上がりすぎたレベルととんでもない呪い
「ギャギャッ!?」
森に入ってしばらく歩くと、気配で察知したとおりにゴブリンの群れを見つけた。
「はっ!」
「ギャッ!?」
俺は素早くゴブリンの懐に潜り込んで拳で一閃。
拳をゴブリンの顔面にぶち込んで魔石に変える。
「ギャッ!?」「ギッ!?」「ギャォッ!?」
右拳。
回し蹴り。
飛び後ろ回し蹴り。
裏拳。
などなど、俺は前世でやりたかった攻撃を自在に操ってゴブリンを叩きのめしていく。
そして無事に10匹分の魔石を回収して、次の気配へと歩き出す。
☓ ☓ ☓
「せりゃ!」
「ギャワンッ?!」
コボルトも同じ要領で倒していく。
ゴブリンよりもコボルトのほうが知能は高く、道具を上手く使ってくるのだが、俺は棍棒や槍っぽいものを避けて拳と蹴りを叩き込む。
終わってみれば圧勝だった。
続いて、最後に残ったスモールスネークの元へと向かう。
☓ ☓ ☓
「シャーッ!!」
気配を探って歩いていると、藪からスモールスネークが飛び出してくる。
普通のF級冒険者だったら一噛みぐらいはされているだろう。
そう、普通だったら──。
もちろん俺は普通ではない。
なぜなら友達付き合いなどの大事な人間関係構築を忘れてまで、レベル上げに没頭していた男だ。
「シャッ?」
俺は噛まれる寸前、スモールスネークの頭部のすぐ下部分を掴む。
感覚的には首だ。
そしてそのまま握りつぶした。
「……ッ!?」
スモールスネークは悲鳴を上げることすら出来ずに絶命する。
すぐに魔石となって、俺はそれを回収した。
一応、万が一のために毒消し薬を持ってきていたが、無駄になったようで良かった。
「レジオには心配してもらったけど、たぶん大丈夫なんだよなぁ」
俺は思いながら、ステータス画面を開く。
そこには名前と、レベル、それから武器防具が装備できないという呪いが表記されていた。
ーーーーー
リクド・アルスベール レベル999 ステゴロの鬼
シャズレンの呪い:戦いの大神シャズレンの呪い。武器や防具など戦いのための装備が不可能。
ーーーーー
そう、俺はレベル上げに夢中になりすぎた結果、カンストしてしまったのだ。
リクド・アルスベール、レベル999。
今はまだ、F級冒険者である。




