↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
90/111

呪縛

 ダンジョンの中は入口からは想像できないほど広大だ。

 まあ、それはいつものことである。


 異空間。

 ダンジョンの入口は常にではないが、そうなっている。


 今回は目の前に広大な草原が広がっているエリアだった。

 サバンナを思わせる光景だ。

 もちろん動画や写真でしか見たことはないけれど。


「この水のダンジョンは階層が3つに分かれている。条件を満たさないと次の階層へは行けない」

「条件って?」


「魔物の全滅。一度今いる階層の魔物を全滅させないと次の階層への扉は出現しない」

「シンプルでいいルールだな」


 俄然、やる気が出てきた。

 そうそう、こういうのでいいんだよ。


「全滅だぞ? かなり広いし、時間もかかる……いや、かからないのか? お前さんなら」

「どうだろうな。でも、やってみたらわかるさ」


 俺は軽く準備運動をしてからサバンナダンジョンを眺める。

 そして最初の魔物を見つけた。


「行ってくる」

「おー、頑張れ」


 俺はクラッドに告げて飛び出す。

 数百メートル先にいたのは、ライオンに似た魔物だ。


「……っ!? ごがあぁああっ!」


 ライオン型はこちらに気づいたが、もう遅い。

 俺は魔物の顔を殴り飛ばした。


「──っ!?」


 魔物は一瞬で粒子に変わって消えていく。

 どうやらこのダンジョン内では、敵はそのまま素材になったり魔石を落としたりはしないらしい。

 探索目的が来る必要がないって感じがして、思わず頬が緩む。


「待ってろよ魔王ー!」


 俺はそのあともワニに似た魔物やカバに似た魔物、巨大化したサソリ型の魔物などを蹴散らしまくった。

 広大なサバンナを走り回り、思うがままに身体を使う。


 爽快だった。

 身体が自由だ。


 前世では考えられなかった、最高の気分。


 最後の魔物、なぜかサバンナに出現した巨大な熊を殴り倒したあと、俺は汗を拭って息を大きく吸った。


 そのときだった。

 次の階層への扉が出現すると同時に、どくり、と身体に違和感を覚えた。


 心臓を掴まれたような、嫌な気配。


(……なんだ?)


 周りには誰の気配もない。

 あるのはこちらに向かって走ってくるクラッドのものだけだ。


 しかし誰かに見られているような感覚だけは拭えない。


「……ステータスオープン」


 全滅させるごとにデバフが付くタイプのダンジョンだったりするのか?

 しかしそうであるならば、クラッドが注意しないのも不思議な話だ。

 事前に知らなかった? いや、違う。


ー・ー・ー・ー


 リクド・アルスベール レベル999 ステゴロの鬼


 シャズレンの呪縛:戦いの大神シャズレンに見定められた証。武器や防具など、戦いのための装備が不可能。いずれ☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓。


ー・ー・ー・ー


 呪いが、呪縛に変わっていた。


(いずれ? なんでここだけ読めないんだ……)


 俺はステータスを睨む。

 しかし睨んだところで文字は変わらない。


「おい、どうしたリクド」

「……いや、なんでもない。次の階層に行こう」


「あ、ああ」


 まだ何が起こるかわからない。

 身体は動く。不快だったのは一瞬だけだ。


 ひとまず今は、魔王と戦うためにコアを取りに行く。


 難しいことは、あとで考えることにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。