VSモンスターピッグ
「はぁあっ!」
「ぴぎゃあぁっ!?」
一番先頭のモンスターピッグの眉間を思い切り殴りつける。
突進して勢いのついたモンスターピッグが後方に吹っ飛んでいく。
「ぴぎぃっ!?」
「ぶぎゃぁっ!?」
吹っ飛んできたモンスターピッグに巻き込まれた別のモンスターピッグが悲鳴を上げて倒れる。
「ぶぎょおおっ!」
「ふんっ!」
「ぶぎゃんっ!?」
怒り心頭で突進してきたモンスターピッグの頭を、握った拳を小指側から落とす『鉄槌』で地面に叩き落とす。
モンスターピッグの頭が地面にめり込み、身体が縦に突き刺さったような形で絶命させた。
「ぶぎぃぃぃっ!」
「ふぎぃぃぃっ!」
左右からモンスターピッグが突進してきて、俺を挟み撃ちにする。
だが、甘い。
「ふんぅぅっ!」
「「ぶぎっ!?」」
俺はモンスターピッグ2匹の鼻っ柱を鷲掴みにして持ち上げる。
「ふんはぁあっ!」
「「ぶぎゃああああっ!!???」」
まだまだたくさんいるモンスターピッグの群れに向かってぶん投げると、他のモンスターピッグを巻き込んで吹っ飛び、そこが爆心地みたいになった。
「かかってこぉいっ!!」
「ぶぎぃぃぃぃぃっ!!!!」
それからしばらく俺は、モンスターピッグの群れをちぎっては投げ、ちぎっては投げの大暴れをした。
「ぶ……ぎぃ……」
そして十数分後。
天高く投げた最後のモンスターピッグが死屍累々、仲間たちで出来た小山にドスンと落下し絶命したことで、畑を荒らす害獣の討伐に無事成功したのだった。
「終わったぞ、ウェド」
「お前さん、戦闘の神か何かか?」
戦闘を終えてしばらく、モンスターピッグをせっせとアイテムバッグに詰め込んでいた俺に、近づいてきたウェドが呟いた。
「戦闘の神……? シャズレンを知ってるのか?」
シャズレンは戦闘の大神で、俺に武具の装備が不可能な呪いをかけたとされる神だ。
俺が立ち寄ったところなどでも名前を聞くことはなかったから調査を忘れていたが、知っている人間がいるなら話を聞いてみたい。
「シャズレン……? すまないがそういう神様は知らないが、お前さんがそういう風に見えたってことだ」
「ああ、なるほど……」
ウェドは知らないようだ。
先走ってしまったみたいだ。反省。
「しかし、本当に全部倒してしまうとは……半分だけでも倒して撃退、ぐらいが理想だったんだが……」
「全部倒すのはまずかったか?」
「とんでもない。大助かりだ。あんたの力、疑って悪かったな」
「いいさ。ソロの冒険者が来たら実力を疑うのが普通だ」
「そうだ、これを持っていてくれ。お詫びも込めて」
そう言って、ウェドは持っていた麻袋を俺に手渡してくる。
中身はたくさんの野菜だった。
「いいのか、こんなに」
「もちろんだ。あんたがいなけりゃ、その野菜も収穫できなくなるところだった。せめてものってやつだな」
「ありがとう。もらうよ」
「ああ、そうしてくれ。依頼は達成だ。ありがとな……えーっと」
「リクドだ」
「ありがとな、リクド!」




