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問題は起こり続けるもの

「で、その協力者である魔法使いは自害魔法で爆発した、と」

「ああ」


 魔法使いとの戦闘後、俺はギルドに戻っていた。


「魔族はおらず、魔物が暴走だけしていた。あり得るのか? いや、魔王が復活しているならそちらのほうが自然か」

「ダンジョン自体は一本道だったから、隠れる場所もなかったと思う」


「ああ、そうだろうな。にしても厄介なことだ。人間側にも魔王の協力者がいるとは」

「協力者というよりは、魔王に対する狂信者といった様子だったけどな」


「なんにせよ、私たちが追っている魔族以外も現れるとしたらS級だけでは足りない。SS、いやSSS級も早く呼び出さないと」

「SSS級!? 会えるのか!?」


 俺が身を乗り出すとアンナは驚いた表情をしたあと、すぐにいつもの顔に戻って首を振った。


「いや、依頼を承諾するかどうかはわからない。SSS級は自由だ。場合によっては国命でさえ動かせないときがある」

「なんだ……」


 がっかりした。

 SSS級がどれほど強いのか、早く見てみたかったのに。


「確証のない魔族捜索、討伐よりも、実際に今被害が出ているドラゴン討伐などに力を注ぐのも当たり前だからな。魔王復活の情報を得てからずっとコンタクトを取ろうとしているが、やはり連中は難しい」

「そんなものなのか」


 俺はもう一度落胆したが、しかしSSS級たちの言い分というか行動もわかる。

 目の前の脅威を放っておいて、いるかどうかわからない魔族討伐に力を割くのは矜持としても違うと思うものたちが多いのだろう。


「しかし本格的にマズイことになったな……」

「どういうことだ?」


「人族の協力者はあくまでも仮定の話だったんだ。魔族が人族の協力を得るとは思えないからな。だが、いた。残念ながら死んでしまったが、いたんだ」

「それはそうだが……」


「つまりだ、協力者がひとりだけであるとは限らない。人族に紛れ込んで、堂々と活動しているものがいてもおかしくないということだ」

「人族の重鎮とか?」


 ゲームや小説、映画なんかの定番だ。

 俺は軽口のつもりで言ったが、アンナは表情を硬くして頷く。


「そのとおりだ。だから、信頼できる人間をまず見極めなくてはいけない。そもそも魔族捕縛部隊が襲撃されたことも、護送するルートがどこから漏れたのか。そこから探っていかないといけない」


 アンナがため息を吐く。


「魔王復活……人族は思ったよりも、後手に回ってしまっているかもしれない」

「それはまだわからないんじゃ……」


 俺がそう言いかけたときだった。


「えっ?!」


 受付で、リムが驚愕の声をあげた。


「どうした? リム」


 アンナの問いかけに、リムは目を見開いたまま顔をこちらに向ける。


「ま、魔獣です……」


 震える声だった。

 唇が小刻みに揺れている。


「魔獣が復活しました!」

「なにっ……?!」


「廃魔族領の偵察隊から報告……復活したのは、魔獣フロス」

「フロスっ……ヤツか!」


「救援要請! 廃魔族領からです!」


 別の職員が受け取った報告書簡を読み上げ、ギルド内に緊張が走る。


「わずかな休憩さえ許されないのか……すまん、リクド!」

「ああ!」


 最後まで聞かず、俺はギルドを飛び出す。

 向かうのは当然、廃魔族領だ。


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