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F級冒険者リクド・アルスベール

「ほらよ、リクド・アルスベール。F級冒険者カードだ」

「ああ、ありがとう」


 リクドとして目覚めてから13年が過ぎた。

 18歳。

 大人として働くのに十分な年齢になった俺は、迷わず身体を使う冒険者になる道を選んだ。


 村からここ、ミュラントの街に出て、ギルドで無事に冒険者カードを手に入れた。

 だが、受付の対応が悪い。


 まあそれも当然だ。


 俺、リクド・アルスベールには呪いがかかっている。

 それは15歳のとき、教会での職業適正洗礼で判断したものだ。


 俺は武器を装備することができない。

 武器も防具も。


 だから、前世では絶対に考えられなかったが、俺は素手喧嘩ステゴロで身体を鍛え続けていた。


 ずっとおかしいと思っていたのだ。


 戦うためと思ったら、木の棒すら持つことが出来ない身体。


 だが呪いなら仕方ないし、実際日常生活にもレベル上げにも支障はなかったので別にいい。


 道具が持てないとかの呪いだったらかなり厳しかったかもしれない。

 飯を食うのも全部素手だったってことだしな。


 なにはともあれ、武器防具が装備できない冒険者。

 そんな人間に何が出来ると思われても仕方がないし、受付の対応はある意味まともだ。


 冒険者カードにはレベルも出ないし。


 しかし、俺にはそんなことどうでもいい。

 念願の身体を使う仕事、冒険者になれたのだ。


 これからバリバリ働いて、楽しく暮らすぞ!


 俺はそう決めて、まずは薬草採取とゴブリン退治のクエストを受注するのだった。


読んでいただきありがとうございました。

明日も12時更新です。よろしくお願いいたします!

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