転移魔法で離れた瞬間、《極炎》を中心に炎の渦が巻き起こる。転移せず攻撃を仕掛けていたら、焼かれて死んでいただろう。


『···びっくり』


『よく避けたわね、スノウ。私だって準備に気付かなかったのに』


「うんにゃ、勘」


 炎花に紛れて準備してたっぽいけど、数が多すぎて一つ一つの術式を視る余裕はなかったから気付かなかったよ。

 ただ、距離に応じた三段階のパターン変化以外にも仕掛けがあると思ってたんだよねー。タイミングとしては今の最接近した時か、倒したと思った直後かの二択で予想してた。

 とりあえず、これ以上何かされる前に勝たせてもらう。


―――『短距離転移』―――

―――〈居合一閃〉―――


 転移と同時に抜刀術というクソコンボで《極炎》の首を切り落とす。

 ······これで各属性魔術の試練の最終戦いけるのでは?


《最終戦クリア。【火魔法の秘伝書Ⅹ】を獲得しました 》


《条件を達成しました。称号《極炎の証》を獲得しました》


《条件を達成しました。称号《火を統べる者》を獲得しました》


 死に際の一撃はなかったか。首チョンパしたから無いのかもだけど。


《極炎の証》

獲得条件:火属性魔法の試練を最終戦までクリアすること。

効果:ジョブや装備の条件における「【真炎魔法】の保有」を達成したことにする。


《火を統べる者》

獲得条件:火属性魔法の試練を失敗せずに第一戦から最終戦までクリアすること。

効果:火属性魔法の効果量+50%、火属性魔法の消費MP-20%


 《極炎の証》は知っていたが《火を統べる者》は予想外だ。こういう消費軽減系の称号取っていけば【混成魔法】や〈混成複合〉の使いやすさが向上していくので、積極的に狙っていきたい所存である。


 さてさて、最終戦の報酬はー?

 ······字面を見るに使い勝手そんなに良くなさそうなのあるなぁ。もちろん強力なんだろうけど、コストとか反動ヤバそう。

 でもロマンがありそうだからちょっと欲しい。

 どうせ他も詳細分からないんだし名前の印象で選んじゃえ。殲滅戦で試そ。

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― 新着の感想 ―
>『炎の写し身』 >炎の熱をその身に宿すことで、熱の変化による悪影響を無効化する。変化した体温は自身の装備やアイテムには影響を及ぼさないが、他に触れたものを熱することは可能。  これは鉄板の上での焼…
ドラゴン狩りの作業感から少しは手こずる試練か(◡ω◡) 何気に盛り上がる苦戦だったか?(´-﹏-`;) 良いお年(⌐■-■)
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