SSS級とかいう連中は
「もっと詳しく言えば、魔王の城への扉には鍵がかかっているイメージだ」
クラッドが言った。
「その鍵は4つ」
「それがダンジョンコア」
「そうだ。そしてその4つが集まったとき、魔王城への扉が開く。普通はソロで挑むヤツもいないから、世界中から集まった猛者たちがそれぞれにダンジョンコアを獲得し、魔王を倒せる勇者のもとへコアを持ってくる」
「ふむ」
「そして聖教国の予言だと、勇者が現れるまではあと三ヶ月だ。つまり、ソロで挑もうっていうなら猶予は三ヶ月しかない」
「そうか! そういう問題もあるのか」
「ああ。勇者が現れれば必然的には世界は勇者に協力する方向へ舵を切る。当然のことだな。魔王という圧倒的脅威を倒せるものがいるとわかっているのに、わざわざ酔狂なステゴロ男のために待ってくれる道理はない。それはわかるだろ?」
「……ああ。いよいよ時間もないわけだ」
「お前さんが魔王と戦うためには、三ヶ月以内にダンジョンコアをすべて手に入れてまたここに戻ってくる必要がある。その上で勇者よりも先に魔王を倒す。改めて、とんでもなく困難な道のりだ」
「……」
クラッドの言葉に何も返せない。
魔王と戦いたい。身体が、心が、ヤツとの闘争を求めている。
しかしその思いと比例するように、戦うための壁はかなりの高さだ。
「ただし、いくつかのコアはここに集まる可能性がある」
ふいに、クラッドがそんなことを言った。
「……? どういうことだ?」
「いいか。ダンジョンはもう出現している。かなりの猛者でも返り討ちに遭うダンジョンだ。最凶にして最悪といってもいい。だが、そこに挑むバカがいる。たとえ魔王城へ続くダンジョンコアが眠っていると気づいていなくとも」
「……誰がそんなことを?」
聞くと、クラッドが俺を指さした。
「お前さんや俺みたいな連中だよ。SSS級冒険者。命知らずで戦いを求めている人の理を超えた力を持つものたち」
「SSS級……彼らがダンジョンを攻略すると?」
クラッドは頷く。
「攻略せずにはいられない。一部は学者的な人間もいるが、SSS級になるような連中の大半は戦闘狂だ。魔王が現れて疼いているのはお前さんだけではないってことだ」
「じゃあ、うまくすれば」
俺の言葉に、クラッドがにやりと口角を上げた。
「人の手に触れたダンジョンコアは必ずこの地へ導く。つまり、俺たち以外の酔狂な戦闘狂がいれば……」
「三ヶ月以内に揃う」
「そういうことだ」
「…………」
俺の口角も思わず持ち上がっていた。
ダンジョンコアが揃うことはもちろん、俺と同じような人間がいる。
それは、魔王との戦いと同じように、俺を感動させるものだった。




