南のダンジョン 入り口
「ここが南のダンジョンか」
「ああ、そうだ。ほら、門番がいる」
俺はクラッドの案内に従って、一番近くにあった南のダンジョンに来ていた。
他のダンジョンと違って入口は広大で、クラッドの言う通り、何か巨大な魔物がいた。
前世で見たことがある。
あれだ。スフィンクスだ。
身体が紫色をした、毒々しいスフィンクスがダンジョンの入口を守っていた。
「門番までいるなんて、さすがダンジョンコアのあるダンジョンだな」
「そんなに余裕で大丈夫か? 門番はかなり強いぞ。場合によっては不可思議な魔法でこっちを混乱させてくることもある」
俺はスフィンクスがこちらに気づいたのを察知しつつ、グッと腰を沈める。
「あれは攻撃したら跳ね返してくるとか、幻惑魔法を使うとかあるのか?」
「跳ね返しはないが、幻惑魔法の類を使うはずだ。ヤツの口から発せられる言葉を3秒以上聞いたらかなりマズイことに」
「3秒もあれば十分だ」
俺は飛び上がり、巨大なスフィンクスの頭部目前に迫る。
スフィンクスが目を見開いた。
けれど何か対処しようとしても、もう遅い。
「そいや!」
「──ッ!?」
飛び回し蹴り。
ただの一撃。しかし、レベル999の一撃だ。
パァンッ──と小気味良い音が鳴って、スフィンクスの頭が吹っ飛んだ。
身体が溶け、粒子となって消えていく。
「……お前を心配するだけ損だったな」
近づいてきたクラッドに俺は笑みを向ける。
「入口が開いたぜ」
「見りゃわかる」
スフィンクスがいなくなったことで、ダンジョンの入口が勝手に開く。
こうして俺たちはあっさりとあっけなく、ダンジョンへ入ることに成功したのだった。
「本当に、バカみたいな強さしてるな」
「でも無敵じゃない」
「……魔王か」
「ああ。魔王となら、俺が求めている勝負ができる。だから、これぐらいはな」
「リクド、魔王より強いヤツがいるとしたらどうする?」
「最高だなと思うんじゃないか? それで敵対するなら戦うし、そうじゃないなら手合わせ願うし、まあ遭遇してから考えるかな」
「そうか。それもそうだな」
「よし、行こう。クラッド」
「おお」




